生徒がどんどん消えていくんですが

ポケっこ

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十二話 計画

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「うん。早くここを抜け出さないと……」
俺は廊下に体育座りをする。
「帰るためのものがあると思うんだけど……行きはブラックホールだったから、今度はホワイトホールとか?」
「うーん……まぁ、とにかく学園の規則を破らなければ罰はないからね」
「でもこんな不服なルールなら、ルールを破らなければ帰れないみたいなのもあるでしょ?」
俺はできるだけ考えた。どうしたらこの学園を抜け出せるか。
そして答えに辿り着いた。
「三限目をサボって探索しようよ!!」
ないよー君は目を丸くして俺を見つめた。
「そんな……!!授業には必ず参加しなきゃ……!!」
「俺はルールを破ってでも帰りたいんだよ!ないよー君はこのままでもいいの?」
「そうとは言ってないよ。あああもう分かった!どうなっても知らないからね!!」
そうして俺の計画は採用され、今から実行することにした。

階段を降りてニ階に下りる。ないよー君は細目になっていて、呆れていた。
なんとかして金白に戻らないと……
そんなことを考えていると、何かにぶつかって体が弾んだ。
「いって!あっ、ごめんなさ……」
ごめんなさい、と言いかけ、上を見上げた。
俺がぶつかったのは古里先生だった。
先生はハッとして、それから怒ったような表情を浮かべた。
「貴方達、もしかして!!」
先生は俺達に向かって走ってきた。
俺は怖くなって真っ先に逃走し、ないよー君は混乱していたようだが、正気に戻るとすぐに走った。

どうしたんだ!?やっぱりこの作戦じゃダメだったか!?
隠れるところを探していると、階段の後ろの立ち入り禁止の扉が目に留まった。
関係者以外立ち入り禁止だが、一生の罰を受けるかもしれない今の状況からすると破る他なかったのだ。
ドアノブを捻って中に入った。ないよー君も慌てて続いた。
扉を閉めてその場にしゃがむ。どうだ?見つからなかったか?
高鳴る鼓動。息を殺して待っていると、扉が開いた。
「みーつけた!」
先生は俺達に手を伸ばした。回っていって逃げようと思っていたが、その前に先生に服を掴まれてしまった。ないよー君も片手で服を掴まれて捕まっていた。
「逃がさないわよ」
どう足掻いても助かることはなく、俺達はそのまま意識を失った。
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