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3”ラッキースケベ?
16.後ろから見る背中
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(悠莉視点)
私は藤崎悠莉。
今日は同じ大学の友人、綾瀬哀香の部屋に朝から遊びにきていた。
午前中は大学の課題を一緒にやったり、手作りの昼ご飯を食べたりしてゆるく過ごしていた。
でも、午後になると私はそわそわして何度も時計を確認するようになった。時間が近づいてくるのを意識してドキドキしてどうしても気持ちが昂る。
そんな私の様子を見て、哀香は首を傾げた。
「……どうしたの? さっきからずっと落ち着きがないけど」
「『どうしたの?』じゃないよ。これから、私達……やるんだよ……あれ」
恥ずかしくてハッキリと言えなかった。これから私達がしようとしているのは、とんでもないことだって自覚はある。緊張しないわけがない。
「露出活動のことね。私もドキドキしてる。でも早く見てもらいたいって気持ちの方が……強いかな」
哀香は自分の身体を抱き締めた。本当にこれからすることを楽しみにしているのだろう、無邪気な姿は大学での印象とかけ離れていた。
清楚で大人しくて、とても真面目で人見知りな女の子だったはず。だけど、それは私が勝手に抱いていたイメージだったらしい。
本当の彼女は、自分の欲望に正直な人間だった。いや、壊してしまったのかもしれない。あのヌードデッサンによって。
「露出活動って……そんなサークル活動みたいに言わないでよ」
さきほどの哀香の包み隠さない言葉に思わずツッコミを入れてしまった。
私はまだ『露出』って言葉を心の中で思い浮かべることすら恥ずかしいのに……。
「サークルかぁ、いいねそれ。なんだか大学生っぽい。新入生歓迎会とか誘われたけど、怖くて行けなかったから……」
そういえば彼女はなんのサークルにも入っていなかった。いつも図書館で勉強しているか、ベンチで本を読んでいるかのどちらかだ。
「あっ! ねぇ、私たちで作ろうよ、露出サークル!」
哀香は目を輝かせながら、とんでもないことを言い出した。
本気なのか冗談なのか分からない声のトーンで困惑する。
「活動目的は、異性に裸を見てもらうことで興奮して健全な性風俗を守る。みたいな?」
「そんなサークル作れるわけないでしょ……誰よりも風紀を乱してるじゃん」
「えーそうかなぁ。『ヌーディズムは海外で認められている文化です』 とかパンフレットを配って『マイノリティを差別しないで!』ってプラカードを掲げたら、意外と許してくれそうじゃない?」
哀香は笑顔で、それっぽいことを言った。確かに海外ではそういうことを訴えている人たちもいるかもしれないけれど、この国じゃ絶対に無理だと思う。
「名前は『露出権利同盟』。新歓のときは裸でビラを配って新入生を勧誘しよう。でね、抗議活動のために全裸で大通りをデモ行進するの。あと、権利が認められるまで服を着ないストライキを実施して機動隊と衝突するの。で、その様子は全国放送されている……ってのはどう?」
「哀香って意外と過激思想の持ち主だよね……」
哀香は一人で盛り上がって、暴走するように妄想を語り出した。一体いつの時代の話だろう。新元号以降に生まれた私たちにとって学生運動なんて言葉は教科書の中の出来事だった。
「もちろん悠莉が同盟の代表で、私が副代表ね。サポートは惜しまないよ!」
「なんで、私が代表なの……矢面に立たせないで」
「嫌だよ。代表とかリーダーなんて、向いてないし……恥ずかしいよ」
そこで哀香は本当に恥ずかしそうに顔を赤らめて、目を伏せた。
「恥ずかしがるところそこなの!?」
私達は和気藹々と冗談を言い合った。彼女が主張したことは、明らかに現実に起こるわけがない絵空事なのは明らかだった。彼女も本気で言ってるわけじゃないだろう。だからクスクスと笑い合えた。
しかし、その空気を変えるようにスマホの通知音がなった。
『荷物が発送されました』と画面の表示が見えた。
「 そろそろ時間だね……?」
哀香の言葉にドキッとした。
冗談めかした雰囲気がガラリと変わった。
もうすぐ荷物が届いてしまう。
今更になって、不安になった。
