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第4節 巻き起こる様々な試練と それをいともたやすく乗り越える女子高生(おっさん)の日常
130.女子高生(おっさん)の修学旅行~③日目『琉球インリベンジャーズ2』
しおりを挟む〈pm12:00 アメリカンヴィレッジ軽食屋〉
「sorry、軽いジョークのつもりだったんだ……確かにケイソツだったよ。まずはデートからだよね」
「そうじゃない! 陽キャはみんな頭ハッピーセットなの!? 挨拶のように女子に声かけて皆といい感じになれると思うなよ!? 地獄へ落ちろ!」
「あ……アシュナ、落ち着いて……」
しつこい求婚ネタと寝不足により情緒が不安定となり、いい加減陽キャの軽い感じにイライラしたおっさんにびっくりしたのか……マイコー君もイケメンズもしゅんとしていた。
ヒナヒナ達は俺(アシュナ)が求婚されるのに慣れてきたのか騒ぐようなことはせず、おっさんを宥(なだ)めている。
「悪いわね、この娘(こ)男嫌いだから………諦めなさい」
「そ、そうでござる! アシュナ殿は百合女王になるのでござるよ、そこに男の存在なぞ不要なのでござりゅよ!」
「……男嫌い……? それって──」
ヤソラとケンの微妙なフォローにマイコー君がなにか反応しかけたその時、彼の懐の電話が鳴った。
着信画面を見た彼は席を立ち、いそいそとキッチンの方へと向かっていく。
「……sorry、大事な電話だ。お前らハニー達を丁重にオモテナシしておいてくれ」
「「オーケー」」
そう言って、マイコー君は店奥へと消えていった。
もしかしたらオモテナシと称した酒池肉林パーティーが開催されてしまうかと思い、女子達を庇うように身構えたが……丁寧に料理が運ばれてきただけだった。
「大和撫子ガール、ごめんね。マイコーは別に悪気があったわけじゃないからさ」
「そうそう、きっと君が美人すぎて衝動的になってしまっただけさ。悪く思わないでくれ」
「……う、うん……」
イケメンズにも窘(たしな)められ、ちょっとだけ冷静さを取り戻す。ていうか、明らかに言い過ぎたかもしれないのにみんな優しい。
(イライラしすぎたかもしれない……戻ってきたら謝って丁重にお断りしてここを出て、ヒナヒナ達に水着になってもらって眠気を覚まそう……ていうか、眠い)
頭を冷やすのと眠気を覚ます目的で、俺はみんなに声をかけて一人でトイレへ向かった。
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〈通路〉
トイレは個室らしく、更にアメリカでは防犯上の理由からか(トイレで犯罪めいた事をされないため)鍵を借りて入らなきゃいけないこともあるようで……店員さんから鍵を受け取り店奥にある通路を歩く。
(文化の違いか……マイコー君もさっきのは挨拶みたいなものだったのかもしれないな……)
そんな事を眠気と格闘しながらなんとなしに考えていると、トイレを見つけた。
鍵を開けようとしたが……既に鍵は開いている。
(あれ……先客……いや、鍵持ってるんだからそんなわけないか……閉め忘れかな……)
と、ボーッとしていたので深く考えずに扉を開いたそこでは──マイコー君が半裸で着替えていた。
「……き、きゃあぁぁぁっ??!」
男子トイレに甲高い女性の声が響き渡る。
その光景をもしも第三者が見ていたのならば──男子トイレに間違えて入ってしまった女の子が男性の着替えを目撃して悲鳴を上げたと………『通常』ならばそう思うだろう。
しかし、俺はおっさんなので男の着替えなぞ見てもなんとも思わないし……女性のような悲鳴も上げるはずもない。
そこから導き出される真実はいつも一つだった。
つまりは悲鳴を上げたのは実は女の子だったマイコー君であると──マイコーちゃんのおっぱいを見て眠気が吹き飛んだおっさんの脳が瞬時に理解した。
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