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18’保証のハメ撮り

83.脅され全裸撮影

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(悠莉視点)

 男が困惑していた。

「え、あ……その」

「は? なに? 嫌なの? ハメ撮りしろって言ってんの!」

 私は山田に命令した。こいつに拒否権があるとは思っていない。

「い、嫌じゃないけど」

「ならやりなさい!」

「……わかった。やるよ……あ、えっと……2人いっしょに……?」

「は? 何言ってんの?」

「え? あ、その……3人でハメ撮りするってことじゃ……?」

 男が言ったことに吐き気がした。なんで大好きな哀香とのセックスにこいつが混ざらなければいけない。「うげぇ」って思った。

「あんたバカぁ? なんでそんなことしなきゃいけないの!?  奴隷のくせに調子に乗るな!」

「え、ちがうの? てっきり私と悠莉と山田さんの3人で、3pすると思ってたんだけど……」

 哀香までもがきょとんとして、口を挟んできた。3pなんて言葉どこで知ったのだろう。

  男への説明はダルかったけど、哀香には説明しなければいけない。

 これが今回の私の計画だったから。

 私は自分のリュックから数枚のルーズリーフを取り出した。ホチキス留めしてあったその束には、状況説明とセリフがびっしりと書いてある。

 つまり台本。

「……ん!」

 私はその台本を山田に突きつけた。わざわざこの男のために昨日の夜、作ってきたのだ。

「これなに? 」

「あんたにはこれからこの台本通りに私たちとセックスして貰う!」

「……え?」

 男は目を白黒させた。

 何もわかってなさそうな男。哀香は頭もいいし演技も上手いから、一度見せればすぐに理解するだろう。なんなら説明しなくてもアドリブで問題ない。でも、この山田って男は頭悪そうだし、一回言っただけじゃ憶えられないに違いない。だからこの台本をわざわざ作ってきてやった。感謝してほしい。

「まずは私とハメ撮りして!」

「え?」

 山田はまだ理解できていないようだった。本当にバカ。

「あんたには今から私をレイプしてもらう。で、私も嫌がる演技……本心だけど……するから。クズのあんたは私が泣き叫んでも無理やり中出しするの。それを録画するから」

「え、ええ!?」

 男は困惑していた。なんで? なんでって……オロオロしている。

「だからあんたはクズなの! この台本通り私を犯すクズ野郎なの!」

「……?」

「まだわかんないの!? バカ! デブ! だから……これから先、私と哀香に何かあったら全部あんたのせいにしてやるから!無理やり脅されて露出プレイさせられてたことにするため。ハメ撮りで脅すクソ野郎なのあんたは! あんたの弱みを握っておきたいの!脅しの材料を作るの!」

 おもわず感情的になって叫んでしまった。

「な、なるほど……」

 山田はようやく理解したようだ。

 前もこいつとの行為を録画したことがあったけど、それは言い訳のできない(私の内心はさておいて)誰がどう見てもラブラブセックスだった。先日見せられた哀香とのハメ撮りも嬉しそうな彼女の顔が写ってしまっている。

 それではダメ。

 他人からどう見えるかが重要だ。

 もし私たちの嫌がる姿が映っていたら?

 学生の私たちと不細工な中年オヤジ。どっちが変態だと世間が思うか、そんなの一目瞭然。キモいおっさんに対する世間の風当たりは強い。

「だから、あんたは私をレイプするの。わかった?」

「……わ、わかった」

 男は私の勢いに押されて、戸惑いながらも同意した。

「じゃあ……早く。台本読んで」

 私は男を急かした。さっさと終わらせたかったから。

「ちょっとまって……酷くない? 山田さんは私たちを気持ちよくしてくれて、いろいろ協力してくれるって。約束してくれたのに……」

 哀香が山田を擁護した。

「はぁ? ……こいつは奴隷なの!」

「そんな……山田さんは私たちの協力者だよ……可哀想!」

 私は哀香をギロリと睨んだ。このオヤジの肩を持つ意味がわからない。恋人の哀香ならいざしらず、こんな男のことなんて信用できない。私よりもこの男の方が大事なの? ってキレそうだった。

「で、でも……変態な私たちが悪いのに……」

「なんでこんなキモオヤジを気にするの? 大事なのは私たちの安全でしょ?」

「おじさんだからって何言ってもいいって思うの悠莉の悪い癖だよ……」

「キモいものはキモい!」

 こんなオヤジなんかに情を抱いてはいけない。私はそう思っていたけれど、哀香は気にしているみたいだ。なんで? 

 意見が合わない。今にも口論になりそうな雰囲気になっていた。

「あの……待って! 僕のために争わないで!」

 まるで少女漫画のヒーローみたいなセリフを吐いて男は間に割って入ってきた。

「あの……その、悠莉ちゃんがそこまで言うなら、僕は……やる! やるよ! むしろしたい!」

「いいんですか? 嫌なら断ってもいいんですよ?」

「い、嫌じゃないよ! むしろ嬉しい! 2人とエッチできるのは嬉しかったけど……でも、僕なんかがいいのかなって不安で……でも! 2人のためにできることがあってうれしいんだ!」

「山田さん……優しい」

「……ふん。いざとなったら潔く逮捕されなさいよ!」

「うん! 逮捕される!」

 男は嬉しそうに笑った。本当に年不相応の無邪気な笑顔だった。でも私たちにとって都合のいいことなのは間違いない。

「ありがとうございます! 山田さん!」

「……ありがと」

 悔しかったけど渋々お礼を言った。

 なぜか山田のおかげで険悪な雰囲気が収められた。

「じゃあ、さっそく始めよう! まずは悠莉ちゃんとのハメ撮りからだよね?」

 男は嬉しそうに台本を読み始めている。

「調子にのらないでっ! 嬉しそうにするな! 脅しの道具だから!」

「うん! 僕は美少女2人に脅されてる!」

 迷いと戸惑いがなくなった男は、意気揚々とテンションを高めていた。清々しさすら感じた。私の言葉はもはや効いていない。

 もしかしたら、私は……この男のリミッターを外してしまったのかもしれない。言い訳を与えてしまったのだ。

「……っ」

 でも、もう引き返せない。

 今から私は……こいつとレイプ風ハメ撮りをする。



***



 録画が始まった。

「おら、さっさと脱げよ」

「くっ……最低っ」

 山田が強気な言葉で命令してきた。私は体の前で腕を組んで、ケダモノを睨むようにキッとした視線を向ける。

 男は私の視線に怯んだけれど、カメラにはそれは映らない。画角は男の一人称視点で録画されている。

「本当に私があんたの相手したら、哀香との動画は消してくれるんでしょうね?」

「ああ、勿論だ。おまえが素直に言うことを聞いてくれたら消してやる。あの子の代わりにおまえとのハメ撮りは保存させてもらうけどな」

「……クズ野郎」

 怒りに声を震わせる私。

「健気だねぇ。友達の代わりに自分が身代わりになっちゃおうってわけだ。それにおまえ処女なんだろ?」

「……うるさい。約束は守りなさいよ!」

「ああ、守るよ。だから早く服脱げって」

 私は唇を噛み締めながら、服に手をかけた。腕をクロスしてまっくり上げ、シャツを脱ぎブラを晒す。レギンスを脱いで下着姿になった。

 私にカメラが向けられている。その前で服を脱いでいる。

 これは演技。これは演技。これは演技。これは演技。これは演技!だから恥ずかしくなんて無い!

 自分にそう言い聞かせながら、私は服を脱いでいく。

 こんなオヤジの前で裸になるなんて、死ぬほど恥ずかしい。

 ──なんで私はこんなことをしているんだろう?

