みせたいふたり〜変態美少女痴女大生2人の破滅への幸せな全裸露出〜

冷夏レイ

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11"高層ホテル

52.オートロック

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(哀香視点)

 都内にある高層ホテル。

 1000室近い客室を有するこのホテルは、夜景が美しいことでも有名でギラギラとした都市の灯りが眼下に広がっている。

「悠莉、見て見てすごいね!街が綺麗だよ! ミニチュアみたい」

 私は窓際でぴょんぴょん飛び跳ねながら、眼下の街を見下ろしていた。地方から上京した私にとってこの光景は絵にかいたような都会の景色でテンションをハイに押し上げた。

「ふふ、はしゃぎすぎ」

 親友の悠莉が笑った。

 私達は、きゃっきゃとはしゃいでいた。

 今日、私達はこのホテルに二人で泊まりに来ていた。バイトと配信活動は思いのほか順調に進んでいて、サイドカーを買うための資金も半分ほど貯まりつつあったから、お祝いも兼ねて少し贅沢をすることにしたのだ。

 地上45階にあるダブルルームは、大きいベッドが1つ置かれていて2人で泊まるには十分すぎる広さだった。

 窓から見える景色も絶景で、大学生の身の丈を超えて贅沢な気分になれた。料金は思っていたほど高く無くて、2人合わせて3万円ほど。

「だってこんなに綺麗なんだもん。すっごく楽しみだったの!」

「うん。……でも哀香の方が綺麗だよ」

「え、なにそのダサいセリフ……」

「うるさいっ」

 悠莉はむすっとして、距離を詰めて来たと思ったら、強引に私の唇を塞いできた。

「ん……」

 わざとらしいセリフはこのために強引に雰囲気を作り出すためのものだったと気づいた。

 私達は夜景が映った窓枠を背景に唇を重ね合う。

 彼女の舌が私の口の中に入ってきて、舌と舌を絡め唾液を交換して、お互いの味を確かめ合う。唇を貪りあう深いキスだ。

 彼女とのキスはこれで何度目になるのだろう?

 もう思い出せなかった。

 私の悪ふざけから始まった遊びのキスは、いつの間にか本気のキスにすり替わっていた。

 女同士のスキンシップを超えた恋人同士でしか許されない口づけは、私達の関係を侵食するように変えたのだろう。

「あっ♡」

 悠莉の指が私の一番敏感な部分に触れた。

 今日、ここに来た目的の一つ。

 私達はこれから快楽に任せてお互いの身体を貪りあう。

 この高層ホテルに来たのは彼女と特別な夜を過ごすため。

 つまりは、ラブラブえっち。

「待って、まだ早いよ……」

 でも私は名残惜しい気持ちを押し殺して彼女の唇からゆっくりと離れた。

 悠莉は不満げな表情をして、私の胸に手を伸ばそうとする。

 乳首が優しく撫でられた。

「なんで?」

「だって、ほら……。分かってるでしょ、意地悪しないで」

 バツが悪そうに顔を背けた。

 ロマンチックなシチュエーションにふさわしくないことは分かっていて、なんだか悪いことをしているような気分になる。

 彼女との情事も待ち遠しくて楽しみなのは事実なのだ。

 でも、今日はどうしてもやりたいことが、もう一つあった。

 そのためには一時の別れをしなければならない。

「じゃあ私、行ってくるから……待っててね」

「……いってらっしゃい。変態」

 私が悠莉に申し訳なさそうに伝えると、彼女は呆れたように笑って送り出してくれた。

 後ろ髪を引かれる思いで、私は部屋の入口に向かった。

 ドキドキしながらドアノブに手をかけて開ける。

 廊下には誰もいなかった。

 私は身体を完全に部屋の外に出して、ゆっくりと扉を閉める。

 ドアノブを元の位置に戻したときガチャリと音が鳴った。オートロックが掛かった音。

 それは、取り返しのつかない音だった。

 なぜならば、私は全裸だったのだから……。

 服は全て部屋の中に置いたままで、タオル1枚さえ持ってきてはいない。

 ホテルの廊下に1人、裸で取り残された。自分の力だけではもう部屋には戻れない。

 ドアノブをガチャガチャと動かしても扉はびくともしない。

 中にいる悠莉には、私が泣いてお願いしてもドアを開けないようにあらかじめ伝えている。

 部屋から閉め出されたという事実を改めて認識すると、身体が熱くなってきた。

 羞恥心? いや、快感だった。

「はぁ……っ♡」

 これから私がすることへの期待と不安が同時に押し寄せてくる。

 でも今更引き返すことはできないし、するつもりもない。

 覚悟を決めて歩き出すと、一歩進むたびに心臓が高鳴る。

 私は全裸で廊下進んだ。

 部屋に再び戻るためにこれから私がするミッションは、エレベーターに乗って1階まで降りていきフロントでホテルの従業員の人に助けを求めること。

 普段の私だったら、オートロックの部屋に鍵を閉じ込めるなんてミスをしたら人見知りを発動させてオロオロしていたはずだ。

 でも今は違う。

 全裸という要素が私にスイッチを切り替えさせていた。

 私はもう普段の小市民じゃない。

 エレベーターの前に到着して、ボタンを押して到着を待つその間、私の心臓はバクバクと激しく鼓動した。

 見上げるとエレベーターの階数表示がどんどんと上昇してくるのが分かる。

 扉が開いたとき人がいたらどうしよう? 全裸の私を見て、どんな反応をするのだろう? 期待で胸が膨らんだ。

 しかし、エレベーターが到着して扉が開いた瞬間、ガッカリした。

 箱の中には誰もいなかったのだ。

 仕方なしに誰もいないその中に乗り込んで、1階のボタンを押すとエレベーターの扉が閉まり密室が出来上がった。

 誰もいない空間だけど、私は恥ずかしそうにモジモジすることを忘れなかった。ホテルの通路でもこの空間でもそうだけれど、客室とは違ってここには監視カメラが取り付けられているのだから……。

 だから堂々とするわけにはいかなくて、あくまでもドジっ子を演じなければならない。

 そうでなければ私は他人から見たとき『露出狂の変態』になってしまう。

 私の内心はさておき客観的には『ハプニングで全裸になってしまった女子』に見えるようにしたかった。

 その方が見る人にとっても楽しんでくれるはず、という打算。

 ビックっとして、わざとらしく見上げてカメラに気づいたフリをする。今この瞬間も録画されていて、後で誰かにチェックされるかもしれないのだ。

「……っ」

 下降を始めたエレベーターの微かな振動が、私の身体に伝わってくる。

 箱が下に降りていくにつれて、私の心臓の鼓動も激しくなっていた。

 そして、その時はあっさりと訪れた。

 チーンと音が鳴った。

 45階から5フロア下がった40階でエレベーターが停まった。

 人が入ってくる。

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