生徒がどんどん消えていくんですが

ポケっこ

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二話 放課後

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帰りの会を終えた4Aは教室を一斉に飛び出し、階段をスタスタと降りて行った。
俺はその最後尾にいた。危ないことは分かっていたし、急がなくても下校することに変わりはないからだ。
昇降口を出ようとした時、外にないよー君がいるのが目に映った。きっと俺を待っていたんだろう。
ないよー君は緑のパーカーを着ていて賢い、俺の友達だ。
靴のかかとを踏みながらないよー君の横に並ぶ。歩きだしたので、俺も足並みを揃えて足を動かした。
「今日一緒に帰るって言ったからね!」
ないよー君は俺を横目に言った。返事すべき場面だ。
しかし俺は約束を忘れていた。どう応じたら良いのか。とりあえずうんとでも返しておこう。
「う、うん」
「そういえば隣のクラスに転校生が来たんだって。知ってる?」
「え?知らない」
話によるとB組に転校生が来たらしい。名前までは分からないが、勉強好きの男子だとのこと。確か4Aにもそんな奴いたな。
暫くそのような話をしていたら、家の前まで来ていた。
「ああ、もう家だからじゃあね」
俺はないよー君に別れの挨拶を交わした。
「また明日ー」というないよー君の返事を背中で受け止めて、俺は家の中に立ち入ったのだった。

扉を閉めると、ダイニングルームからの冷気が忍び込んできた。
室内は誰もいなかった。お父さんが仕事に行く前に冷房をつけていったのだ。外はまるで地獄のような暑さで、これでもまだ足りないくらいだった。
俺は自分の部屋にランドセルを投げ捨てて、中から筆箱と漢字ドリル、下敷きを出した。
勉強机にそれらを置くと、筆箱から鉛筆を取り出し漢字ドリルを開ける。俺は自分でも分かる雑さで文字を書き入れていった。
ページが段々文字で埋もれていく。書き始めてから十分ほど経つと、白かった一ページは漢字がびっしり筆記された。
最初からもう一度読んでみる。目に見えている文字は漢字だということしか理解できず、何と綴られているかなんて分からなかった。
宿題が終わり愉快な気分になった俺は、思わず歌唱した。
「俺は悪気はないんだよ~別に欲さなくてもいいんだけど~」
そう歌いながらスイッチを手に取ると、俺はゲームを始めた。
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