14 / 19
決意
しおりを挟む
「ダラル、リン、ロボラン。ちょっと聞いてくれないか?」
俺は起きたばっかりの三匹に問った。
「急に何よ?てかもう起きてたの」
「ああ。お前ら、人間に戻る為の手伝いをしてくれないか?」
俺は思い切って主張した。
ダラルはそんな俺を睨みつけている。
「は?それって、オレが否定しただろ?まだ諦めてないのか?」
「諦めてないわけじゃないんだ。恐ろしいデメリットに気づいたんだ」
「犬にデメリット?そんな馬鹿な事言ってないでさあ」
「馬鹿じゃない。俺にはお母さんがいるんだ。会えないだろ、こんな姿じゃ」
俺とダラルの言い合いの勢いは増していった。
それをリンとロボランは心配するような目で見つめている。
「駄目なのか?」
「駄目に決まってるだろ。犬の方がメリット多い。人間なんかに戻るな!」
「―人間に生まれてきたのに」
「―!!」
「人間に生まれてきたのに!!人間よりメリットの多い存在なんてないだろ!!」
「そ、それは……」
ダラルは俺に確かに、みたいな感じの空気を出している。
そして――
「…………分かった。今回だけだぞ」
「!ありがとう、ダラル!」
俺はさっきの話に突っかからなかったリンとロボランの方に向いた。
「わ、私も……」
「僕も」
三匹全員、賛成の声が上がる。
「決定だな」
こうしてダラル、リン、ロボランは、俺に協力する事になった。
俺は起きたばっかりの三匹に問った。
「急に何よ?てかもう起きてたの」
「ああ。お前ら、人間に戻る為の手伝いをしてくれないか?」
俺は思い切って主張した。
ダラルはそんな俺を睨みつけている。
「は?それって、オレが否定しただろ?まだ諦めてないのか?」
「諦めてないわけじゃないんだ。恐ろしいデメリットに気づいたんだ」
「犬にデメリット?そんな馬鹿な事言ってないでさあ」
「馬鹿じゃない。俺にはお母さんがいるんだ。会えないだろ、こんな姿じゃ」
俺とダラルの言い合いの勢いは増していった。
それをリンとロボランは心配するような目で見つめている。
「駄目なのか?」
「駄目に決まってるだろ。犬の方がメリット多い。人間なんかに戻るな!」
「―人間に生まれてきたのに」
「―!!」
「人間に生まれてきたのに!!人間よりメリットの多い存在なんてないだろ!!」
「そ、それは……」
ダラルは俺に確かに、みたいな感じの空気を出している。
そして――
「…………分かった。今回だけだぞ」
「!ありがとう、ダラル!」
俺はさっきの話に突っかからなかったリンとロボランの方に向いた。
「わ、私も……」
「僕も」
三匹全員、賛成の声が上がる。
「決定だな」
こうしてダラル、リン、ロボランは、俺に協力する事になった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる