みせたいふたり〜変態美少女痴女大生2人の破滅への幸せな全裸露出〜

冷夏レイ

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1”恥辱のヌードモデル

06.スケスケのキャミソール

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(悠莉視点)

 私はキャミソール姿で部屋に入った。

 辺りを見回すと部屋には10人以上の人間。ほとんどが男……。奥の方に遠慮がちに座った女の子が1人だけいる。哀香だった。彼女以外はジャガイモだったらよかったのに。

 目のやり場は彼女しかない。

 目が合うと彼女はニッコリと微笑んだ。それがすこし意味深に感じてゾッとする。助けを求めたかったけど出来なかった。

 ガヤガヤとした雑談が聞こえていた部屋は静まり返った。

 原因は、スケスケでフリフリで乳首もアソコも丸見えのキャミソール姿の女が部屋に入って来たから。

 私だ。



 透ける恥部。自分の恥ずかしいところが全部晒されている。乳首も下半身の割れ目も全部。

 なのに私は見られて恥ずかしいはずの部分を隠さないように必死で我慢していた。外見だけでも強気に見えるようにツンケンとした態度で部屋中を睨みつける。

 見たけりゃ勝手に見ればいい。今更、胸や股間を手で隠しても遅いことはわかってるし、惨めになるだけだと思った。なによりも、隠したりしたらバレてしまう。本当は恥ずかしくて、恥ずかしくて仕方がないことが……。

 無表情のサバサバ系女子のイメージを貼り付けようと努力するけど、1ミリも出来ている気がしない。

 私の心の中での葛藤なんてお構いなしに、容赦無く部屋中の視線が体に突き刺さる。

「……っ」

 私の裸を見定めるような沈黙の間がものすごく長く感じて、永遠に続くんじゃないかってくらい圧縮されていた。無限の体感時間。でも、その沈黙は無遠慮な声でぶち壊されることになった。

「お、いい格好だねぇ。悠莉ちゃん」

 私の姿を見て叔父さんがニヤついて言った。

「どう気分は? やっぱり恥ずかしい?」

 叔父さんは追撃するように聞いてくる。

「う、うるさい……見るな」

 怒りが湧き上がった。

 この中年オヤジはこのアトリエのオーナーである事と、私の親族である事を傘にかけて馴れ馴れしく話しかけてきている。

「もうちょっと恥じらいがあった方が可愛いんだけどなぁ」

 私の身体を舐めるように観察して品定めでもするようだった。

 恥辱と怒りに震える。

 この人……こんなやつだったのか。

 何より、叔父さんのせいでこの場の雰囲気がぶち壊された。

「いやいや、十分可愛いですよ」
「若い子は身体にハリがあっていいですな」
「お尻もプリッとして弾力がありそうです」
「腰回りも綺麗にくびれてますね。90点です」

 なんと周りのオッサン達まで釣られてぺちゃくちゃと話し出したのだ。

 勝手に私の身体をレビューして評価までする。本当に最悪。こんな奴らに裸体を見られているなんて最低の経験だった。

「おっぱいは小ぶりだけど形は綺麗だよねぇ」
「A?」

 うるさい、聞くな。殺すぞ。

 無視した。

「キャミソールを押し上げる乳首がエロいですよね。ピンと上を向いてて」

 1人がそう言った瞬間、一斉に視線が私の乳首に集まった。

「「おお、確かに」」

「っ!……」

 その男の言い様がキモすぎた。必死に我慢していたのに、反射的に手をやって乳首を隠してしまった。

「ダメだよぉ隠したら」

 即座に叔父さんが笑いながら言う。

 顔が、かーっと熱くなった。

 さっきまで見せていたはずの乳首なのに、隠した途端、猛烈に羞恥心が湧き上がった。

 ──最悪っ!

 助けを求めて哀香のいる方を見ると、彼女は俯いていた。なにか落ち着かなそうにモジモジしている。

 あ、そっか……哀香も同じ目に合ったんだよね……。過去の自分と重ねてしまったのだろう。

 気まずいのだと思った。自分の裸体へ向けられる無遠慮で下心が込められた視線。哀香も同じ目にあったに違いない。

 心がしゅんっとなった。

「ん……」

 これは、罰なんだ。

 私はキュッと唇を噛んで、胸から手を離して再び乳首を晒した。

 そのタイミングで、パンっと手を叩く音がした。

 みんながその音の方へ注目すると講師の男が立ち上がったところだった。

「はい。皆さん無駄話はやめて。そろそろ始めましょう。……オーナーも困ります」

 その発言でこの場の空気が変わった。部屋がシーンとなって、真面目な空間に一変する。

「では、ポーズは……」

 ヌードデッサンが始まった。

 ポーズは後ろ手で手を組んで背筋を伸ばす姿勢。

 雰囲気が様変わりしてキャンパスに鉛筆が擦れる音しかしなくなる。

 私のキャミソール姿が大勢に描かれている。透けている乳首も恥丘も割れ目も見られてしまっている。

 ──恥ずかしくなんてない!