 演技だからなんなの!? って冷静になりそうになる。

 設定としては、『クズの中年男に無理やり襲われた哀香はハメ撮りをされてしまう。私はその録画を消してもらう条件として身代わりになって嫌々ハメ撮りする』っていう状況。

 演技なのは間違い無いのだけど、私がこの中年男のことが本当に嫌いなのは事実。

 そんなキモいオヤジの前でブラを外してショーツを下ろす。

 ──恥ずかしい。

 この男の前で服を脱ぐのは初めてだった。前回は全裸で待機していたから服を脱ぐ必要はなかったのに、眼前で服を脱ぐという状況が別の恥ずかしさを湧き上がらせていた。

 やがて私はカメラの前で一糸纏わぬ姿になった。

「うひょー、いいねぇ」

 山田は興奮気味に言う。私は胸と股間を手と腕で隠しながら、男を睨み付ける。

「約束よ! もうこれで哀香に近付かないで!」

「最後まで相手してくれたらな。隠さなくてもいいだろ? どうせこれだけじゃ済まないんだ」

「……うるさい」

 脅されている私は屈辱に身を震わせ恥部から手を離す。カメラが向いているのを意識すると後悔の感情が湧き上がってしまう。



 ──全裸を録画されちゃってる……。

「ほら、動画に残してるんだ。全部見せろ。顔を隠すな」

「……しね」



 手を震わせながら降参のポーズをとった。

「へへへっ、いいねぇ。嫌なのに隠せないその格好がそそるわぁ。良い体してんじゃん。胸は小ぶりだけど、尻がプリっとしててエロいわ」

「……っ」

 山田の舐め回すような視線に、屈辱で唇を噛み締めた。カっと顔が熱くなる。こんなセリフしらなかった。男の後ろで、くすくすと声を殺して笑う哀香の姿が見えた。

 私の書いた台本に彼女が修正を加えていた。ノリノリだった。

「み、見るな……」

「お? いいのか? 友達のハメ撮り消さないぞ? 」

「くっ……卑怯者」

 私は歯を食いしばった。私は被害者。私は被害者。私は被害者。私は被害者。本心から嫌だった。

 だからこそ、この演技を見破れる第三者は存在しない。だって本当に嫌なんだもん。この場にいる人間、すべての頭がおかしくなければ成立しない状況。

 脅しの道具としてハメ撮りをする女と、脅される道具としてハメ撮りを許可する男、両者がいなければ成立しない。そんな状況。

「へへっ、じゃあまずは……そうだなぁ」

 山田はニヤニヤと笑いながら、カメラを私に向けてくる。

 乳首をアップで撮影するように近づいてくるカメラ。突起の周りを旋回するように移動する。乳首が余す所なく録画されてしまっている。

「あうっ!」

 男の太い手が私の乳首を摘まんだ。

「うほっ。美少女の乳首」

 くりくり弄ばれている乳首にレンズが近づく。

「うう……うざい。やるならさっさとすればいいでしょう……」

「急かすなって、じっくりほぐしてやるからな」

 男が乳輪をなぞるように指を動かす。焦らされているみたいで気持ち悪い。

「じゃあ、まずは自己紹介からだ。名前は? それと歳、学校名」

「……藤崎悠莉。1◯歳。洛青大学経済学部……くぅ♡」

 乳輪を爪でカリカリと引っかかれ、体がピクっと反応してしまう。この反応も録画されていると思うと死にたくなる。本名だし、大学名まで言わされて、本当に最悪。

「いいぞ。今回のこと誰かに言ったらお前の知り合いに動画ばら撒くからな?」

「……お願い。私はどうなってもいいから……哀香の動画だけは消して」

 私は友達のためなら自分の体を犠牲にする被害者。実際、哀香のためだったら本当に構わない。なんだって出来る。中年オヤジに処女を捧げることも……。

「そんなに懇願されたら仕方ないな。うひひ」

「あっ……くっ」

 乳首を強引につねられ、屈辱の快感が走る。体は媚びるように勝手に反応する。私の反応を楽しむように男は胸を揉みしだく。乳首を執拗に揉み続ける男。強く揉まれて乳首が立っているのも見られている。録画されている。顔に熱が溜まるのを感じる。恥ずかしい……屈辱的だ……死にたい。

