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決意
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「ダラル、リン、ロボラン。ちょっと聞いてくれないか?」
俺は起きたばっかりの三匹に問った。
「急に何よ?てかもう起きてたの」
「ああ。お前ら、人間に戻る為の手伝いをしてくれないか?」
俺は思い切って主張した。
ダラルはそんな俺を睨みつけている。
「は?それって、オレが否定しただろ?まだ諦めてないのか?」
「諦めてないわけじゃないんだ。恐ろしいデメリットに気づいたんだ」
「犬にデメリット?そんな馬鹿な事言ってないでさあ」
「馬鹿じゃない。俺にはお母さんがいるんだ。会えないだろ、こんな姿じゃ」
俺とダラルの言い合いの勢いは増していった。
それをリンとロボランは心配するような目で見つめている。
「駄目なのか?」
「駄目に決まってるだろ。犬の方がメリット多い。人間なんかに戻るな!」
「―人間に生まれてきたのに」
「―!!」
「人間に生まれてきたのに!!人間よりメリットの多い存在なんてないだろ!!」
「そ、それは……」
ダラルは俺に確かに、みたいな感じの空気を出している。
そして――
「…………分かった。今回だけだぞ」
「!ありがとう、ダラル!」
俺はさっきの話に突っかからなかったリンとロボランの方に向いた。
「わ、私も……」
「僕も」
三匹全員、賛成の声が上がる。
「決定だな」
こうしてダラル、リン、ロボランは、俺に協力する事になった。
俺は起きたばっかりの三匹に問った。
「急に何よ?てかもう起きてたの」
「ああ。お前ら、人間に戻る為の手伝いをしてくれないか?」
俺は思い切って主張した。
ダラルはそんな俺を睨みつけている。
「は?それって、オレが否定しただろ?まだ諦めてないのか?」
「諦めてないわけじゃないんだ。恐ろしいデメリットに気づいたんだ」
「犬にデメリット?そんな馬鹿な事言ってないでさあ」
「馬鹿じゃない。俺にはお母さんがいるんだ。会えないだろ、こんな姿じゃ」
俺とダラルの言い合いの勢いは増していった。
それをリンとロボランは心配するような目で見つめている。
「駄目なのか?」
「駄目に決まってるだろ。犬の方がメリット多い。人間なんかに戻るな!」
「―人間に生まれてきたのに」
「―!!」
「人間に生まれてきたのに!!人間よりメリットの多い存在なんてないだろ!!」
「そ、それは……」
ダラルは俺に確かに、みたいな感じの空気を出している。
そして――
「…………分かった。今回だけだぞ」
「!ありがとう、ダラル!」
俺はさっきの話に突っかからなかったリンとロボランの方に向いた。
「わ、私も……」
「僕も」
三匹全員、賛成の声が上がる。
「決定だな」
こうしてダラル、リン、ロボランは、俺に協力する事になった。
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