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1”恥辱のヌードモデル
09.2人で一緒にヌードモデル
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(哀香視点)
「じゃあ行く……?」
私は教室の扉の前で、悠莉に話しかけた。
「う、うん」
彼女は全裸で頷いた。
ヌードデッサンの途中で、彼女はシーツ1枚も持たずに抜け出してきてしまっていた。寒かったら私の上着を貸そうと思ったけれど、意味のないことだからやめた。再び彼女は裸を見られるのだ。
ガラガラと扉を開けると、部屋中の視線が悠莉と私に集まった。
「ごめんなさい、急に出て行っちゃって……」
悠莉はペコリとお辞儀をして謝った。
全裸でおじさん達に頭を下げる姿は、事情を知らない人が見たら、違和感を覚えるに違いない。悠莉は間違いなく、美人の部類に入っている。そんな彼女の全裸を見ているのだから、本来なら彼らの方が土下座してお願いしなくちゃいけない立場のはずなのだ。
「どうしたんだい? 急に飛び出したりして……せっかく皆さん集中して描いてたのに」
悠莉の叔父さんが声をかけた。
「えっと、私、恥ずかしくて……」
彼女は俯いた。私は自分と彼女を重ねて共感した。
それは嘘ではないのだろう。でも、真実ではない。それは見え透いた演技だった。
──分かるよ。恥ずかしいけど、興奮するんだよね?
「ん? なんで?」
彼女の叔父さんが尋ねた。
「え、だって、こんな大勢の前で裸なんて恥ずかしくて。それに、みんな私の身体ばっかり見てくるし……」
悠莉は俯きがちで少なくとも表面上は塩らしい態度で申し訳なさそうにしている。恥じらうように控えめに乳首と恥部を隠していた。
「そりゃあ見るよ。悠莉ちゃんみたいな可愛い子の裸なんだもん。仕方ないよ」
別の中年男性が声をかける。
「そ、そうかな……でも……あんまりジロジロ見ないで……」
悠莉は、わざとらしく照れ臭く言って、乳首から手をそっと外した。
彼女の態度は同性から見たら、白々しくて、あざとくて、女同士なら一発でわかる媚の売り方だった。
おずおずと乳首を晒したとき、部屋中の視線が彼女の突起に集まるのが分かった。
それが、羨ましかった。
──ずるい。自分だけ乳首みてもらって……。
すぐ隣にいた私は気づく、悠莉の乳首がピクッと動いたことを。乳首を見られて喜んでいるのだ。
「では、元の場所に戻ってください」
「う、うん」
講師の男性が相変わらず淡々とした口調で場を静めた。
私は彼女の背中を押して促すと、彼女は生のお尻を振りながら駆けて行く。小走りでキャンパスに囲まれた定位置に戻って、直前までしていたエッチなポーズをとった。
その姿を見て私の我慢は限界に達した。
私は数時間前からずっと我慢していた。もう我慢は限界だった。
だから私は教室の中が静まり返ったタイミングで口を開く。
「あ、あの……私も一緒にやってもいいでしょうか」
「はい?」
講師の男が無機質ながらも驚きの声を漏らした。
教室の視線が私に集まる。
「えっと、私と一緒だったら彼女も緊張しないんじゃないかって……」
身体の前で手を組んでモジモジしながら、思い切って打ち明けた。
悠莉は何も言わない。すでに打ち合わせ済みだったのだ。
──私も一緒にヌードモデルやっていい?
先ほどトイレで聞くと、彼女は同意してくれた。
「急に言われても、報酬とかありますし」
「いえ、あのお金はいらないです……やらせて下さい」
最初の時とは違う、本心から脱ぎたいという気持ちを込めて私は頭を下げた。
すると講師の男性はめんどくさそうに、頭をかいてからチラリと別なところを見る。このアトリエの支配人である悠莉の叔父さんにお伺いを立てる目線だ。
「僕は全然構わないよ。皆さんも問題ないですよね?」
彼はあきらかにニヤけた顔で言った。周りの人たちからも同意する声がぷつぷつと湧き上がる。
「じゃあ……いいですよ」
男性は場の空気を察して諦めたようだ。
「では、更衣室で服を──」
「あ、ここで大丈夫です……」
講師の人が言いかけたことを遮るように、私は声を発した。
おもむろに上着を脱ぐ。
彼に反論と止める間を与えないよう即座に行動に移さなくてはならない。
ブラウスのボタンに指をかけて、上から順番に外していく。前を開いてブラジャーに包まれた乳房を見せ、ホックを外して即座にスカートを落として、白いショーツを見せた。ブラウス乱雑に床に落として、腕を後ろに回してホックに手をかける。パチンと小さく音をさせて、ブラをあっさりと剥ぎ取ると、コンプレックスだったはずの肉の塊がこぼれ落ちた。先端の突起を上下させるように、わざと勢いをつけて弾ませると予想よりぶるんぶるんと暴れてしまって焦る。見せつけたことがバレなかったかドキドキ。
──また私のおっぱい見てもらっちゃった!