 私は歯を食いしばるけれど、どうしても声が漏れてしまう。

「んっ……くっ♡」

「へへっ」

 山田は満足気に笑うと私の乳首を指でピンっと弾いた。その刺激に私は大きく反応してしまい、体をビクッと仰け反らせる。

「っ……っ♡」

「お、感じてんのか?」

「か、感じてなんかいない! 誰がお前なんかに!」

「ならこの濡れてるのはなんだ?」

 男が指さしたのは私の股間。そこにカメラが向いた。映し出される私の股間の割れ目。そこは確かに濡れていた。その事実が恥ずかしくて死にたくなる。

 男はニヤけながら私の股間に手を伸ばしてきた。そして割れ目を鷲掴んだ。

「うっ……さ、さわるな……」

「あれれ? なんか湿ってる気がするぞぉ?」

「うるさい。黙れ。キモい。しね」

「おほっ。口悪いな。おら、ケツも撮らせろ。後ろ向け」

 私は悔しくてたまらなかったけど、脅されているから背中をカメラに向けた。



 チラッと後ろを見ると男がニヤニヤしている。ムカついた。

「いいねその反抗的な目。そんな悠莉ちゃんにはお仕置きだ!」

  男がそう言ったかと思ったら、パンッ!! っと軽快な音が鳴った。

 臀部に伝わる痛み。私のお尻が平手で叩かれた。

「痛っ……な、なにするの!?」

「何ってお尻ペンペンだよ」

 男はそう言って何度も私のお尻を叩いた。なんどもパン!という音が鳴り響く。

「いや! やめてよ!……いたぃ」

 パァン! パァン!

 ──なにこれ!?

 私はこの展開を知らなかった。お尻を叩かれるのが好きなドMの哀香が台本に修正を加えていたのだ。

  ──こんなオヤジになんで私がっ!

 パァン! パァン!っと音が鳴り響く。私は声を殺して耐えるだけ。叩かれるたびに私のお尻が揺れる。この様子もカメラはしっかりと捉えている。

「うっ……くっ……ふぇ」

 私は唇を噛み締めて声を殺す。こんな男にいいようにされて悔しいし、恥ずかしいし、死にたいくらい屈辱的。涙が溜まってきた。

「ふぅ……こんなもんかな」

 屈辱の時間はようやく終わった。そして、次の屈辱がやってくる。

「ケツ穴も撮らせろ。自分で拡げてみせろ」

「はっ? 誰がそんなこと……!」

「自分の立場を考えろ。あの子の動画ばら撒くぞ? 口答えするな」

「………くっ」

 私は男の目の前で尻たぶを掴んで拡げる。お尻の穴が外気に触れる。

 脅されてしかたなくお尻の穴をカメラに晒した。

「おほっ。綺麗なケツ穴だな」

「くっ……」

「ケツ穴の皺も全部、映してやるからな」

 男の鼻息が当たって、時折レンズが尻たぶにあたる。間違いなく私の肛門が録画されている。

 こんな動画が流出したら、私は生きていけない。

 だからこそ……この動画を見るやつは私のことを被害者だと思ってくれる。全てこの最低のゲス男のせいにできる。

 私と哀香は破滅しないですむ。……きっと。

 そう信じて必死に我慢した。

「うひひっ。じゃあそろそろハメ撮り開始といこうか? 本番だ」

「……はい」

 素直に男の言葉に頷いた。もうここまできたら引き返せない。最後までやりきるしかないんだ。そう覚悟を決めていた。

 私は脅されて無理やりハメ撮りを強要された哀れな被害者。

 私は今から気持ち悪い中年オヤジに抱かれる。
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