「本当にやるの?」
「当たり前でしょ、ここまで来て何いってるの」
私の弱気な発言に、彼女は真剣な表情で返した。
そして、彼女は服を脱ぎ始めた。
哀香が白いレースのブラジャーを外すと、形の整ったおっぱいが現れた。ブラが外れた拍子に柔らかそうな乳房が上下にぶるんと乱暴に揺れる。
その膨らみを見ていると、途端に惨めな気持ちになってきた。
自分のものと比べてしまったのだ。
私の何周りも大きい膨らみなのに、垂れることなんてなくて乳首はピンっと上を向いている。
嫉妬の炎が燃え上がった。
「きゅう!?」
哀香が驚愕の声をあげた。
ムカついた私は彼女の胸を揉みしだいて、乳首を摘んでやったのだ。
こんないやらしいおっぱいをしてるのだから当然の報いだと思う。
哀香が痛いと懇願しても私はなかなかやめなかった。彼女のおっぱいを揉んでいるとだんだん楽しくなってきたのだ。
でも、その時は訪れた。
ピンポーン
とチャイムが鳴った。
戯れあっているうちに時間になってしまった。
「あっ、離して!」
哀香は、乳首を摘む私の手を振り解いた。
彼女は焦りながらパンツを脱ぎ捨てて、配達員への応答に向かって行った。
打ち合わせ通り、最初は彼女の番だった。
妄想なんかじゃなくて現実で私達は配達員に裸を見せる。
それが私たちの計画だった。
***
私は部屋の奥に隠れていた。
哀香の部屋は1DKで、玄関と部屋の間には扉がある。だから余計なことをしない限り配達員に私が気づかれることはないはず。
しばらくして哀香と配達員が話す声が聞こえてきた。
「……えっ!」
配達員の男の驚愕する声が漏れ聞こえた。
──ああ、見せたんだ。
と思った。
今、哀香は玄関で全裸を晒している。
このために、対面での受け取りが必要な代引きを選んだのだから。
あの清楚な見た目に合わない巨乳も、私が整えてあげたあそこの毛も全部見せてしまっているのだろう。
それを想像するとゾクゾクとした。
私は目を瞑って、自分の身体を抱き締めた。
哀香はどんな顔をしながら、男の視線を浴びているのだろう……。
背徳感と羨望が混ざりあった変な気持ちになる。
「……」
「……」
「……」
しばらく沈黙の時間が流れた。
一瞬と言うにはあまりにも長すぎる時間。カチリ、カチリと何度も壁掛け時計の秒針が動く音が聞こえた。
「……?」
私は不審に思って、ドアの隙間から玄関を覗いた。
哀香が心配だった。もし興奮した相手が無理やり襲いかかってきたり触ってきそうになったら、私が飛び出して助ける手筈になっていた。
自分から裸を見せておいて、都合がいいことかもしれないけれど……。女2人の防衛手段だ。
でも、それは杞憂だった。
ドアストッパーで開け放たれた玄関には、外の景色と光が入り込んでいた。
そして立ち尽くす配達員の男の姿が見える。男は呆然としていた。
床に落ちたバスタオル、その中心に立つ全裸の哀香。
その豊満な肢体を隠すものは何一つない。
背後から見えるプリッとした生のお尻。男の目には間違いなく、彼女の正面の全てが映っている。
彼女の柔らかく豊満な乳房と乳首、一番恥ずかしい場所まで丸見えにしている。なのに哀香の両腕は上にも下も隠すそぶりを見せない。見せつけているのだ。
「……」
男が沈黙している理由が私にはわかる気がした。哀香の内心はさておき、濡れる彼女の肢体は美しかった。名前も知らない通りすがりの人間に見せるには、あまりにも勿体なく思えて私はなんとも言えない気持ちになった。
「いやぁ!! 見ないでぇ!」
やがてわざとらしい悲鳴をだして、哀香はしゃがみ込んだ。
ハッとして顔を背けた配達員の男は気まずそうにしている。それでも見下ろす視線はチラチラと下にに向かっていた。
おそらく哀香は乳首をチラ見せしているのだ。
「本当にすみませんでしたぁ……」
それから哀香がペコペコと謝ったり、男がしどろもどろになって何か言ったりしていた。
やがて、配達員はあたふたと去って行った。
ドアが閉められて、哀香は廊下にへたり込んでいた。
「んっ……♡」
彼女から漏れ出た声を聞いて、急いで駆け寄った。
私は満足感と不安感で押しつぶされそうだった。
もうすぐ私の荷物が届いてしまう……。
彼女の番は終わって、次は私の番だから。
私は藤崎悠莉。