「……っ♡」
嬉しくて少しだけ声が漏れてしまった。
第一クエストをクリアしたような満足感で、そのままショーツに手をかけて一切の躊躇いなくあっさり下ろした。我ながら流れるような動作だったと思う。
私の一番恥ずかしい場所まで露わになると、待ってましたとばかりに股間がきゅん♡きゅん♡と締まって喜んだ。
──大勢の前で自分から脱いじゃった!
早く脱ぎたくて待ちきれなかったから嬉しくてたまらない。
見せちゃってる。
見てもらえてる。
もっと見て……。
大勢に見て欲しかった。
私の胸も乳首も……お尻も……アソコも……。
だから、じっくりと見てもらえるように、最後まで残しておいたハイソックスだけは時間をかけてゆっくりと焦らすように脱ぐことにした。周りをキョロキョロして、空いている椅子を探した。やがて、めぼしい席を見つけた。
「あの、この椅子空いてますか……?」
「え? ああ……」
近くにいた年配の男性が戸惑いつつも椅子を差し出してくれた。彼の視線が明らかに私の体を上から下に舐めた。
椅子に座ってわざと足を上げて、剥き出しの股間を見せつけるようにソックスを脱ぐ。
するすると布が擦れる音さえも響く空間が心地よかった。
それだけ私に注目が集まっているという証拠だから。
「脱ぎました」
床に脱ぎ捨てた服を集めて、丁寧に畳んで椅子の上に置いて私は報告した。
気をつけの姿勢で指示を待つ、間抜けな指示待ち人間。
「では、こちらへ」
男性が指し示した場所にペタペタと歩いていく。台に近づくと悠莉が場所を空けてくれた。
自然と私も彼女の隣で同じ姿勢をとる。
……この姿勢。真後ろからは、見せちゃいけないところまで丸見えになっているだろう。
乳房を強調すると視線が集まるのがわかった。コンプレックスだったはずの下品な乳房だけど、今は見て欲しくて仕方なかった。
「君、おっぱい大きいよねぇ。何カップ?」
悠莉の叔父さんが馴れ馴れしく話しかけてきた。
「あ、Fです。……でも最近またちょっとキツくなってきちゃってて」
「そうなんだ。じゃあGなの? すごいねえ」
「そうなんですよー。困っちゃいますよー」
私は困ったように胸を持ち上げて、にこやかに返答してみせる。テヘ♪って感じで冗談ぽっくおっぱいを揺すってみせた。
──あっ、乳首も見て!
乳首を上下に振ってみた。
すると舐め回すような視線を感じた。
彼は、私たちの胸を見比べて比べてニチャァと口を開く。
「悠莉ちゃんはどう思う?」
「どうってなんだよ……」
悠莉は面倒臭そうに答えた。
「やっぱりさ、大きさより形だよねぇ。それとも羨ましい?」
「別に……関係ないし」
「まあ、そうだよね。悠莉ちゃんの乳首は可愛いもんね」
「っ、うるさい……」
やっぱりこのおじさん……。
今日、彼女のヌードデッサンを見ていたときも感じていた。
言葉で悠莉の反応を見て楽しんでいる……。それを見ていると何故だかムズムズとしてくる。
「私の乳首は……可愛くないですか?」
自分でもこんなこと聞くなんて、あからさまにマヌケだと思ったけれど、この場の雰囲気が許してくれる気がした。
彼は私の質問に一瞬、目を丸くしたけれどすぐにニヤリと笑った。
「僕は哀香ちゃんの乳首も可愛いと思うよ」
「あ、ありがとうございます」
お礼を言われたら顔が熱くなった。たいして親しくもない人に自分の乳首の感想を求めてしまった。
「でも、哀香ちゃんの乳首の方がちょっと色が濃いかな」
「そ、そうですか……」
「うん。あと、形がちょっぴり尖ってると思うし、乳輪も少し大きいよね」
「……はい」
想像よりもレビューされて、思わず人見知り発動。
「あと、先週も思ったけど下の毛、ちょっと剛毛気味だよ。クリニック紹介してあげようか?」
「あ、やっぱりそうなんですね……。脱毛ちょっと興味あります……」
「じゃあ今度教えてあげるね。連絡先交換しようねー」
「あ、はい」
友達のおじさんにこんなこと思うのは失礼なのは承知しているけれど……この人本当に気持ち悪い。
でもそんな人でも、まじまじと私の乳首とかアソコを見てくれてると思うと無性にゾクゾクしてくる。
