5A霊話

ポケっこ

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その他の部屋

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「ちょっとさっき………見たことない子と会ったんだ」

 その言葉に、あたりは静黙《せいもく》となる。
沈黙が続く中、げんきがやっと口を開いた。
「そうか、さっきっていつくらい?」
「理科室の探索の時……気づいたら後ろにいたんだけど」
げんきは曇った夜空を眺めながら言葉を返した。
「ふーん……あ、みんな、他の部屋も探索してみようぜ!」
「そうだな!楽しそう」
「いいんじゃね?ワクワクしてきた」
その考えに賛同の意見が多数あがる。
しゅうは話を逸らされたことにショックを受けたが、坂上が「ま、そんなもんだろ」と励ました。
「よーし!!決定だな」
げんきは笑みを浮かべて校舎を見つめた。
「んじゃあ突撃だあー!!!!!」
げんきはそう叫んで、校舎内に突っ込んで行った。
それに続いてえいとや坂上、きはちも運動場を駆け抜ける。
「おーー!!!!!」
「うわああああいいいい!!!!」
奇声を叫びながら走る彼らを見て、りおとじゅりが話した。
「アイツら変な青春してんじゃねーよ」
「……あれ青春っていうのかな?」
「言わねーか」

 げんき達はそのままの勢いで校内に入って行った。
下駄箱を過ぎると、指をさしながら言った。
「一階って結構部屋あるから行ってみようぜ!」
げんきは周りをキョロキョロと見渡すと、家庭科室に入ろうと扉に手をかけた。
しかし、中々げんきが部屋に入らないので、どんどん後がつかえていった。
「おい早く進めよ」
えいとがそう急かしても、げんきは扉のみぞに指を入れていて、全く進む気配はない。
「おーいー!!」
えいとだけでなく坂上やしゅうまで苛立ち始める。
そして、やっと意を決してげんきが扉を開けて前に進んだ。
家庭科室は蛇口の水がポタポタ垂れる音だけがしていて、やはり静かだった。
その風景を見て、げんきは安堵する。
「おい、なんでさっき中々行かなかったんだよ」
「いや……ここにも一応包丁が飛び回ってるっていう七不思議があったから……」
天井を見上げながらげんきが答える。
「ふぅ~んなんだかんだあってほしかったな」
「絶対やめて!?」
きはちが面白半分で言ってきたので、げんきは慌てて思考を阻止しようとする。
坂上はそれをクスクスと笑う。これもまた「笑い事じゃないから……!」とげんきが止めようとした。
そして、げんき達は家庭科室を探索した後、その場を後にした。

それからもげんき達は色んな部屋を回って行ったが、変化はなかった。
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