謎の光によって犬になったんですが

ポケっこ

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食べ物探し、救助

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街は人通りが多くて、すぐに二人を見失いそうだった。
……ま、まあ!さっきのはああいう前提で行っただけだし!
「お腹空いた……しかもかなり」
りんが空腹を訴える。それはりんだけじゃない。
三日くらい飲まず食わずで、オレ達は死にそうだった。
今も生死の狭間を彷徨っているだろう。
「そんな事考えてても仕方ないよ。あー、早く何か食べたい」
揮の言う通りだった。話していても腹は満たされない。
りんがハッと声を上げた。
「あそこにあるのって、……キャベツ?」
食べ物の名前に反応し、オレと揮はその方向を向いた。
一面に広がる緑色。大きく野菜が育っている。
ー畑か?
次の瞬間、揮とりんはキャベツの方に突進した。
生で食う気かよ。今は生でしか食べられないんだけど。
そう思いながら、オレも畑に入っていった。

幸い畑の人はいなかった。
そもそも犬ってキャベツいけるのか?
中身が人間だからいけるか。
一度周辺を見渡す。人がいないか確認するためだ。
そしてキャベツに夢中になっている二人を見ると、オレもキャベツを頬張った。
―最低限の食料はキャベツでいいだろう。
オレ達はキャベツを持ち、家に帰ろうとした。

街の道沿い。家までかなり近づいてきた。
その日は街のイベントがあったらしく、車が沢山通っていた。
「今日も特に何もなくて良かったね」
「死にそうになったけど」
会話をしながら歩くりんと揮を横目に、オレは道路を見た。
その時、オレはとんでもない光景が目に映った。
茶色の犬が道路を横断しようとしている。そこに車が迫ってきた。
運転手は、彼の事に気づいていなかった。
りんと揮も気づいていない。あのままだと、犬は轢かれてしまう。
オレは抱えていたキャベツを投げ捨てて、道路に飛び込んだ。

オレは犬を抱いて道路の外に出た。

オレが助けたその茶犬は、目をぱちくりさせて驚いている。
「大丈夫ですか―って……」
オレは途中で言葉を止めた。
―どこかで見た事のある犬だ。
「ありがとうございます……ってえええ……!」
茶色の犬もそうだった。
りんと揮はいつの間にかいなくなっている。
オレと犬はただ見つめあってお互いを確認している。

―犬の正体は、この前の犬だった。
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