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第4節 巻き起こる様々な試練と それをいともたやすく乗り越える女子高生(おっさん)の日常
119.女子高生(おっさん)の修学旅行~②日目『煉獄のビーチ』
しおりを挟む〈AM10:00 那覇波ノ上ビーチ〉
「きゃっほー! ビーチだビーチっ! 遊ぶぞー!」
二日目自由行動──橋と鳥居を眺めながらの海水浴が贅沢すぎるビーチにて、早速ギャルのミクがビキニではしゃぎまくる。昨晩はじっくり裸を堪能させてもらったが……際どいビキニ姿も真っ裸と同等の価値をもたらすものだな……と、神様に感謝した。
「アシュナ……水着姿のキミも素敵だが、俺以外に見せるのは如何ともし難い葛藤に苛(さいな)まれる」
「大丈夫だよアシュナちゃん、僕はそんな事で嫉妬したりして面倒かけないから」
「水着姿のお嬢に近づくな、肌に触れたら即射殺する」
しかし、そんな至福の一時も班行動が故について回る男共(じゃまもの)に遮られた。
班員の【鳳凰テンマ】【来栖アリス】そして邪魔しないって言ったくせに絡んでくるSPの【漆夜コクウ】……三名はまるで三国志の如く、それぞれがアシュナを巡り対立していた。
そんなどうでもいい事はさておき、男子メンバーはもう一人存在する。ちょうど、幽霊騒動により寝不足のヤソラちゃんとエナが『その男』について疲れ気味に尋ねてきた。
「ねぇ……あんた、同じ部活であれと仲良いんでしょ……? どうにかしてよ……」
「アシュナちゃん……私、あの人怖いよ……」
まさか、今更『その男』について掘り下げるとは思ってもみなかった──視線の先にいる『その男』とは……【ライト文芸部】の一員であり、陰キャメンバーでありながら唯一……性格だけみれば陽キャと言えない事もなくはない【筋肉バカ 金子ユウタ】という存在だ。
「さぁ! 筋肉が足りてないぞ! 僕と一緒に筋トレしよう!」
本当はケン達と一緒のグループだったが、テンマとアリス君が二名であぶれていたために自らこちらのグループに移ってきた男。
前世から旧知のその男を語るならば……筋トレしすぎて最早『脳まで筋肉化したナニカ』としか説明しようがない。陰キャメンバーではあるが、声は大きく、明るく朗らかで人見知りも物怖じもしない。
だが、筋トレと筋肉にしか興味がなく……それ以外の会話が不可能。故に、人付き合いなどできず、何故か俺達と共にいる……不可思議な狂人だ。
もっと簡単に説明すると、某『400億の男』から筋肉だけ残して全てを抜いたような男であると言えば理解できるだろうか。
ユウタはヤソラちゃん達にしつこく筋肉を触らせろと迫っていたようだ。よもやよもやのジョーカーの存在……しかし、知れた仲であるおっさんはその扱い方を心得ている。
「ユウタ、はい。腕触っていいよ」
「承知した! 心を燃やせ!」
「ちょっ……アシュナちゃん!?」
「お嬢っ!! みだりに男にその白い柔肌を触らせないでください!」
「大丈夫だって、こいつは昔から筋肉触らせてあげれば落ち着くし……言われた箇所以外触らないから」
「うむ! さすが素晴らしい肉体だ!」
二の腕を堪能したユウタは大人しくなり、海でひとり思い切り泳ぎ始めた。
「ね?」
「……あんた、本当なんなの……? いくら友達だからって躊躇なく男に触らせたり……女の子が好きだったり……普通の女の子とは思えないわ……まるで中身は男みたい……」
「え、えーそうかなーまぁよく男っぽいって言われるけどあはは」
「………」
「もうーアシュナっち達なにしてんのー? 早く海入って遊ぼーよー」
「う、うん! 今いくー!」
誤魔化したけどヤソラちゃんは不審な目で俺を凝視していた。存分にミクやエナの水着姿を堪能した反面──ヤソラちゃんはなにか考えている様子で終始浮かない表情だった。
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〈AM11:30 シャワールーム〉
そして……遊び終え、久々の海水浴で身体が気持ち悪かったので個室シャワールームに入った時、事件は起こった──というか現在進行形で起こっている。
「あんた、何か隠してるでしょ?」
シャワーが床に打ちつける音と──初めて、おっさんに違和感を抱いた少女(ヤソラ)の声が個室に反響する。
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