今日は同じ大学の友人、綾瀬哀香の部屋に朝から遊びにきていた。
午前中は大学の課題を一緒にやったり、手作りの昼ご飯を食べたりしてゆるく過ごしていた。
でも、午後になると私はそわそわして何度も時計を確認するようになった。時間が近づいてくるのを意識してドキドキしてどうしても気持ちが昂る。
そんな私の様子を見て、哀香は首を傾げた。
「……どうしたの? さっきからずっと落ち着きがないけど」
「『どうしたの?』じゃないよ。これから、私達……やるんだよ……あれ」
恥ずかしくてハッキリと言えなかった。これから私達がしようとしているのは、とんでもないことだって自覚はある。緊張しないわけがない。
「露出活動のことね。私もドキドキしてる。でも早く見てもらいたいって気持ちの方が……強いかな」
哀香は自分の身体を抱き締めた。本当にこれからすることを楽しみにしているのだろう、無邪気な姿は大学での印象とかけ離れていた。
清楚で大人しくて、とても真面目で人見知りな女の子だったはず。だけど、それは私が勝手に抱いていたイメージだったらしい。
本当の彼女は、自分の欲望に正直な人間だった。いや、壊してしまったのかもしれない。あのヌードデッサンによって。
「露出活動って……そんなサークル活動みたいに言わないでよ」
さきほどの哀香の包み隠さない言葉に思わずツッコミを入れてしまった。
私はまだ『露出』って言葉を心の中で思い浮かべることすら恥ずかしいのに……。
「サークルかぁ、いいねそれ。なんだか大学生っぽい。新入生歓迎会とか誘われたけど、怖くて行けなかったから……」
そういえば彼女はなんのサークルにも入っていなかった。いつも図書館で勉強しているか、ベンチで本を読んでいるかのどちらかだ。
「あっ! ねぇ、私たちで作ろうよ、露出サークル!」
哀香は目を輝かせながら、とんでもないことを言い出した。
本気なのか冗談なのか分からない声のトーンで困惑する。
「活動目的は、異性に裸を見てもらうことで興奮して健全な性風俗を守る。みたいな?」
「そんなサークル作れるわけないでしょ……誰よりも風紀を乱してるじゃん」
「えーそうかなぁ。『ヌーディズムは海外で認められている文化です』 とかパンフレットを配って『マイノリティを差別しないで!』ってプラカードを掲げたら、意外と許してくれそうじゃない?」
哀香は笑顔で、それっぽいことを言った。確かに海外ではそういうことを訴えている人たちもいるかもしれないけれど、この国じゃ絶対に無理だと思う。
「名前は『露出権利同盟』。新歓のときは裸でビラを配って新入生を勧誘しよう。でね、抗議活動のために全裸で大通りをデモ行進するの。あと、権利が認められるまで服を着ないストライキを実施して機動隊と衝突するの。で、その様子は全国放送されている……ってのはどう?」
「哀香って意外と過激思想の持ち主だよね……」
哀香は一人で盛り上がって、暴走するように妄想を語り出した。一体いつの時代の話だろう。新元号以降に生まれた私たちにとって学生運動なんて言葉は教科書の中の出来事だった。
「もちろん悠莉が同盟の代表で、私が副代表ね。サポートは惜しまないよ!」
「なんで、私が代表なの……矢面に立たせないで」
「嫌だよ。代表とかリーダーなんて、向いてないし……恥ずかしいよ」
そこで哀香は本当に恥ずかしそうに顔を赤らめて、目を伏せた。
「恥ずかしがるところそこなの!?」
私達は和気藹々と冗談を言い合った。彼女が主張したことは、明らかに現実に起こるわけがない絵空事なのは明らかだった。彼女も本気で言ってるわけじゃないだろう。だからクスクスと笑い合えた。
しかし、その空気を変えるようにスマホの通知音がなった。
『荷物が発送されました』と画面の表示が見えた。
「 そろそろ時間だね……?」
哀香の言葉にドキッとした。
冗談めかした雰囲気がガラリと変わった。
もうすぐ荷物が届いてしまう。
今更になって、不安になった。
「本当にやるの?」
「当たり前でしょ、ここまで来て何いってるの」
私の弱気な発言に、彼女は真剣な表情で返した。
そして、彼女は服を脱ぎ始めた。
哀香が白いレースのブラジャーを外すと、形の整ったおっぱいが現れた。ブラが外れた拍子に柔らかそうな乳房が上下にぶるんと乱暴に揺れる。
