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7"ひと夏のあやまち
35.ライダースーツ
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(哀香視点)
「終わったー!!」
悠莉が天高く手を掲げて宣言した。私達はテスト期間っていう束縛から解放されて自由になった。
初めての大学生としての夏休みが明日から始まるのだ。
「ねー哀香。今から皆んなでカラオケ行くんだけど、一緒に行かない?」
悠莉は同じ学部の友達らしき人と数人と和気藹々と話していたけれど、気を使ったのか私に駆け寄ってきて誘ってきた。
「わ、私はいいよ……」
チラッと悠莉のいるグループを見ると、みんな可愛くて活発そうな子ばかりだった。
私は大学での陰キャモードを発動させて彼女の誘いを断った。
「そっか……じゃあ私行くね? 明日の朝、迎えに行くから」
「うん、楽しみにしてる……また明日ね」
私は小さく手を振って悠莉を送り出すと、彼女は友達グループの中に戻っていった。
その光景を見ると、少し複雑な気分になった。
チクリと胸が痛んで、ゾクリと口元が歪みそうになる。
悠莉のあられもない姿がフラッシュバックして、明日の約束に興奮が収まらない。
あの子達は知ってるのだろうか? 悠莉の性癖を……。私だけが知っている……。私達の秘密。
劣等感と優越感を同時に味わって、私は彼女達の姿を見送った。
***
翌日の朝、5時半。
私はすでに身支度を整えて出発の準備を整えていた。
ちょこんと正座して大人しく悠莉の到着を待つ。早くこないかなってムズムズして待ちきれない。
すると遠くから低く重低音のエンジン音が聞こえてきた。やがてすぐ近く、このアパートの前でとまった。
私が急いで部屋を出てアパートの2階から下を見ると、1台のバイクが止まっていた。
真っ黒な大型バイクだった。
跨っているのは人物は、全身黒のライダースーツでフルフェイスのヘルメットを被った黒ずくめの人物。
ぷっくらと少しだけ膨らんだ胸元と、締まったウエスト。スーツが張り付いたそのシルエットだけで性別が分かった。
その女性が上を向くと私の存在に気づいた。
「おはよ、哀香!」
彼女はヘルメットを脱いで、こちらに手を振った。
その瞬間、ふわっとしたショートヘアのくすんだ金髪が風になびいた。
友人の藤崎悠莉だった。
その姿を見てちょっとドキッとしてしまった自分が悔しかったけど、その気持ちを隠して彼女の元へ向かう。
「お、おはよ……悠莉。相変わらず凄いバイクだね。それに、その格好どうしたの?」
「カッコいいでしょ!? 前から欲しかったんだけど買っちゃったの。どうかな?」
「うん、カッコいい! それにエロいね……」
「ふふっ、でしょ?」
彼女がバイクが好きっていうのは前から知っていた。それにバイト代のほとんど全てをバイク関係につぎ込んでいることも聞いていたけど、このライダースーツは初めて見たものだった。
真っ黒なライダースーツは、悠莉の体型を際立たせてぴっちりと張り付き、お尻と胸をキツそうに締め付けていた。
まるでボンテージ衣装のようで変態チック。でも革の質感は高級そうで品がある。
それからスーツを押し上げる2つの突起の形が浮き出ていた……。
「あっ……悠莉、その服の下……」
「気づいた? うん……何もつけてない……」
そう言った悠莉は辺りを見回してから、胸元のジッパーに手を伸ばした。
ゆっくりとジッパーが下げられると、彼女の真っ白な肌が露わになった。
ブラもショーツも何もつけていない剥き出しの肢体はエロティックだった。
「ずるい……」
「……いいでしょ? 気に入っちゃった。哀香も着てみる?」
悠莉は私に見せつけるように、少し腰をくねらせた。
「羨ましいけど。無理だよ……」
そう思った私は彼女の胸元に目線を向けた。
