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二章第一節 一流警備兵イシハラナツイ、借金返済の旅
百二十二.ゆったりたっぷりのんびり
しおりを挟む「なんだ、そんなんでいいのか。いいぞ」
俺はごちそうさまをした後、猫娘と魔女から話を聞いて条件を了承した。
地球に戻る方法ね、まぁ俺的には面倒だから地球には帰らなくてもいいかなって思ってたけど戻る方法が見つかってそれが面倒じゃなかったら戻ってもいい、つまりどっちでもいい事だから引き受けた。
「ニャ……そんな安請け合いしていい話なのかニャ……まぁいいニャ。それで魔女さん、魔物はどこから産み出されているニャ?」
「……………ここ最近私の住み処に隠れて住み着いている魔物がいる………何処かの遺跡にいるはず…………」
「ニャ!? 遺跡群にかニャ!? まさかそいつが……」
「ぶつぶつ……それはわからない……けどそいつが住み着いてから魔物が増えているのは確か……ぶつぶつ……」
「魔女さんはそいつが誰かわからニャいのかニャ?」
「ぶつぶつ……知らないしどうでもいい……私には害がないし……この空間から出るのが面倒……」
「……ニャるほど……ここなら魔女さんの伝説への畏怖が隠れ簑になるから誰にもバレずに悪事を行えるというわけニャ……」
「ぶつぶつ……たぶんそれが狙い……現にお兄さん達も私が魔物を産み出していると勘違いしてここまで来てしまった……私にも害が出始めたから話した……ぶつぶつ」
「申し訳ニャいニャ……なら! うちらがそいつをやっつけてやるニャよ!」
「ぶつぶつ……頑張って……場所は遺跡群北西部……じゃあお兄さん……地球の件よろしく……出口はあっちに作るから勝手に出ていって……ぶつぶつ」
魔女は扉の方を指差して布団に再び潜った。
猫娘は原因を突き止めたからか意気揚々と出口へ進んでいく。
俺は魔女の布団の横に座った。
何故かって? 引っ掛かる事があるからだ。
俺は座りながら単刀直入に言った。
「何故最近まで外の事を知らない上にどうでもいいと言った割にここに住み着いていたやつが『魔物』だとわかった?」
「…………」
「盗賊かもしれないし亜人かもしれないし竜かもしれないだろ?」
「…………」
「別に興味ないしお前を疑ってるわけじゃない、クズの感じがお前からはしないしな。だが、何か隠しているだろう。それが俺達の不利益にならなければどうでもいいけど」
「………………知らない方がいい、それが真実だとしたら……あまりにも残酷な現実になるから……」
魔女はぶつぶつ言わずに、はっきりと喋りだした。
ちゃんと喋れるんなら最初からちゃんと話さんかい。
「だから適当に嘘の真実を教えたのか?」
「……嘘ではない、あの猫人族の知りたい真実……ここ最近のこの国での魔物増加の要因を産み出しているのは恐らくその魔物……」
「それは、『表向きは』という事だな」
「………」
「まぁどうでもいい、そんな伏線めいた事を散りばめなくても俺はそんなもの回収する気はない。猫娘達がクエストを解決できればそれで万事OK」
「……ぶつぶつ……お兄さんは本当に変わった人……本質がどこにあるのか……雲みたいに形を変える……掴みづらい……ぶつぶつ……」
「お前も大概だと思うけど」
「ぶつぶつ……知ってる……それよりもお兄さん……今探してる女の子の事だけど……」
魔女は突然話題を変える。
探してる女の子? シューズの事か? なんで魔女がシューズを知ってるんだ?
あ、そうか。猫娘の記憶を読んだから俺の旅の目的も知ってるのか。
「早く行った方がいい、早くしないと……」
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