「馴れ馴れしく哀香に話しかけるな」
ムッとした悠莉が私たちの会話に割り込んできた。
「哀香ちゃんのおっぱい褒めたから嫉妬してるの?」
「う、うるさい!」
「僕は悠莉ちゃんの乳首もすきだけどなぁ。すっぽりと手のひらに収まりそうなのがいいよね。手ブラになってあげようか?」
「……キモっ。死ね!」
悠莉が語気を強めて睨んだけれど、彼にはなにも響いていない様子だった。
「でも、僕の意見だけじゃ偏りがあるからねぇ。皆さんにも聞いてみようか?」
「え?」 「は?」
突然の提案に、私と悠莉は驚き交じりで疑問の声を上げた。
「哀香ちゃんの乳首がいい人は、右手を。悠莉ちゃんの乳首がいい方は左手をあげて下さい」
それは、あまりにもわざとらしい大人のお遊戯会だった。
部屋中の視線が私達の乳首に集中する。
大勢の目線が左右に交差した。私と悠莉の乳首を見比べる視線。
そして部屋中の手が上がった。
その手を数えて、私は横にいる悠莉を見やる。
「私の勝ちだね……」
「っ……」
彼女は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
2人してシーツの上で全裸を晒して、おじさん達が手を上げる光景。まるで売り物のように、オークションにでもかけられている気分だった。
どうしようもなく興奮した。
もっと見て! 私の裸! もっともっと♡
高潔な精神とは真逆の不潔な欲望。
たぶん……私は変態なのだろう。
このままだったらいつの日か、取り返しのつかない罰を受ける時が来るのかもしれない。
「……んっ♡」
横から声が漏れ聞こえた。
自分じゃないその声を聞いて嬉しくてたまらない。
私だけじゃなくて、変態は2人いる。
──受ける罰は気持ちいいといいなぁ。
たとえ何が待っているとしても……1人じゃないから何も怖くない。
***
それから。
ヌードデッサンはつつがなく終わった。
私たち2人はいろんな恥ずかしいポーズを取らされて裸を見てもらった。
片付けでガヤガヤとする教室で悠莉の叔父さんに話しかけられた。
「またお願いね。何かあったらなんでも相談してね」
その視線は私たちのいやらしい部分に向いていて、遠慮なく恥部を見下ろしていた。
「あ、はい……」
軽くだけ答えて背を向けてその場を去る。彼に向けたお尻にも視線を感じる。私はお尻をフリフリしながら教室から出ていった。
更衣室に服を持っていって悠莉と一緒に着替えることにした。
「……」
「……」
服を着る私たちはなぜか無言だった。
着替え終わって2人で手を繋いで帰路に着く。
「ねぇ、この後……哀香の部屋に行っていい?」
駅までの道を歩いていると彼女が聞いてきた。
「え……」
「なに、いやなの?」
「いや、そういうわけじゃないけど……」
私達はこれからのことを話し合わなくちゃいけない。なんなら私の方から彼女にこれからの話し合いを提案していた。
でも、私は一刻も早く部屋に帰りたくて仕方なかった。だってあんな恥ずかしい経験をしたのだ……1人になりたかった。
1人になって……したかった。湧き上がる欲情に身を委ねて発散したかった。
私は恥ずかしくて、言葉に詰まる。
「……ふーん。私のは見たくせに」
悠莉が口を尖らせて私の心を見透かした。
早く部屋に戻って、自分を慰めたいことがバレてしまった。その衝動に支配されていた。
「じゃあ、見る? それでおあいこでしょ?」
「いや、そういう意味じゃ……」
冗談まじりで彼女に言ってからふと思った。
友達に自分のオナニーを見られるなんてどれだけ『恥ずかしい』のだろう?
悠莉は私に見られたときどんな気持ちだったのだろう?
──体験したいその気持ち……。
きゅん♡っと、気づきは疼きとなって私の股間を刺激した。
私は悠莉の手を握った。
そして、手を引っ張って走り出す。彼女と一緒ならどこまでも行ける気がしていつの間にか全力ダッシュになっていた。
黄昏の夕暮れに向かってジャンプする。
これから私達の露出ライフが始まるのだ!!
