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りんと揮
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一般人なら慌てる場面だが、オレはすぐに立ち直った。
(あの光、かなり範囲広かったと思うな。りんと揮はどうだ?)
オレはりんの家に向かった。
アイツらに影響が出てたら悪いからな。
「おーい、りん!!」
オレはインターホンを鳴らして叫んだ。
すると、家から泣き声のようなものが聞こえてきた。
「こんな姿で外に出られないよ……」
声からするにりんだろう。
『こんな姿』?自分が可愛すぎてって事だろうか。
気になりながらも扉を開けると……
可愛い白色の犬が現れた!
見た目だけで考えると、多分女子だと思う。
その犬はオレを見てびっくりした様子だった。
「だ、誰!?」
「誰って、オレだよオレ。蓮陸だ」
オレが名乗ると、白犬は目を白黒させた。
何がおかしいんだよ。まあ犬って事がおかしいんだけど。
次に彼女が発した言葉は、オレを驚愕させた。
「私は、花咲りん」
え、どういう事?りんって、りん?え、マジでどういう事?
「……は?」
「は?じゃなくて。花咲りんよ。それより、陸、その姿は……」
「ああ、」と呟くと、オレは事情を話した。
順番通りに、事実を、そのまま。
りんは少し俯いて、
「わたしも」
と言った。
「やっぱりあの光は人間を犬にさせちまうんだな」
でも、あの光はどこから……?
そんな事はどうでもよくて、りんと揮が無事ならそれでいいんだけど。
「陸。私、揮くんの所にも行きたい」
りんがそうねだったので、オレとりんは揮の家に走った。
揮の家は玄関に鍵がかかっていて、扉からは入れなかった。
「ねえ、あっちからなら行けそうよ」
りんはそう言って窓に指を差した。
窓からこっそり中の様子を覗くと、灰色の犬がテレビをつけていた。
まだ、揮は自分が犬になったことを知らないっぽい。
オレは窓を開け、揮らしき犬に近づいた。
「わあっ!!」
テレビに夢中になっている揮は、りんの大声を浴びた。
「ぎゃあああ!!」
揮は当然びっくりして飛び跳ねる。
そして、オレ達の格好に息をのんだ。
「その姿は……何?」
「犬になっちゃったんだよ。揮くんもだけどね」
りんの発言に、揮は鏡を持ってきて確認した。
灰色の毛が生えている―彼にとってどんな混乱する出来事か想像もつかない。
…………でも。
「え、マジで!?最高じゃん!」
はしゃぐ揮を見て、オレとりんは呆然とした。
「なんで嬉しいんだ?」
「ここにはもう住めないから、居場所を探そうよ」
揮はオレの質問には答えなかった。
りんと揮の安全を確認したので、オレは一安心した。
オレたちは、犬として生きるための居場所を探す事になった。
(あの光、かなり範囲広かったと思うな。りんと揮はどうだ?)
オレはりんの家に向かった。
アイツらに影響が出てたら悪いからな。
「おーい、りん!!」
オレはインターホンを鳴らして叫んだ。
すると、家から泣き声のようなものが聞こえてきた。
「こんな姿で外に出られないよ……」
声からするにりんだろう。
『こんな姿』?自分が可愛すぎてって事だろうか。
気になりながらも扉を開けると……
可愛い白色の犬が現れた!
見た目だけで考えると、多分女子だと思う。
その犬はオレを見てびっくりした様子だった。
「だ、誰!?」
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オレが名乗ると、白犬は目を白黒させた。
何がおかしいんだよ。まあ犬って事がおかしいんだけど。
次に彼女が発した言葉は、オレを驚愕させた。
「私は、花咲りん」
え、どういう事?りんって、りん?え、マジでどういう事?
「……は?」
「は?じゃなくて。花咲りんよ。それより、陸、その姿は……」
「ああ、」と呟くと、オレは事情を話した。
順番通りに、事実を、そのまま。
りんは少し俯いて、
「わたしも」
と言った。
「やっぱりあの光は人間を犬にさせちまうんだな」
でも、あの光はどこから……?
そんな事はどうでもよくて、りんと揮が無事ならそれでいいんだけど。
「陸。私、揮くんの所にも行きたい」
りんがそうねだったので、オレとりんは揮の家に走った。
揮の家は玄関に鍵がかかっていて、扉からは入れなかった。
「ねえ、あっちからなら行けそうよ」
りんはそう言って窓に指を差した。
窓からこっそり中の様子を覗くと、灰色の犬がテレビをつけていた。
まだ、揮は自分が犬になったことを知らないっぽい。
オレは窓を開け、揮らしき犬に近づいた。
「わあっ!!」
テレビに夢中になっている揮は、りんの大声を浴びた。
「ぎゃあああ!!」
揮は当然びっくりして飛び跳ねる。
そして、オレ達の格好に息をのんだ。
「その姿は……何?」
「犬になっちゃったんだよ。揮くんもだけどね」
りんの発言に、揮は鏡を持ってきて確認した。
灰色の毛が生えている―彼にとってどんな混乱する出来事か想像もつかない。
…………でも。
「え、マジで!?最高じゃん!」
はしゃぐ揮を見て、オレとりんは呆然とした。
「なんで嬉しいんだ?」
「ここにはもう住めないから、居場所を探そうよ」
揮はオレの質問には答えなかった。
りんと揮の安全を確認したので、オレは一安心した。
オレたちは、犬として生きるための居場所を探す事になった。
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