その膨らみを見ていると、途端に惨めな気持ちになってきた。
自分のものと比べてしまったのだ。
私の何周りも大きい膨らみなのに、垂れることなんてなくて乳首はピンっと上を向いている。
嫉妬の炎が燃え上がった。
「きゅう!?」
哀香が驚愕の声をあげた。
ムカついた私は彼女の胸を揉みしだいて、乳首を摘んでやったのだ。
こんないやらしいおっぱいをしてるのだから当然の報いだと思う。
哀香が痛いと懇願しても私はなかなかやめなかった。彼女のおっぱいを揉んでいるとだんだん楽しくなってきたのだ。
でも、その時は訪れた。
ピンポーン
とチャイムが鳴った。
戯れあっているうちに時間になってしまった。
「あっ、離して!」
哀香は、乳首を摘む私の手を振り解いた。
彼女は焦りながらパンツを脱ぎ捨てて、配達員への応答に向かって行った。
打ち合わせ通り、最初は彼女の番だった。
妄想なんかじゃなくて現実で私達は配達員に裸を見せる。
それが私たちの計画だった。
***
私は部屋の奥に隠れていた。
哀香の部屋は1DKで、玄関と部屋の間には扉がある。だから余計なことをしない限り配達員に私が気づかれることはないはず。
しばらくして哀香と配達員が話す声が聞こえてきた。
「……えっ!」
配達員の男の驚愕する声が漏れ聞こえた。
──ああ、見せたんだ。
と思った。
今、哀香は玄関で全裸を晒している。
このために、対面での受け取りが必要な代引きを選んだのだから。
あの清楚な見た目に合わない巨乳も、私が整えてあげたあそこの毛も全部見せてしまっているのだろう。
それを想像するとゾクゾクとした。
私は目を瞑って、自分の身体を抱き締めた。
哀香はどんな顔をしながら、男の視線を浴びているのだろう……。
背徳感と羨望が混ざりあった変な気持ちになる。
「……」
「……」
「……」
しばらく沈黙の時間が流れた。
一瞬と言うにはあまりにも長すぎる時間。カチリ、カチリと何度も壁掛け時計の秒針が動く音が聞こえた。
「……?」
私は不審に思って、ドアの隙間から玄関を覗いた。
哀香が心配だった。もし興奮した相手が無理やり襲いかかってきたり触ってきそうになったら、私が飛び出して助ける手筈になっていた。
自分から裸を見せておいて、都合がいいことかもしれないけれど……。女2人の防衛手段だ。
でも、それは杞憂だった。
ドアストッパーで開け放たれた玄関には、外の景色と光が入り込んでいた。
そして立ち尽くす配達員の男の姿が見える。男は呆然としていた。
床に落ちたバスタオル、その中心に立つ全裸の哀香。
その豊満な肢体を隠すものは何一つない。
背後から見えるプリッとした生のお尻。男の目には間違いなく、彼女の正面の全てが映っている。
彼女の柔らかく豊満な乳房と乳首、一番恥ずかしい場所まで丸見えにしている。なのに哀香の両腕は上にも下も隠すそぶりを見せない。見せつけているのだ。
「……」
男が沈黙している理由が私にはわかる気がした。哀香の内心はさておき、濡れる彼女の肢体は美しかった。名前も知らない通りすがりの人間に見せるには、あまりにも勿体なく思えて私はなんとも言えない気持ちになった。
「いやぁ!! 見ないでぇ!」
やがてわざとらしい悲鳴をだして、哀香はしゃがみ込んだ。
ハッとして顔を背けた配達員の男は気まずそうにしている。それでも見下ろす視線はチラチラと下にに向かっていた。
おそらく哀香は乳首をチラ見せしているのだ。
「本当にすみませんでしたぁ……」
それから哀香がペコペコと謝ったり、男がしどろもどろになって何か言ったりしていた。
やがて、配達員はあたふたと去って行った。
ドアが閉められて、哀香は廊下にへたり込んでいた。
「んっ……♡」
彼女から漏れ出た声を聞いて、急いで駆け寄った。
私は満足感と不安感で押しつぶされそうだった。
もうすぐ私の荷物が届いてしまう……。
彼女の番は終わって、次は私の番だから。
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お読みいただき、ありがとうございます!少しでもエッチだと思っていただけましたら、お気に入り&感想などよろしくお願いいたします!
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