「じゃあ行く……?」
私は教室の扉の前で、悠莉に話しかけた。
「う、うん」
彼女は全裸で頷いた。
ヌードデッサンの途中で、彼女はシーツ1枚も持たずに抜け出してきてしまっていた。寒かったら私の上着を貸そうと思ったけれど、意味のないことだからやめた。再び彼女は裸を見られるのだ。
ガラガラと扉を開けると、部屋中の視線が悠莉と私に集まった。
「ごめんなさい、急に出て行っちゃって……」
悠莉はペコリとお辞儀をして謝った。
全裸でおじさん達に頭を下げる姿は、事情を知らない人が見たら、違和感を覚えるに違いない。悠莉は間違いなく、美人の部類に入っている。そんな彼女の全裸を見ているのだから、本来なら彼らの方が土下座してお願いしなくちゃいけない立場のはずなのだ。
「どうしたんだい? 急に飛び出したりして……せっかく皆さん集中して描いてたのに」
悠莉の叔父さんが声をかけた。
「えっと、私、恥ずかしくて……」
彼女は俯いた。私は自分と彼女を重ねて共感した。
それは嘘ではないのだろう。でも、真実ではない。それは見え透いた演技だった。
──分かるよ。恥ずかしいけど、興奮するんだよね?
「ん? なんで?」
彼女の叔父さんが尋ねた。
「え、だって、こんな大勢の前で裸なんて恥ずかしくて。それに、みんな私の身体ばっかり見てくるし……」
悠莉は俯きがちで少なくとも表面上は塩らしい態度で申し訳なさそうにしている。恥じらうように控えめに乳首と恥部を隠していた。
「そりゃあ見るよ。悠莉ちゃんみたいな可愛い子の裸なんだもん。仕方ないよ」
別の中年男性が声をかける。
「そ、そうかな……でも……あんまりジロジロ見ないで……」
悠莉は、わざとらしく照れ臭く言って、乳首から手をそっと外した。
彼女の態度は同性から見たら、白々しくて、あざとくて、女同士なら一発でわかる媚の売り方だった。
おずおずと乳首を晒したとき、部屋中の視線が彼女の突起に集まるのが分かった。
それが、羨ましかった。
──ずるい。自分だけ乳首みてもらって……。
すぐ隣にいた私は気づく、悠莉の乳首がピクッと動いたことを。乳首を見られて喜んでいるのだ。
「では、元の場所に戻ってください」
「う、うん」
講師の男性が相変わらず淡々とした口調で場を静めた。
私は彼女の背中を押して促すと、彼女は生のお尻を振りながら駆けて行く。小走りでキャンパスに囲まれた定位置に戻って、直前までしていたエッチなポーズをとった。
その姿を見て私の我慢は限界に達した。
私は数時間前からずっと我慢していた。もう我慢は限界だった。
だから私は教室の中が静まり返ったタイミングで口を開く。
「あ、あの……私も一緒にやってもいいでしょうか」
「はい?」
講師の男が無機質ながらも驚きの声を漏らした。
教室の視線が私に集まる。
「えっと、私と一緒だったら彼女も緊張しないんじゃないかって……」
身体の前で手を組んでモジモジしながら、思い切って打ち明けた。
悠莉は何も言わない。すでに打ち合わせ済みだったのだ。
──私も一緒にヌードモデルやっていい?
先ほどトイレで聞くと、彼女は同意してくれた。
「急に言われても、報酬とかありますし」
「いえ、あのお金はいらないです……やらせて下さい」
最初の時とは違う、本心から脱ぎたいという気持ちを込めて私は頭を下げた。
すると講師の男性はめんどくさそうに、頭をかいてからチラリと別なところを見る。このアトリエの支配人である悠莉の叔父さんにお伺いを立てる目線だ。
「僕は全然構わないよ。皆さんも問題ないですよね?」
彼はあきらかにニヤけた顔で言った。周りの人たちからも同意する声がぷつぷつと湧き上がる。
「じゃあ……いいですよ」
男性は場の空気を察して諦めたようだ。
「では、更衣室で服を──」
「あ、ここで大丈夫です……」
講師の人が言いかけたことを遮るように、私は声を発した。
おもむろに上着を脱ぐ。
彼に反論と止める間を与えないよう即座に行動に移さなくてはならない。
ブラウスのボタンに指をかけて、上から順番に外していく。前を開いてブラジャーに包まれた乳房を見せ、ホックを外して即座にスカートを落として、白いショーツを見せた。ブラウス乱雑に床に落として、腕を後ろに回してホックに手をかける。パチンと小さく音をさせて、ブラをあっさりと剥ぎ取ると、コンプレックスだったはずの肉の塊がこぼれ落ちた。先端の突起を上下させるように、わざと勢いをつけて弾ませると予想よりぶるんぶるんと暴れてしまって焦る。見せつけたことがバレなかったかドキドキ。
──また私のおっぱい見てもらっちゃった!
