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優等生
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自分の教室を目指して歩くオレ。
オレが教室の床に一歩でも足をつくと、生徒は一斉にオレの名前を呼ぶ。
「陸!!」
いつも一日の始まりは同じであった。
オレの名前は『蓮 陸《はす りく》』、中学一年生だ。
オレはクラスの中で最も賢いらしく、あだ名もいつしか『優等生』となっていた。
オレは賢くなった自覚はない。
でも、あだ名はかなり気に入ってる。
オレは背後に慣れた視線を感じた。
「おっはよ~!!」
白い髪のツインテールの女子。
コイツは花咲りん。可愛いが、少しトゲトゲした印象が強い。
今日も他生徒に暴言を吐いていた。
そして、もう一個突き刺さる視線を辿ると、眼鏡をかけたイケメンがいた。
周りでオレと同じくらい生徒が戯《たわむ》れている。
このイケメンは『永良 揮《ながら ふるい》』。
人気的にオレのライバルみたいなものだ。
―りんと揮は、オレの幼馴染である。
「おはよ。昨日のテストはどうだったんだ?」
「勿論百点だったよ!揮くんは?」
りんに問われ、揮は黙り込んだ。……なんだ?
「……百点」
「凄いじゃーん!流石揮くんだね!」
小さな声で答える揮を、りんはめっちゃ褒めたてた。
―なんで一瞬黙っちゃったんだろ。りんも一応気を使ったのかな。
「で、陸は?」
「え……」
急に自分の名前を出されて、オレは固まった。
「八十点だが」
「ええ!?成績優秀な陸くんが!?」
「駄目なのか?」
オレは事実を言っただけだが。
まあいいや、そろそろ一限目始まっちまうし。
オレは自分の席に腰掛け、朝礼が始まるのを待っていた。
放課後、オレは2人と一緒に帰り道を歩いた。家も同じ方向なのだ。
まだ誰も話さない中、やっとりんが口を開いた。
「はーい!明日、一緒に遊ばない?」
「いつもじゃん」
「それは置いといて!もう、いいって事でいいよね?」
りんはいつもこうだ。人の許可を待たず、勝手に決めてしまう。
そんな話をしている間に、オレの家が見えてきた。
「オレ、もう着いたから帰るな」
「うん。それじゃ、またねー!」
手を振るりんを尻目に、オレは家の中に入って行った。
オレが教室の床に一歩でも足をつくと、生徒は一斉にオレの名前を呼ぶ。
「陸!!」
いつも一日の始まりは同じであった。
オレの名前は『蓮 陸《はす りく》』、中学一年生だ。
オレはクラスの中で最も賢いらしく、あだ名もいつしか『優等生』となっていた。
オレは賢くなった自覚はない。
でも、あだ名はかなり気に入ってる。
オレは背後に慣れた視線を感じた。
「おっはよ~!!」
白い髪のツインテールの女子。
コイツは花咲りん。可愛いが、少しトゲトゲした印象が強い。
今日も他生徒に暴言を吐いていた。
そして、もう一個突き刺さる視線を辿ると、眼鏡をかけたイケメンがいた。
周りでオレと同じくらい生徒が戯《たわむ》れている。
このイケメンは『永良 揮《ながら ふるい》』。
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「おはよ。昨日のテストはどうだったんだ?」
「勿論百点だったよ!揮くんは?」
りんに問われ、揮は黙り込んだ。……なんだ?
「……百点」
「凄いじゃーん!流石揮くんだね!」
小さな声で答える揮を、りんはめっちゃ褒めたてた。
―なんで一瞬黙っちゃったんだろ。りんも一応気を使ったのかな。
「で、陸は?」
「え……」
急に自分の名前を出されて、オレは固まった。
「八十点だが」
「ええ!?成績優秀な陸くんが!?」
「駄目なのか?」
オレは事実を言っただけだが。
まあいいや、そろそろ一限目始まっちまうし。
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「はーい!明日、一緒に遊ばない?」
「いつもじゃん」
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そんな話をしている間に、オレの家が見えてきた。
「オレ、もう着いたから帰るな」
「うん。それじゃ、またねー!」
手を振るりんを尻目に、オレは家の中に入って行った。
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