ピンっと勃った乳首と、小ぶりな膨らみ……。
悠莉も私の視線と胸を見て何かに気づいたようだ。
「っ! ……そっかー、無理だよねーそんな下品なおっぱいじゃダメか! 壊されたくないから貸してあげない! この牛乳女」
ハッとした彼女は私の言わんとしてる事を察して、キッとこちらを睨らみながら強がった。
「牛乳女ってルビふらないと、牛乳女って読めるよね……」
「知らない!」
悠莉はプイッと不貞腐れて、一気にファスナーを上まであげた。
「っ!! 痛ぁ……」
悠莉は顔を歪めた。
「え? 大丈夫?」
「……哀香のせいで肉を挟んじゃったじゃん!」
逆ギレだった。
「履いてない悠莉が悪いじゃん……」
「むぅ……うるさい。早く行こ!」
そして悠莉はヘルメットを私に投げつけてきた。
「わっ!ちょっと、投げないでよ」
「それ、あげるから好きに使って」
なんとかキャッチした物体をまじまじと見つめた。白にハートのワンポイントのフルフェイスのヘルメット。
「え? くれるの?」
「うん。哀香がバイク乗るとき使ってよ」
「……え、ありがと。言ってくれれば自分で買ったのに。お金払うよ……いくら?」
こういうのの値段とか分からなかったけど、高そうだから不安になった。
「いいって。こういうのは素直にもらっておくものなの。それに私達……セックスした仲じゃん! 身体で払ってもらったからっ」
「そっか……えへへ。大切にするね! ありがとう!」
私はさっそく貰ったヘルメットを被ると新品のビニールの匂いがした。嬉しくなって悠莉の後ろに跨って腰に手をあてた。
「私、バイク自体初めてで……2人乗りとかもちろん初めて。ちょっと怖い……死なない?」
「大丈夫、死なないから。しっかり掴まってね」
悠莉は私を安心させるように優しい声で囁いた。
私は嬉しくなって悠莉の腰に手を回して、抱きついた。胸を彼女の背中に押し付けて、離れないように固定する。
「じゃあ、お願い!」
出発進行っ! ってカンジでギュッと力を加えた。
なのに、なかなかエンジンはかからなかった。
「……ねぇ、嫌味? やっぱりヘルメット代払ってもらおうかな」
どうやら彼女は私が押し当てた胸の感触が気に入らなかったみたいだ。
「悠莉は気にしすぎだよ。そんなに体型いいのに……」
「哀香には私の気持ちはわかんない!」
ちょっとイラッとした。私は逆に惨めな気分になった。
だから、後ろから手を回してスーツの上から乳首を捻るように摘んでやった。
「きゅぅぅ!? い、いきなり何すんの! やめて!」
「だって、……私だって気にしてるのに」
クリクリと乳首を転がすと、悠莉は腰をくねらせて悶えた。
「あぅ……っ! はぁ……ふぅ……」
あっという間に乳首がどんどん硬くなってスーツの生地を押し上げていく。
「あっ♡」
彼女が恍惚とした喘ぎを漏らした。
私はそこで手を止めた。
「あっ ……え?」
悠莉が残念そうな声を漏らした。
「どうしたの?」
私はわざと意地悪な声で尋ねた。
「い、いや……なんでも……」
悠莉はチラチラとこちらを見て、何か言いたそうにしていた。
だから彼女の耳元で囁くように言ってあげた。
「もっとしてほしいの? それともお終いにする?」
「……いじわる」
「えへへ」
悠莉は乳首が弱すぎることを私は知っていた。
「それ運転中は絶対にやらないでよ!? 死ぬから!」
「……死ぬ時は一緒だよ」
「メンヘラ女みたいな事言わないでっ! 冗談じゃないからね!?」
「分かってるって。……乳首は後で虐めてあげるね」
「……うん」
悠莉は恥ずかしそうに頷いた。彼女のコントロールボタンを握っているみたいで優越感が湧き上がる。とっても敏感でコリコリした、ぽっち。
「じゃあ、出発!」
私があらためて笑顔で進路を指さす。
重低音が響いてエンジンがかけられた。
私達は今日、遠くの海水浴場に向かう約束をしていた。
