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第5節 女子高生(おっさん)の日常と、いとも愛しい夏休み
152.女子高生(おっさん)とプールと拓かれる世界
しおりを挟む【プール開き】──それは中学生~高校生の男子にとって魅惑で甘美なる響き。合法且つ半ば強制的に取り組める眼の保養であり、夏休みを控えてはいるが……プールに行く予定などありはしない日陰者にとってはまるで夢の時間だ。
そんな学校のプールで、まさか新たな世界を拓く事になろうとは……夢にも思っていなかったおっさんの体験を綴(つづ)っていこう。
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〈7月 学校 女子更衣室〉
「そういえば……アシュナ、今年のプールは出るんだね」
そんな想いを馳せた女子更衣室──制服女子達がこぞって集うこの空間。
これから始まる『大着替え時代』を想像してしまったのでそそり立つファントムおち●ちんを静めようと瞳を閉じて瞑想している最中……『桃色平原』ことヒメがそんな事を口にした。反応した『豊穣の果実』ことヒナヒナとヒマリも寄ってくる。
「そういえば去年アシュナ水泳の授業はいつもいなかったね」
「うん~、アシュナちゃんもしかして水泳苦手?」
「いや、そんな事はないけど……」
昨年──七月。
タイムリープしてきたのは丁度……夏休み真っ最中だったから当然、一年前のその時はアシュナはおっさんではなかった。だからアシュナがどう過ごして、どんな考えで水泳の授業をサボってたのか詳細は知らない。
別に泳ぎが不得意なわけではないアシュナがそれでも頑なにプールを拒んだ理由は果たしてなんなのだろうか。これまで一年生の時のアシュナの思考大まかに予想は可能だったけど、その理由だけはわからなかったので適当に言い訳をして誤魔化した。
と、いうか……考えた事はなかったけど、それまでのアシュナは一体どこへ行ってしまったのだろうか。
そこらへんをキヨちゃんに聞いておけば良かったな、と思いながら旧時代のスクール水着を手にする。
(そういえばこれも考えたことなかったけど……スク水ってどうやって着るの?)
沖縄での海水浴の水着は下着みたいなやつだったのでスク水は初の試みだ。とりあえず全部脱がないと着れなそうなので全裸になると、女子一同が真っ赤になりながらこちらを凝視した。
「さすがアシュナちゃん……漢らしいっていうか……もうなんか神々しいよ……」
「アシュナっちだからこそできる技だよね~」
「ア……アシュナ、あのね……脱がなくても着れるのよスクール水着は……」
「そ、そうなの?」
唯一、アシュナの精神が男だと知っているヤソラがひそひそと教えてくれた。
そして、じゃあ教えて見せてと言うと赤くなりながらパンツだけをするりと脱いだ。なにをとち狂ったのか突然、ヤソラはストリップをはじめたのだ。
「えっ、なに急にそのパンツくれるの!?」
「そんなわけないでしょ! 下から穿くのよ!」
すると全員が、下着を脱ぎたして秘密の部分を晒さないように……じらすようにもぞもぞと制服の中でスク水を着用する。
一つ言わせてもらおうとしようか、間違いなくそっちの方がエロいという事を。それが証拠に、おっさんのファントムおち●ちんは今にもはち切れそうで……思わず血走った瞳で凝視してしまっていた。
「あはは、アシュナっち眼がエロすぎ~」
「アシュナちゃんは本当に女の子好きだね~、やぁだぁ~あんま見ないで~」
こんな世界があったのか──と、まるで新世界へと突入した麦●ら海賊団の心境と境地に至って新たな世界を拓いた……だが、それが伏線であり、ミスリードであり、前振りだなんて……この時は思ってもみなかった。
まさか──女の子にじゃなく、男に開かれることになるなんて──
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