50 / 268
第2節 女子高生(おっさん)の日常といともたやすく行われるデビュー
49.女子高生(おっさん)のタイムリープ問題
しおりを挟むその後、大盛況の中……帰る時間なので各方面に惜しまれつつも俺達は帰路についた。
なんかメイドカフェ店長が時給2万円にするから専属メイドになってほしいとせがんできたり、TVクルーがアイドルや女優としてデビューさせる計画を練ってたりして大変なことになりそうだったので逃げてきた。
「すー……すー……」
めらぎは電車で座るなり直ぐに寝てしまった。
本当はコスプレさせたりラジカン行ったりラーメンか肉盛り食べさせたりしたかったけど……色々あって疲れてしまったのだろう。だけど満足気な表情で嬉しそうに俺の肩にもたれかかっているし楽しんでくれたみたいだからとりあえず胸を撫で下ろす。
(また今度一緒に来よう)
秋葉原が更に賑わいを増すのはこれからだ、それはアキバやオタクが主役となり舞台となる『ある物語』が一般にも知れ渡り大ヒットするのが原因ーーその名も【電車巫女男(でんシャーマン)】。
某大型ネット掲示板発祥のこの物語は、映画化されるや一大ムーヴメントを起こし、関連書籍は500万部越え、翌年TVドラマ化されると瞬く間に秋葉原とオタク文化を一般層に馴染ませた。
あらすじとしてはーーとある冴えないオタクでアキバ系サラリーマンである主人公が、電車の中で酔っ払った中年から巫女さんを助ける事で始まる実際に起きたラブストーリー。友達がいなく、恋愛経験もない主人公は某大型ネット掲示板に出来事を書き込み、掲示板住人に助力を乞う。様々なアドバイスを受けながら奮戦する主人公と、実は良い家柄の出で優しい巫女さんとの恋愛劇……おっさんの時代の掲示板でも伝説と化している。
(懐かしいな……帰ったらまとめでまた読んでみよう……ってそういえばまだこの時代では起きてなかった……さっきも勘違いしたけど気をつけないとな……)
めらぎがまだアニメに精通してなかったから誤魔化せたもののーーうっかりネタバレや未来の出来事を口にしてしまうと些細なきっかけで未来が変わってしまうかもしれない。特に俺(アシュナ)の場合……周りがアシュナのために凄い行動を起こすからうっかり第3次世界大戦を引き起こす可能性だってあるかもしれない。
注意しなければなるまい、と気を引き締めると同時に電車に人が乗り込んできた。
俺の隣は空いていた、そこに巫女の格好をした女性が座る。東京では見慣れた光景なので、おっさんは(可愛い巫女さんだなぁ、おっさんの隣に座ってくれてありがとう)と、女性が隣に座ってくれるのに慣れていないので緊張しながらも感謝した。
目の前にはオタクっぽいサラリーマンが立っている。
そして電車が走り出すと同時に、酔っ払った中年が乗客に絡み出した。
どっかで見たような光景だな、と思いつつーーおっさんはお嬢様と巫女に挟まれ、二人の良い香りを堪能していたので油断していた。
〈続く〉
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる