3 / 7
第一章
今日の様子は死亡のち死亡
しおりを挟む
それは、目が覚めた時のような、ぼーっとしていたときから意識が戻ってくるような、そんな、何とも奇妙な感覚だった。
「え?え?」
混乱して棒立ちのニクロス、迫る大剣、その血飛沫が赤黒い扉を、一層濃くさせた。ニクロスは、そうしてその一生を終えた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「な、何が……!」
間一髪のところでボスの袈裟斬りをしゃがんで避ける。
「生きてる…のか?」
ボスの振り下ろしを避けながらそう呟く。
「とにかくコイツをどうにかしねぇと……な!」
ボスの振り下ろしをその剣で受け流す。
(よし!)
ボスの体勢が大きく崩れた。右足で踏ん張っているおかげか、転倒してはいないが、大きなチャンスと言えるだろう。
斬れるのであれば。
「浅ぇっ!」
ニクロスの斬撃はボスの足の筋肉を浅く斬り裂くのみで終わった。
「ゴァァァアアァ!」
大気を震わせる咆哮と威圧。それは、弱い餌が、獲物に変わる瞬間だった。
(咆哮か!よりによってこんな時に…)
ニクロスはボスを斬るために、近づいていた。当然、ボスの大剣の射程距離に収まっている。そうして、ボスの横薙ぎでその一生を終えた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「はぁ…はぁ…」
(またか!とりあえずボスを倒さねぇと!)
袈裟斬りを避け、ファイアーボールを放つ。有効打とは思わない。だが、積み重ねが大事だ。一歩一歩着実に、相手を追い詰めていく。最低限の体捌きで攻撃を躱し、次の攻撃までの無駄を無くす。
「!」
(アーチャーとメイジがリスポーンしやがった!)
咄嗟に土魔法で短剣の様な物を作り、ゴブリンメイジへと投擲する。
「ギャッギャッ!」
ゴブリンが醜悪な声で喚き立てる。それは悲鳴か。それとも怒りか。
(命中!だが…殺せてはいないな。もう一発…)
「って、うぉい!危ねえだろクソゴブ!」
ボスの振り下ろしを間一髪のところで避ける。
「でも賢いとはいえゴブリンか。振り下ろし、横薙ぎ、袈裟斬り。レパートリーはそんだけだ。もう当たらねぇよ!」
ボスの攻撃を凌ぎつつ、まずはゴブリンメイジにトドメを、そして、ついにゴブリンアーチャーにもトドメを刺した。
(これであとはボスだけだ!他のリスポーンが来る前にとっとと終わらせる!)
もう、そこからは作業。振り下ろしを避け、ファイアーボール、横薙ぎをしゃがんで避け、袈裟斬りを飛び退って躱し、ファイアーボール。振り下ろしを避け、ファイアーボール、横薙ぎをしゃがんで避け、袈裟斬りを飛び退って躱し、ファイアーボール。振り下ろしを避け、ファイアーボール、横薙ぎをしゃがんで避け、袈裟斬りを飛び退って躱し、ファイアーボール。振り下ろしを避け………
「そろそろ魔力がキツい!一旦休みてぇ!それに咆哮の時くらいまで削ったから備えねぇと…!」
(その構えは咆哮の時の!耳を塞いで全力で退却!)
壁際に着いた時、咆哮が来た。
「ゴァァァアアァ!」
「うっせぇんだよ!汚い声で鳴くなクズが!!お前も死ね!」
もう既に3度殺されているから当然だろうが、それはそれはとんでもない怨嗟の籠った声だった。
「ギッ…ギャギャァ!」
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」
ニクロスの剣がボスへと迫る。そしてその足を……斬り落とした。
(……は?………え?)
咄嗟に自身を鑑定する。
◇鑑定結果◇
ニクロス・トゥーム
13歳 黒髪黒眼
最大体力値 C
最大魔力値 D
戦闘系スキル:
『剣術(6)』2up!
『短剣術(1)』
『斧術(1)』
『槍術(1)』
『投擲術(3)』
魔法系スキル:
『火魔法(3)』
『水魔法(2)』
『風魔法(2)』
『土魔法(4)』
『光魔法(1)』
『回復魔法(1)』
『アイテムボックス(2)』1up!
耐性系スキル:
『睡眠耐性(1)』
『疲労耐性(6)』1up!
『苦痛耐性(3)』new!
生産系スキル:
『家事(4)』
『農耕(2)』
『鍛治(1)』
思考系スキル:
『鑑定(6)』
『算術(4)』
『語学(2)』
『並列思考(5)』1up!
特殊系スキル:
『回帰』
(く、苦痛耐性が生えてる…それもいきなり…!)
「ゴバッ!ガッ、~~~!!!」
余所見をしたニクロスは投げられたボスの大剣で腹を貫かれ4度目の生を閉じた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「死んどけこのクソゴブ!単純なカス!クズ!ボ……………………
……まあ、色々あって、20階層の特殊個体のボスは死んだ。その死体は、意外なことに首を一太刀で死んでいたそうだ。
「え?え?」
混乱して棒立ちのニクロス、迫る大剣、その血飛沫が赤黒い扉を、一層濃くさせた。ニクロスは、そうしてその一生を終えた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「な、何が……!」
間一髪のところでボスの袈裟斬りをしゃがんで避ける。
「生きてる…のか?」
ボスの振り下ろしを避けながらそう呟く。
「とにかくコイツをどうにかしねぇと……な!」
ボスの振り下ろしをその剣で受け流す。
(よし!)
