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卒業アルバム
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「!!い、いつの間に……」
りおが呟く。げんきは暫く黙り込むと、発言をした。
「レイは何者なんだろ……。とりあえず、みんな一階に降りようぜ!!」
「なんで?」
じゅりが不思議そうに問い返す。
げんきはニヤニヤしながら答えた。
「いや………保健室とか職員室とかさ!普段あんま行かない所行ってみたいなって……」
「面白そう……!」
きはちも賛同の声をあげた。
それに坂上やえいとは勿論、じゅりまで賛成だった。
「……よし。そうと決まれば行くぞー!!!!」
げんきはやる気に満ち溢れ、階段を一段飛ばしで降りていった。
一階まで戻ってきたげんき達は、職員室に入った。
「なんか漫画とか隠して持ってきてんじゃねえの?」
きはちが夢を膨らませる。
「いや、それはないだろ……」
げんきは反対しながらも、自分も同じことを考えていたような顔をしていた。
じゅりが中林先生の机の引き出しを開ける。
その時じゅりは「あっ」と声を零した。
そして中から出てきたのは、いつのか分からないテストだった。
「きはち―……」
名前を呼ばれたきはちは振り向くと、そこには53点の算数のテストがあった。
「えーーー!!?!?」
「き、きはちの!!!いつのテストだよぉ!!!」
げんきが爆笑する。きはちも記憶になかったようだった。
りおが呆れたようにため息を吐いた。
げんき達はその後、保健室や会議室も探索したが、特に変わったことはなかった。
「あとは……校長室だけだな」
げんき達は会議室を出て、校長室に向かっていた。
「前田先生が変なポーズしてる写真とか……」
きはちが笑いを堪えながら小さい声でえいとに囁く。
前田先生は、2年生の担任の先生だ。
えいとは大きな声で笑った。その笑い声は廊下に響き渡った。
坂上やりおも談笑を始めていたが、やがて校長室に着いた。
校長室の机には、ピンクの花の入った花瓶が置かれていた。
窓の隙間から冷えた風が入り込む。
げんきは校長先生の机に触れた。
「……冷たっ!!こんな冷たいのかよ夜の机って……」
「風がよく当たるせいなのかもしれないけど……」
げんきは「冷たっ……」を何回か繰り返す。
「……あれ?引き出しなんてあったんだ……」
じゅりが机の引き出しを見て呟く。
げんきは引き出しを静かに開ける。
中に入っていたのは―
「……卒業アルバム?」
引き出しの奥の方で忘れられた卒業アルバム。
げんきはそれを取り出すと、アルバムをパラっと開いた。
見たことのない顔の並ぶ写真が何ページもある。顔のほとんどが、キリッと引き締まっていた。どうやら何年も前のアルバムみたいだ。
「……も、もしかして俺のお母さんいるかな?」
げんきは暫くページを捲り続けていた。きはち達はそれをすぐそばで見つめていた。
そして……
「……み、見つけた!!俺のお母さん!!!」
げんきが大声を出す。慌ててきはちが「どれどれ!?」と確認した。
―その時だった。
「……あれ?その隣の子……」
しゅうが言葉を漏らす。
えいとがげんきのお母さんの隣に視線をずらすと―
「―レイ?」
りおが呟く。げんきは暫く黙り込むと、発言をした。
「レイは何者なんだろ……。とりあえず、みんな一階に降りようぜ!!」
「なんで?」
じゅりが不思議そうに問い返す。
げんきはニヤニヤしながら答えた。
「いや………保健室とか職員室とかさ!普段あんま行かない所行ってみたいなって……」
「面白そう……!」
きはちも賛同の声をあげた。
それに坂上やえいとは勿論、じゅりまで賛成だった。
「……よし。そうと決まれば行くぞー!!!!」
げんきはやる気に満ち溢れ、階段を一段飛ばしで降りていった。
一階まで戻ってきたげんき達は、職員室に入った。
「なんか漫画とか隠して持ってきてんじゃねえの?」
きはちが夢を膨らませる。
「いや、それはないだろ……」
げんきは反対しながらも、自分も同じことを考えていたような顔をしていた。
じゅりが中林先生の机の引き出しを開ける。
その時じゅりは「あっ」と声を零した。
そして中から出てきたのは、いつのか分からないテストだった。
「きはち―……」
名前を呼ばれたきはちは振り向くと、そこには53点の算数のテストがあった。
「えーーー!!?!?」
「き、きはちの!!!いつのテストだよぉ!!!」
げんきが爆笑する。きはちも記憶になかったようだった。
りおが呆れたようにため息を吐いた。
げんき達はその後、保健室や会議室も探索したが、特に変わったことはなかった。
「あとは……校長室だけだな」
げんき達は会議室を出て、校長室に向かっていた。
「前田先生が変なポーズしてる写真とか……」
きはちが笑いを堪えながら小さい声でえいとに囁く。
前田先生は、2年生の担任の先生だ。
えいとは大きな声で笑った。その笑い声は廊下に響き渡った。
坂上やりおも談笑を始めていたが、やがて校長室に着いた。
校長室の机には、ピンクの花の入った花瓶が置かれていた。
窓の隙間から冷えた風が入り込む。
げんきは校長先生の机に触れた。
「……冷たっ!!こんな冷たいのかよ夜の机って……」
「風がよく当たるせいなのかもしれないけど……」
げんきは「冷たっ……」を何回か繰り返す。
「……あれ?引き出しなんてあったんだ……」
じゅりが机の引き出しを見て呟く。
げんきは引き出しを静かに開ける。
中に入っていたのは―
「……卒業アルバム?」
引き出しの奥の方で忘れられた卒業アルバム。
げんきはそれを取り出すと、アルバムをパラっと開いた。
見たことのない顔の並ぶ写真が何ページもある。顔のほとんどが、キリッと引き締まっていた。どうやら何年も前のアルバムみたいだ。
「……も、もしかして俺のお母さんいるかな?」
げんきは暫くページを捲り続けていた。きはち達はそれをすぐそばで見つめていた。
そして……
「……み、見つけた!!俺のお母さん!!!」
げんきが大声を出す。慌ててきはちが「どれどれ!?」と確認した。
―その時だった。
「……あれ?その隣の子……」
しゅうが言葉を漏らす。
えいとがげんきのお母さんの隣に視線をずらすと―
「―レイ?」
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