早起きして、日の出前に集合して、あの日買ったお揃いのマイクロビキニを携えて。
2人を乗せたバイクが、朝日に向かって走り出す。
海へ向けて。
「終わったー!!」
悠莉が天高く手を掲げて宣言した。私達はテスト期間っていう束縛から解放されて自由になった。
初めての大学生としての夏休みが明日から始まるのだ。
「ねー哀香。今から皆んなでカラオケ行くんだけど、一緒に行かない?」
悠莉は同じ学部の友達らしき人と数人と和気藹々と話していたけれど、気を使ったのか私に駆け寄ってきて誘ってきた。
「わ、私はいいよ……」
チラッと悠莉のいるグループを見ると、みんな可愛くて活発そうな子ばかりだった。
私は大学での陰キャモードを発動させて彼女の誘いを断った。
「そっか……じゃあ私行くね? 明日の朝、迎えに行くから」
「うん、楽しみにしてる……また明日ね」
私は小さく手を振って悠莉を送り出すと、彼女は友達グループの中に戻っていった。
その光景を見ると、少し複雑な気分になった。
チクリと胸が痛んで、ゾクリと口元が歪みそうになる。
悠莉のあられもない姿がフラッシュバックして、明日の約束に興奮が収まらない。
あの子達は知ってるのだろうか? 悠莉の性癖を……。私だけが知っている……。私達の秘密。
劣等感と優越感を同時に味わって、私は彼女達の姿を見送った。
***
翌日の朝、5時半。
私はすでに身支度を整えて出発の準備を整えていた。
ちょこんと正座して大人しく悠莉の到着を待つ。早くこないかなってムズムズして待ちきれない。
すると遠くから低く重低音のエンジン音が聞こえてきた。やがてすぐ近く、このアパートの前でとまった。
私が急いで部屋を出てアパートの2階から下を見ると、1台のバイクが止まっていた。
真っ黒な大型バイクだった。
跨っているのは人物は、全身黒のライダースーツでフルフェイスのヘルメットを被った黒ずくめの人物。
ぷっくらと少しだけ膨らんだ胸元と、締まったウエスト。スーツが張り付いたそのシルエットだけで性別が分かった。
その女性が上を向くと私の存在に気づいた。
「おはよ、哀香!」
彼女はヘルメットを脱いで、こちらに手を振った。
その瞬間、ふわっとしたショートヘアのくすんだ金髪が風になびいた。
友人の藤崎悠莉だった。
その姿を見てちょっとドキッとしてしまった自分が悔しかったけど、その気持ちを隠して彼女の元へ向かう。
「お、おはよ……悠莉。相変わらず凄いバイクだね。それに、その格好どうしたの?」
「カッコいいでしょ!? 前から欲しかったんだけど買っちゃったの。どうかな?」
「うん、カッコいい! それにエロいね……」
「ふふっ、でしょ?」
彼女がバイクが好きっていうのは前から知っていた。それにバイト代のほとんど全てをバイク関係につぎ込んでいることも聞いていたけど、このライダースーツは初めて見たものだった。
真っ黒なライダースーツは、悠莉の体型を際立たせてぴっちりと張り付き、お尻と胸をキツそうに締め付けていた。
まるでボンテージ衣装のようで変態チック。でも革の質感は高級そうで品がある。
それからスーツを押し上げる2つの突起の形が浮き出ていた……。
「あっ……悠莉、その服の下……」
「気づいた? うん……何もつけてない……」
そう言った悠莉は辺りを見回してから、胸元のジッパーに手を伸ばした。
ゆっくりとジッパーが下げられると、彼女の真っ白な肌が露わになった。
ブラもショーツも何もつけていない剥き出しの肢体はエロティックだった。
「ずるい……」
「……いいでしょ? 気に入っちゃった。哀香も着てみる?」
悠莉は私に見せつけるように、少し腰をくねらせた。
「羨ましいけど。無理だよ……」
そう思った私は彼女の胸元に目線を向けた。
ピンっと勃った乳首と、小ぶりな膨らみ……。
悠莉も私の視線と胸を見て何かに気づいたようだ。
「っ! ……そっかー、無理だよねーそんな下品なおっぱいじゃダメか! 壊されたくないから貸してあげない! この牛乳女」