ボスの体勢が大きく崩れた。右足で踏ん張っているおかげか、転倒してはいないが、大きなチャンスと言えるだろう。
斬れるのであれば。
「浅ぇっ!」
ニクロスの斬撃はボスの足の筋肉を浅く斬り裂くのみで終わった。
「ゴァァァアアァ!」
大気を震わせる咆哮と威圧。それは、弱い餌が、獲物に変わる瞬間だった。
(咆哮か!よりによってこんな時に…)
ニクロスはボスを斬るために、近づいていた。当然、ボスの大剣の射程距離に収まっている。そうして、ボスの横薙ぎでその一生を終えた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「はぁ…はぁ…」
(またか!とりあえずボスを倒さねぇと!)
袈裟斬りを避け、ファイアーボールを放つ。有効打とは思わない。だが、積み重ねが大事だ。一歩一歩着実に、相手を追い詰めていく。最低限の体捌きで攻撃を躱し、次の攻撃までの無駄を無くす。
「!」
(アーチャーとメイジがリスポーンしやがった!)
咄嗟に土魔法で短剣の様な物を作り、ゴブリンメイジへと投擲する。
「ギャッギャッ!」
ゴブリンが醜悪な声で喚き立てる。それは悲鳴か。それとも怒りか。
(命中!だが…殺せてはいないな。もう一発…)
「って、うぉい!危ねえだろクソゴブ!」
ボスの振り下ろしを間一髪のところで避ける。
「でも賢いとはいえゴブリンか。振り下ろし、横薙ぎ、袈裟斬り。レパートリーはそんだけだ。もう当たらねぇよ!」
ボスの攻撃を凌ぎつつ、まずはゴブリンメイジにトドメを、そして、ついにゴブリンアーチャーにもトドメを刺した。
(これであとはボスだけだ!他のリスポーンが来る前にとっとと終わらせる!)
もう、そこからは作業。振り下ろしを避け、ファイアーボール、横薙ぎをしゃがんで避け、袈裟斬りを飛び退って躱し、ファイアーボール。振り下ろしを避け、ファイアーボール、横薙ぎをしゃがんで避け、袈裟斬りを飛び退って躱し、ファイアーボール。振り下ろしを避け、ファイアーボール、横薙ぎをしゃがんで避け、袈裟斬りを飛び退って躱し、ファイアーボール。振り下ろしを避け………
「そろそろ魔力がキツい!一旦休みてぇ!それに咆哮の時くらいまで削ったから備えねぇと…!」
(その構えは咆哮の時の!耳を塞いで全力で退却!)
壁際に着いた時、咆哮が来た。
「ゴァァァアアァ!」
「うっせぇんだよ!汚い声で鳴くなクズが!!お前も死ね!」
もう既に3度殺されているから当然だろうが、それはそれはとんでもない怨嗟の籠った声だった。
「ギッ…ギャギャァ!」
「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」
ニクロスの剣がボスへと迫る。そしてその足を……斬り落とした。
(……は?………え?)
咄嗟に自身を鑑定する。
◇鑑定結果◇
ニクロス・トゥーム
13歳 黒髪黒眼
最大体力値 C
最大魔力値 D
戦闘系スキル:
『剣術(6)』2up!
『短剣術(1)』
『斧術(1)』
『槍術(1)』
『投擲術(3)』
魔法系スキル:
『火魔法(3)』
『水魔法(2)』
『風魔法(2)』
『土魔法(4)』
『光魔法(1)』
『回復魔法(1)』
『アイテムボックス(2)』1up!
耐性系スキル:
『睡眠耐性(1)』
『疲労耐性(6)』1up!
『苦痛耐性(3)』new!
生産系スキル:
『家事(4)』
『農耕(2)』
『鍛治(1)』
思考系スキル:
『鑑定(6)』
『算術(4)』
『語学(2)』
『並列思考(5)』1up!
特殊系スキル:
『回帰』
(く、苦痛耐性が生えてる…それもいきなり…!)
「ゴバッ!ガッ、~~~!!!」
余所見をしたニクロスは投げられたボスの大剣で腹を貫かれ4度目の生を閉じた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「死んどけこのクソゴブ!単純なカス!クズ!ボ……………………
……まあ、色々あって、20階層の特殊個体のボスは死んだ。その死体は、意外なことに首を一太刀で死んでいたそうだ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい
こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。
社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。
頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。
オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。
※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
アリスと女王
ちな
ファンタジー
迷い込んだ謎の森。何故かその森では“ アリス”と呼ばれ、“蜜”を求める動物たちの餌食に!
謎の青年に導かれながら“アリス”は森の秘密を知る物語──
クリ責め中心のファンタジーえろ小説!ちっちゃなクリを吊ったり舐めたり叩いたりして、発展途上の“ アリス“をゆっくりたっぷり調教しちゃいます♡通常では有り得ない責め苦に喘ぐかわいいアリスを存分に堪能してください♡
☆その他タグ:ロリ/クリ責め/股縄/鬼畜/凌辱/アナル/浣腸/三角木馬/拘束/スパンキング/羞恥/異種姦/折檻/快楽拷問/強制絶頂/コブ渡り/クンニ/☆
※完結しました!
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる