みせたいふたり〜変態美少女痴女大生2人の破滅への幸せな全裸露出〜

冷夏レイ

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3”ラッキースケベ?

15.玄関先で全裸

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(哀香視点) 

 バスタオルが床に落ちた。

「え! あっ!」

 配達員さんが驚いて息を漏らした。その瞳は驚愕に染まって私へと向けられている。

「どうしたんですか?」

 とぼけた声で答えた。かわいこぶって首を傾げることも忘れない。

 床で半円を描く布切れ。さっきまで私の身体に巻かれていたバスタオルは居場所を失って足元に落ちている。

 私が意図的に落としたのだ。

 ペンを返す時、バスタオルの内側に織り込んだ部分をさりげなく解くと、布はあっさりと私の身体を滑り落ちた。

 彼は驚いて口をぱくぱくさせている。

「あの? 何か?」

「み、見えてます……」

 彼は絞り出すように声をだした。

「え? ……何がですか?」

「タ、タオル……」

「へ?」



 それから私は何が起こったのか分からないふりをしながら、配達員さんの視線を追うように自分の身体を見下ろした。

 乳房の膨らみとぷっくらと勃っている先端が視界に映った。吹き込んできた外の空気が、肌を撫で、恥丘の陰毛を優しくなびかせた。

 床に落ちたバスタオル。

「……」
「……」

 玄関先を沈黙の間が支配した。

 私は自分の裸をいっさい隠さず、棒立ちで全てをさらけ出していた。

 それは『突然のことで何が起こったか分からず、困惑して隠すのを忘れている女の子』の演技だった。

 これが私の考えた裸を見てもらう方法。

 私は彼が口を開くまで全裸を晒し続ける覚悟をしていた。玄関先で全裸の私と彼が向き合う時間がゆっくりと流れた。彼は言葉を口にしていいのか口篭っている。

「あ、え……」

 時が止まったかのような時間は、配達員さんの絞り出すような声で破られた。

 その声に反応した私は、

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 と悲鳴を上げた。

 我ながら、わざとらしい大根役者だったと思う。

 そして私は右手で右胸を、左手で左胸を覆って、両方の乳首を隠した。すると彼の視線は下に自然と移動して、私の脚の付け根の部分にへと注がれる。

 私の一番恥ずかしい部分へと彼の視線が突き刺さった。

 アソコが嬉しそうにピクッと反応した。

 ──あ♡ やったぁ、見てもらえた。

 計画通りに事が進んで心の中でニヤけた。

 あえて両手で胸だけを隠したのは、彼の視線を誘導するためだったのだ。

 彼がまじまじと恥部を見たのを確認して、また声をあげた。

「あ、嫌っ!」

 彼の視線が向けられた場所を察した演技をして、反射的なふりをして股間を両手で隠す。

 ぷるんと乳房が揺れた。

 すると男性の視線が下から上に戻って、私の膨らみへと向けられる。

 ──おっぱいも見て!

 先端の突起も喜んでぷくっと角度を上げる。配達員さんの目線が私の乳首に突き刺さった。

「あっ、あっ、ダメ、ダメ!」

 すかさず股間を覆っていた両手を離して、乳首を覆う。すると彼の視線は乳首から股間に移動する。

 デッドロック状態に陥ったように、乳首を隠しては恥部を晒す、恥部を隠して乳首を晒す。これを何度か繰り返した。

 これは『乳首を隠そうとすると、秘所が隠せず。秘所を隠そうとすると、乳首を隠せない。』そんな間抜けな二律背反だった。間抜けで神様を冒涜する演技。

「いやぁ! み、見ないでください!」

 そしてついに、とってつけた大声を上げて玄関先でしゃがみ込みこんだ。タオルを拾い上げて抱き止める。

 初めからこうするべきなのは明らかだった。

「……あ、いや! す、すみません」

 私に視線を操られていた配達員さんはハッとした様子で我に返ると、気まずそうに目を逸らして謝った。

 そこで私は不安そうな顔を作って、配達員さんを上目遣いで媚びるように見つめる。

「あのあのぅ……み、見ました?」

 同性から見たら一発でバレるような下手くそな演技だけれど、今の状況なら通用すると思った。

「え? はい……いえ! 見てません!」

 配達員さんは慌てて見え透いた嘘をついた。

「……本当ですか? 胸とか……見えませんでした?」

「だ、大丈夫でした……えっと、逆光だったし……それに……一瞬のことで、何も見えまてんでした……」

 彼はしどろもどろになりながら嘘を重ねた。

 ──嘘つき。あんなに見てくれたのに……。

「……じゃあ、本当に見てないんですね?」

 私はバスタオルを抱き止めながら、ほっと胸を撫で下ろした。そのとき、あえて左の乳首をスキマから覗かせる。

「あ……はいっ! 絶対に見てないです!」

 配達員さんは背筋を伸ばして真剣な表情で答えた。私も表面上はホッと胸を撫で下ろした演技をする。

「……よかった。見られてなくて」

 ──嘘つき。今も私の左乳首を見てくれてるのに……。

 この場の何もかもが嘘だった。

「……」
「……」

 お互いに黙り込んでしまった。

 そこで私は口を開く。

「……ごめんなさい、こんな格好で出た私が悪いのに……不快な思いをさせてしまいました……」

 配達員さんに無用な罪悪感を与えないために、こちらから謝ると決めていた。

「いや、そんな気にしないで下さい!」

「でも……こんな恥ずかしい事……ほんとすみません。嫌な思いをさせてしまいましたよね……?」

「そんなことないです!胸も大きいしピンク色で綺麗でした!」

「え? 見てないんじゃ……ピンク? なんの色ですか……?」

「いや! えっと、その……それじゃあ、僕はこれで失礼します! お届け物はこちらに置いておきますので!」

「あ、はい。ありがとうございます」

「こ、こちらこそ。ありがとうございました!」

 配達員さんは会話を打ち切るように言うと、持ってきたダンボールを玄関に置いた。

 そして彼は逃げるようにして帰って行った。

 玄関のドアが閉められた。

 嵐のような時間だった。

「ふぅ……」

 緊張の糸が切れたように息を吐いてその場に座り込んだ。

 心臓はまだバクバクしていた。

 ──ありがとうって言ってくれた。喜んでくれたんだ私の裸を見て……。

「……どうだった?」

 裸で座り込む私に声がかけられた。

 今まで部屋の奥で私を見守っていた悠莉が現れたのだ。

「成功しちゃった。私の裸……見られちゃった。見せちゃった!」

 興奮気味で悠莉に抱きついた。

「う、うん」

 私を抱き止めた彼女はドン引きしたように引きつった声を上げた。

 まるで見ず知らずの他人に、通り魔的に裸を見せる露出狂でも目の前にいるかのよう……。

 私とは違う人種だとでも言いたげな態度に見えた。しかし今回のことは悠莉と2人で話し合った『見てもらう計画』通りのこと。

 彼女も共犯だ。

 ラッキースケベなんて都合のいいこと現実ではそうそう起こらない。

 でも、マジックショーで演者の中に協力者がいれば、いとも簡単にタネを仕込めるように、現実は演出することができる。

 計画は予想以上に上手くいって、私は裸を見てもらえた。

 未来は自分の力で掴み取るものなのだ。

 満足感と達成感で嬉しくなった。

 だから私は同類に笑いかける。

「次は悠莉の番だよ」

 彼女の荷物もこれから届くのだから……。
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