生徒がどんどん消えていくんですが

ポケっこ

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八話 ブラックホールの謎の世界

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(おかしい……絶対に何かが起こっている……勉の話は本当だったんだ……)
心が少し落ち着いてきた頃、ないよー君がやってきた。後を追ってきたようだ。
「ポケっこ、大丈夫?」
俺の隣にしゃがむないよー君。俺は「まぁ」と少し曖昧に返した。
ないよー君は一瞬困った顔をした後、すごく真剣な顔を浮かべた。
「やっぱり、学校に何かがある。学校中を探せば神隠しの原因が分かるかもしれない」
俺とないよー君は立ち上がって、一階に降りていった。
そろそろ朝の会が始まる頃だが、誰かが動かないと事件は終わらない。怒られてもいいから、神隠しの謎を解きたかったのだ。
一階の廊下を歩きながら、俺達は推理を始めた。
「俺は、欠席じゃなくて消えてるんだと思う。先生も、欠席なら二十七人って言うはず。もし本当に消えてるなら、何処に消えたか……」
ないよー君も一生懸命考えている様子だった。
「学校内なら良いんだけどね。でも仮に室内に閉じ込められていたなら、助けを呼ぶ声がすると思うんだけど……それがないんだ……」
俺達はニ階に上がった。
ニ階は低学年の教室がある所なので、そこを4年生が通ると先生に呼び止められそうで怖かった。違和感しかなかった。
とっくに朝の会は始まっているだろうが、こんな事件を目の前に放っておくことはできない。そしてなるべく早く事を解決する。
「二階も特になさそうかな……」
ないよー君がそう呟く声が聞こえたので、俺は三階の階段へ向かった。
このまま収穫なしで探索を終えるのか?そして教室に戻って怒られるのか?三階で何か手掛かりになるそうなものがあってほしいのだが……
暫く見て周ったものの、結局何もなかった―
が、二階に戻る時、不思議なものを見つけた。
「ん?何あれ?」
ないよー君が指さす方向を辿ると、黒く煙がかかってモヤモヤしているものがあった。
ブラックホールのようなものだった。学校にこんなものがあるのか、と考えるととても不自然だった。

「ちょっと近づいてみよう」
俺は気になって、その黒い物体に一歩近づいた。
その瞬間、体を失ったような感覚に襲われた。
視界が荒ぶって何が起きているか分からない。
「ポケっこ!!!待って!!!今引っ張る!!!」
ないよー君の叫ぶ声に、俺は状況を理解した。
……ブラックホールに吸い込まれている!!
誰かが助けに来てくれるわけでもなく、ないよー君と俺が頑張るしかなかった。
ないよー君が腕を必死に引っ張ってくれていたが、ブラックホールの吸引力に負け、俺とないよー君はブラックホールの中に入ってしまった。




「……ん~……」
目が覚めると、そこは金白学園内だった。
ないよー君はまだ倒れていたので、体を揺すって起こしてやった。
おかしいな。ブラックホールに吸い込まれて、何処かに飛ばされるとか、そんなことはないのか?
じゃああれは何だったのか?
「ポケっこ、ここは……?」
「恐らく金白学園……飛ばされてなかったのか……?」
まだここが何処かもはっきり知れていないので、ここを探索することにした。
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