謎の光によって犬になったんですが

ポケっこ

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犬の名前

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「えっ、なんで――」
茶犬はずっとオレを見てくる。
オレもやっと口を開けた。
「なんでお前を助けなきゃいけねえんだよ」
「は?俺だったって知らなかったのかよ!」
犬は怒り気味で言い返す。知らねえよ。
「知らねえよ。ただ単に犬を助けたらお前だっただけだ」
「なんだよその言い方!助けたくなかったみたいじゃないか!」
別にオレは助けたくなかったわけじゃない。
犬が死ぬところを見たくないから助けた。そしたら、お前だった。
―このまま放置しておく訳にはいかないと思い、オレはソイツに一言言った。
「……ついてこい」

そしてオレが住んでいる細い通りにやって来た。
揮が嫌そうに見つめてくる。
「おい、ソイツを連れて来ていいのか?」
なんでそんな強い口調なんだ。そこまで嫌がらないでいいのに。
「私たちは許可してないわよ」
りんもオレを睨んでいた。―自分だって許可無しでなんかするくせに。
「まあ、そう怒らずに」
オレはそう言うと、りんが茶色犬に話しかけた。
「名前は?」
「えーっと……」
名前伝えるのに「えっと……」か……。なんだコイツ。
やがてソイツはこう名乗った。
「……ジュラルだ」
ジュラル。オレは一瞬で名前を覚えた。
それで、オレ達も続こうと名前を伝えた。
「オレはダラルだ。この集団のリーダーを務めている」
リーダーか知らんけど。りんも揮も、自分の名前を話した。
「私はリン。かなり優秀な犬よ」
「僕はロボラン」
「「「みんな、勉強が好きなんだ」」」
最後のはりんと揮が勝手に揃ったから、オレも後から叫んだ。
その時、微妙にジュラルの表情が歪んだのが、オレには分かった。
オレはジュラルに言った。
「なあ、ここに住まないか?」
「だってお前、俺がここに住むの否定したんだろ」
一番聞かれたくない事を聞かれ、オレは返答に躓いた。
「……そ、それはあの時だけだ。ちょっと寂しいと思っていたからな……」
別にそんな事考えてないんだけど。
オレは自分が何故ジュラルを誘おうとしているのか分からなかった。
やがてジュラルは答えた。
「……分かった」
「やった!これから宜しくな、ジュラル」
「特別に、だ」
上から目線で見てくるジュラル。なんでだよ。
りんと揮はまだジュラルの事を嫌っている。

―オレらの仲間に、ジュラルが加わった。
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