ハッとした彼女は私の言わんとしてる事を察して、キッとこちらを睨らみながら強がった。
「牛乳女ってルビふらないと、牛乳女って読めるよね……」
「知らない!」
悠莉はプイッと不貞腐れて、一気にファスナーを上まであげた。
「っ!! 痛ぁ……」
悠莉は顔を歪めた。
「え? 大丈夫?」
「……哀香のせいで肉を挟んじゃったじゃん!」
逆ギレだった。
「履いてない悠莉が悪いじゃん……」
「むぅ……うるさい。早く行こ!」
そして悠莉はヘルメットを私に投げつけてきた。
「わっ!ちょっと、投げないでよ」
「それ、あげるから好きに使って」
なんとかキャッチした物体をまじまじと見つめた。白にハートのワンポイントのフルフェイスのヘルメット。
「え? くれるの?」
「うん。哀香がバイク乗るとき使ってよ」
「……え、ありがと。言ってくれれば自分で買ったのに。お金払うよ……いくら?」
こういうのの値段とか分からなかったけど、高そうだから不安になった。
「いいって。こういうのは素直にもらっておくものなの。それに私達……セックスした仲じゃん! 身体で払ってもらったからっ」
「そっか……えへへ。大切にするね! ありがとう!」
私はさっそく貰ったヘルメットを被ると新品のビニールの匂いがした。嬉しくなって悠莉の後ろに跨って腰に手をあてた。
「私、バイク自体初めてで……2人乗りとかもちろん初めて。ちょっと怖い……死なない?」
「大丈夫、死なないから。しっかり掴まってね」
悠莉は私を安心させるように優しい声で囁いた。
私は嬉しくなって悠莉の腰に手を回して、抱きついた。胸を彼女の背中に押し付けて、離れないように固定する。
「じゃあ、お願い!」
出発進行っ! ってカンジでギュッと力を加えた。
なのに、なかなかエンジンはかからなかった。
「……ねぇ、嫌味? やっぱりヘルメット代払ってもらおうかな」
どうやら彼女は私が押し当てた胸の感触が気に入らなかったみたいだ。
「悠莉は気にしすぎだよ。そんなに体型いいのに……」
「哀香には私の気持ちはわかんない!」
ちょっとイラッとした。私は逆に惨めな気分になった。
だから、後ろから手を回してスーツの上から乳首を捻るように摘んでやった。
「きゅぅぅ!? い、いきなり何すんの! やめて!」
「だって、……私だって気にしてるのに」
クリクリと乳首を転がすと、悠莉は腰をくねらせて悶えた。
「あぅ……っ! はぁ……ふぅ……」
あっという間に乳首がどんどん硬くなってスーツの生地を押し上げていく。
「あっ♡」
彼女が恍惚とした喘ぎを漏らした。
私はそこで手を止めた。
「あっ ……え?」
悠莉が残念そうな声を漏らした。
「どうしたの?」
私はわざと意地悪な声で尋ねた。
「い、いや……なんでも……」
悠莉はチラチラとこちらを見て、何か言いたそうにしていた。
だから彼女の耳元で囁くように言ってあげた。
「もっとしてほしいの? それともお終いにする?」
「……いじわる」
「えへへ」
悠莉は乳首が弱すぎることを私は知っていた。
「それ運転中は絶対にやらないでよ!? 死ぬから!」
「……死ぬ時は一緒だよ」
「メンヘラ女みたいな事言わないでっ! 冗談じゃないからね!?」
「分かってるって。……乳首は後で虐めてあげるね」
「……うん」
悠莉は恥ずかしそうに頷いた。彼女のコントロールボタンを握っているみたいで優越感が湧き上がる。とっても敏感でコリコリした、ぽっち。
「じゃあ、出発!」
私があらためて笑顔で進路を指さす。
重低音が響いてエンジンがかけられた。
私達は今日、遠くの海水浴場に向かう約束をしていた。
早起きして、日の出前に集合して、あの日買ったお揃いのマイクロビキニを携えて。
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