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自己紹介
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「えっ、なんで――」
俺とソイツはお互いに戸惑っていたが、向こう側が先に口を開いた。
「何でお前を助けなきゃいけねぇんだよ」
「は?俺だって知らなかったのかよ」
「知らねえよ!ただ単に犬を助けたらお前だっただけだ」
「その言い方やめろ!助けたくなかったみたいじゃないか!」
その後は暫く沈黙が続いた。
「――ついてこい」
俺はそいつにそう指示され、ついていく事になった。
到着した場所は、前俺が拠点としていたあの良い場所だった。
そこにはやっぱり見たことのある犬がいた。
「おい、そいつを連れてきて良いのか?」
「私たちは許可してないわよ」
「そう怒らない」
次の瞬間に、三匹はほぼ同時に俺の方向を見つめた。
何なんだよ……。
「名前は?」
「え、っと――」
この時、俺は名前に悩んでいた。
俺の本名は風島とうきだが、そのまま言うと「人間っぽい名前だな」とか疑われそうで不安になったからだ。
「ジュラルだ」
一応犬っぽい名前を考えてみたが、意外とかっこよかったな。
そのノリで、彼は自分とみんなの自己紹介を始めた。
「オレはダラルだ。この集団のリーダーを務めている」
「私はリン。かなり優秀な犬よ」
「僕はロボラン」
そして、三人声を揃えて言った。
「みんな、勉強が好きなんだ」
その言葉に、俺は少し嫌な顔をしていたと思う。
三人とも勉強好きなんだ――俺には信じられない。
勉強のどこが良いのか教えてくれ。
「なあ、ここに住まないか?」
「は?」
突然のお誘いに俺は声をあげた。
「だってお前、俺がここに住むの否定したんだろ」
「そ、それはその時だけだ。ちょっと寂しいと思っていたからな……」
ダラルは少し言葉を濁らせて返す。
「なら別にいいが?」
俺は仲間に入る事を決めた。
これでやっと普通の生活が出来る――。(犬だけど)
「やった!これから宜しくな、ジュラル」
「特別に、だ」
俺は見下すように言った。
が、とても心強い仲間が手に入った様に感じる。
それから俺はダラル、リン、ロボランと共に暮らすようになった。
俺とソイツはお互いに戸惑っていたが、向こう側が先に口を開いた。
「何でお前を助けなきゃいけねぇんだよ」
「は?俺だって知らなかったのかよ」
「知らねえよ!ただ単に犬を助けたらお前だっただけだ」
「その言い方やめろ!助けたくなかったみたいじゃないか!」
その後は暫く沈黙が続いた。
「――ついてこい」
俺はそいつにそう指示され、ついていく事になった。
到着した場所は、前俺が拠点としていたあの良い場所だった。
そこにはやっぱり見たことのある犬がいた。
「おい、そいつを連れてきて良いのか?」
「私たちは許可してないわよ」
「そう怒らない」
次の瞬間に、三匹はほぼ同時に俺の方向を見つめた。
何なんだよ……。
「名前は?」
「え、っと――」
この時、俺は名前に悩んでいた。
俺の本名は風島とうきだが、そのまま言うと「人間っぽい名前だな」とか疑われそうで不安になったからだ。
「ジュラルだ」
一応犬っぽい名前を考えてみたが、意外とかっこよかったな。
そのノリで、彼は自分とみんなの自己紹介を始めた。
「オレはダラルだ。この集団のリーダーを務めている」
「私はリン。かなり優秀な犬よ」
「僕はロボラン」
そして、三人声を揃えて言った。
「みんな、勉強が好きなんだ」
その言葉に、俺は少し嫌な顔をしていたと思う。
三人とも勉強好きなんだ――俺には信じられない。
勉強のどこが良いのか教えてくれ。
「なあ、ここに住まないか?」
「は?」
突然のお誘いに俺は声をあげた。
「だってお前、俺がここに住むの否定したんだろ」
「そ、それはその時だけだ。ちょっと寂しいと思っていたからな……」
ダラルは少し言葉を濁らせて返す。
「なら別にいいが?」
俺は仲間に入る事を決めた。
これでやっと普通の生活が出来る――。(犬だけど)
「やった!これから宜しくな、ジュラル」
「特別に、だ」
俺は見下すように言った。
が、とても心強い仲間が手に入った様に感じる。
それから俺はダラル、リン、ロボランと共に暮らすようになった。
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