5A霊話

ポケっこ

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集合、そして出発!

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 時間は夜の9時。学校は暗闇に包まれた。
げんきは一人、うさぎ小屋の前で佇《たたず》んでいた。
(早く来すぎたか……?)
げんきは体育館側の方を向き、あたりを見渡した。
南の方から冷たい風が吹いた。
(……それにしても、あたりが暗すぎてほぼ見えない。光も少ないな……)

みんなを待っていると、後ろから「おーい!!」とげんきを呼ぶ声が聞こえた。
げんきがおそるおそる振り向くと、昼間の体操服を着ているきはちだった。
「なぁんだきはちか……」
その時、きはちは少し不思議そうな顔をした。
暫くその表情のままだったので、げんきは話しかけた。
「……きはち?どうした?」
「……げんきその服装は?」
「え?」
げんきは顔を下げて今の服装を確かめる。
……げんきは緑色のパジャマを着ていた。
「あーっ!!!パジャマで来ちゃった!!!」
げんきは大声を出し、恥ずかしそうに後ろを向いた。
(恥ずかしすぎる……もうころしてくれ……)
「どうしよう…」げんきが泣きそうになっていると、「あ、りお来ちゃったよ?」と耳元できはちの囁く声が聞こえた。
マジかよ、と酷く絶望するげんき。何かいじられる事は覚悟していた。
振り向くとすぐそこにりおがいた。
「げんき、その格好は?」と言葉を投げかけるりおの目は完全に笑っていた。
げんきが怯《おび》えながら「こ、これは……パジャマで来たんだ。。」と答えると、りおは息を吐いた。
げんきにはそれがため息なのかただの深呼吸なのか分からなかったが、次の瞬間りおの口から出た言葉はとてつもない毒舌だった。
「は?5年にもなって恥だよ?3年くらいからやり直せば?」
げんきは「ああああああああ!!!!」と奇声をあげる。
 その直後、りおとげんきの間にきはちが入った。
「もうやめてよ!!」ときはち。りおはそれに納得できずにいた。
「きはちがそういうの珍しいね?きはちはいつものノリなら私の味方なのに」
「いつもそうとは限らないだろ!!それに七不思議を確認しに来たんでしょ?喧嘩なんかしないでよ!!」
 揉めあっていると第二グループがやって来た。
しゅうは先程の言い合いが聞こえていたようで、「揉めてる声がしたんだけど……?」と問いかけた。
げんきは言い合いのきっかけを言いたくなかったのか「気のせいだろ」と嘘をついた。

 全員揃った所で、学校から借りてきた七不思議の本を読みながら、どこを探索したらいいか話し合う事になった。
「ん?」
げんきは本を読みながら呟いた。
見ていたページには、『音楽室の七不思議』と書かれていて、次ページに詳細がびっしり載っていた。
「王道だな……でも試す価値はある」
そこに坂上が覗き込んできて、「いいんじゃない?」と言った。
げんきはそのページをみんなに見せる。
「今からこれをやりに行ってくる!第二グループはここで待機だ!」
「えー……もうやるの……?」
他の第一グループのメンバーがさっさと歩き出したので、じゅりは仕方なくりおの後ろを歩き始めた。


そうして、第二グループは出発した第一グループを見送った。
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