 無謀な自己暗示だった。

 恥ずかしくて恥ずかしくてたまらない。 

 夕飯は何を食べようかなぁ……とか、どうでもいいことを考えて現実を忘れようとしたけれど、まったくの無駄だった。

 カチカチと時計の秒針が鳴る音が聞こえる。無限に思える1秒が繰り返された。

 ──なんで、この私がこんなおっさん達に!

 屈辱で屈辱で屈辱な時間。

 そんな時間が30分ほどすぎた頃だろうか。

「ではキャミソールを脱いでください」

 講師の男が私を見て言った。

「え……?」

 私は思わず聞き返した。

「服のラインはイメージ出来たので、次はそれを元に描いてもらいます」

「……」

 嫌だとは言えなかった。

 両手をクロスしてキャミソールの裾を掴んだ。一気にまくり上げようと思ったのに手が止まる。

 これを脱いだら本当の全裸だ……。大勢に私の裸が見られちゃう……。

 肌に直接、吸い付いた薄い布は身体のラインをクッキリ浮かび上がらせていた。

 そもそもスケスケで、乳首の形もはっきり晒されている。部屋の空調で気まぐれにヒラリとめくれて、お尻も恥部も丸見えにする。クソみたいな布。

 なのに、私はこいつを脱ぐのが怖かった。こんなのが私の最後の防衛線だったのだ。

「悠莉ちゃん、恥ずかしいの?」

 叔父さんが聞いてきた。

「べ、別に!」

 強がって答える。こんなオヤジに見透かされたのが悔しかった。

「じゃあ、脱げるよね?」

 その顔と言い方がムカついた。お前のために脱ぐんじゃない! とキレそうになった。

 でも悔しいけど、従うしかない。ためらっていた手を一気に上に上げて、キャミソールをまくり上げる。
 
 私の正真正銘の全裸が晒された。

 猛烈に恥ずかしくて心臓がドキドキしてる。身体が熱い。

「よく脱げたね。えらいぞ」

 子供扱いするような叔父さんの言い方にさらにイライラした。

 部屋にまた静寂の空間が戻って、再びキャンバスに私が書かれ始めた。

 ブチギレていた私は、裸を描く変態オヤジたちを一人一人を睨んで時間を過ごした。

 ──死ね死ね死ね死ね死ね!!

「休憩時間です」

 しばらくして、講師の男の声が聞こえた。2時間のうちの半分が終わったのだ。

 バスローブが渡されて、晒していた全裸をようやく隠すことができた。

「どうだった?」

 気づけば哀香が側にいた。彼女は私を見て、いつもと変わらない優しい笑顔を向けてくれた。

 正直に言えば実感がなかった。私は本当に全裸を見られたのだろうか? 自分を守るための現実逃避なのはわかっていた。

「え、うん……マジ、最悪。オッサンの視線が気持ち悪い」

「そうだね……」

 哀香は少し複雑な顔をした。

 それを見て辛い記憶を思い出させてしまったと、しゅんとなる。

「あ、ごめんね。この前は……。私、最後までやるから……」

 私はまだ哀香がこの場にいるから心細さが緩和されているけれど、彼女は1人でヌードモデルをやり切ったのだ。ここで私が逃げ出すことはできない。

「うん。頑張ってね。それより……」

「ん、なに?」

「ううん。なんでもない」

「? そっか」

 哀香は何か言いかけて、やめた。

 私は少しでも長く彼女と話したかったから、深く考えなかった。一刻も早く、彼女とたわいもない会話をして、さっきまでの屈辱を洗い流したかった。

「再開します」

 しばらくして男の声が聞こえた。

 ほっとする時間はあっという間に終わって、私に現実が襲いかかってきた。

 ヌードデッサンはまだ終わっていない。

 私はまだまだ全裸を男たちに見せなければならない。

 これは罰だから。
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