5年A組の三学期。

ポケっこ

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16 面白作品の成り立ち

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私たちは今図工で「おもしろ筆」という単元をやっている。
木の枝の先に毛糸をつけ、絵の具をつけて紙に書くというものだ。
今日はみんな作品を作る。みんな筆を作り終えたからだ。
図工室に移動すると、私たちは早速絵の具を垂らす。
私は筆の毛糸に青色の絵の具をつけて、紙に色をつけていった。
あまり毛糸に色はつけたくない。だがそれだと作った意味がない。私は遠慮しながら紙を色に染めていった。
先生からは「二色以上使ってね」と言われている。
なので私は青と緑を使うことにした。この二色は混ざっても汚い色にはならないと思った。
隣で作業をしていたじゅりを横目にみる。
じゅりは青色と赤色を選んでいて、いい感じに混ざり紫に変色していた。
一方げんきは中々書くものが決まっていない模様だった。筆を左右に揺らしながら、何かを考えている。
私は作品が完成すると、筆を窓際に置いた。そして作品を棚に入れ、席へと戻って行った。


やがて全員の作品が完成した。
先生は黒板にみんなの作品を貼り付ける。
「今から5分みんなの見ていいよー」
先生は私たちに告げた。
私たちは立ち上がって黒板に近づいていく。
結構綺麗になっているのもあれば、黒に塗りたくっているものもあった。
……ふと、ある作品が目にとまった。
黒と青で「CO2」と書かれていた。げんきの作品だった。
「げんき、なんでCO2なん?」
なんで文字なのか気になって本人に聞いてみた。
すると、意外な答えが返ってきた。
「適当に一回書いてみたらCの字になって、Cから始まるのないかなーって探してたらCO2しか思いつかなかったから……」
みんなが綺麗に作っている中、げんきだけ面白い作品を仕上げていたのだ。
私は隠れて少し笑った後、他の物も見てみようとその場を去った。
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