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最終節.女子高生(おっさん)の日常と、いともたやすく創造されしNEW WORLD
228.女子高生(おっさん)の最終イベント『文化祭』プログラム⑪~異変~
しおりを挟む「……ナ……ア…………アシ………………アシュナっ!」
「………ん?」
「もぉ~どうしたのボーッとしてー」
「大丈夫? 疲れちゃった? 具合悪い?」
「……大丈夫、ありがとうヒメ。ごめんねヒナ。次はどこ行くんだっけ?」
「じゃあ~お化け屋敷行ってみよ~よ」
昼時、ミスコンを終えた俺は陽キャ三女傑と共に学祭を見て回った。どうやら阿修凪ちゃんが約束していたらしい。三人共、非日常の学校の様相にテンションが上がりっぱなしだ(いつものことだけど)。
だが、おっさんの気分は乗らなかった。
急にメンタルよわよわモードになり、皆との別れが寂しくなったからである。
学祭のノリで作られたクオリティの低いコンテンツの数々がクソつまらないのもあるだろう──こんなん絶対身内にしか受けないだろと心中で毒づく始末である。
あれからダメ神夫婦とも連絡取れないし……阿修凪ちゃんは爆睡してるし……もうこの世界で俺は一人ぼっちで消えていくんだな……とメンヘラ状態になりつつも何とか楽しんでいる感を出してお遊戯祭りに興じていると、何故か周囲の目線がいつもと違っている気がした。
女生徒や女性の一般客は嫉妬に狂ったような眼をこちらに向けているような気がするし、野郎共は尊敬のような眼差しをしつつも……諦めを孕んだり、やはり嫉妬してそうな睨みを利かせたりと謎の百面相感を醸(かも)し出していた。
一体なんなのだろうか──世界がバグり始めたのだろうか。
だが、ヘラっているおっさんにとっては最早どうでもいい事象である。
『もう別れを回避できなくて、俺一人が消えるのであればむしろ皆一緒に滅べばいい』
あれだけカッコつけて終わりを迎えようとしたにも関わらず、最後に全てを台無しにする不安定な情緒と意地の悪さと我儘(わがまま)の極意を併せ持つのがおっさんという生物の特徴なのだ(※個人差があります)
「あ、ごめん。ちょっとおトイレ行ってくるね~」
「あ……じゃあ私も……」
「………えっ!?」
ヒマリがトイレへ向かおうとしたので連れションしようとすると……ヒナとヒメが驚いた様子を見せた。
『え? 何か変な事言った?』と問おうとすると二人とも『あ、うん。そうだよね……』と急に納得して不思議がっていた。
そしてヒマリは、明らかに動揺して顔を真っ赤にしていた。
ご飯おかわり四杯はイケそうな表情だったが、それよりもまずわけがわからなかった。
本当にどうしたのだろうか?
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