「……っ♡」
嬉しくて少しだけ声が漏れてしまった。
第一クエストをクリアしたような満足感で、そのままショーツに手をかけて一切の躊躇いなくあっさり下ろした。我ながら流れるような動作だったと思う。
私の一番恥ずかしい場所まで露わになると、待ってましたとばかりに股間がきゅん♡きゅん♡と締まって喜んだ。
──大勢の前で自分から脱いじゃった!
早く脱ぎたくて待ちきれなかったから嬉しくてたまらない。
見せちゃってる。
見てもらえてる。
もっと見て……。
大勢に見て欲しかった。
私の胸も乳首も……お尻も……アソコも……。
だから、じっくりと見てもらえるように、最後まで残しておいたハイソックスだけは時間をかけてゆっくりと焦らすように脱ぐことにした。周りをキョロキョロして、空いている椅子を探した。やがて、めぼしい席を見つけた。
「あの、この椅子空いてますか……?」
「え? ああ……」
近くにいた年配の男性が戸惑いつつも椅子を差し出してくれた。彼の視線が明らかに私の体を上から下に舐めた。
椅子に座ってわざと足を上げて、剥き出しの股間を見せつけるようにソックスを脱ぐ。
するすると布が擦れる音さえも響く空間が心地よかった。
それだけ私に注目が集まっているという証拠だから。
「脱ぎました」
床に脱ぎ捨てた服を集めて、丁寧に畳んで椅子の上に置いて私は報告した。
気をつけの姿勢で指示を待つ、間抜けな指示待ち人間。
「では、こちらへ」
男性が指し示した場所にペタペタと歩いていく。台に近づくと悠莉が場所を空けてくれた。
自然と私も彼女の隣で同じ姿勢をとる。
……この姿勢。真後ろからは、見せちゃいけないところまで丸見えになっているだろう。
乳房を強調すると視線が集まるのがわかった。コンプレックスだったはずの下品な乳房だけど、今は見て欲しくて仕方なかった。
「君、おっぱい大きいよねぇ。何カップ?」
悠莉の叔父さんが馴れ馴れしく話しかけてきた。
「あ、Fです。……でも最近またちょっとキツくなってきちゃってて」
「そうなんだ。じゃあGなの? すごいねえ」
「そうなんですよー。困っちゃいますよー」
私は困ったように胸を持ち上げて、にこやかに返答してみせる。テヘ♪って感じで冗談ぽっくおっぱいを揺すってみせた。
──あっ、乳首も見て!
乳首を上下に振ってみた。
すると舐め回すような視線を感じた。
彼は、私たちの胸を見比べて比べてニチャァと口を開く。
「悠莉ちゃんはどう思う?」
「どうってなんだよ……」
悠莉は面倒臭そうに答えた。
「やっぱりさ、大きさより形だよねぇ。それとも羨ましい?」
「別に……関係ないし」
「まあ、そうだよね。悠莉ちゃんの乳首は可愛いもんね」
「っ、うるさい……」
やっぱりこのおじさん……。
今日、彼女のヌードデッサンを見ていたときも感じていた。
言葉で悠莉の反応を見て楽しんでいる……。それを見ていると何故だかムズムズとしてくる。
「私の乳首は……可愛くないですか?」
自分でもこんなこと聞くなんて、あからさまにマヌケだと思ったけれど、この場の雰囲気が許してくれる気がした。
彼は私の質問に一瞬、目を丸くしたけれどすぐにニヤリと笑った。
「僕は哀香ちゃんの乳首も可愛いと思うよ」
「あ、ありがとうございます」
お礼を言われたら顔が熱くなった。たいして親しくもない人に自分の乳首の感想を求めてしまった。
「でも、哀香ちゃんの乳首の方がちょっと色が濃いかな」
「そ、そうですか……」
「うん。あと、形がちょっぴり尖ってると思うし、乳輪も少し大きいよね」
「……はい」
想像よりもレビューされて、思わず人見知り発動。
「あと、先週も思ったけど下の毛、ちょっと剛毛気味だよ。クリニック紹介してあげようか?」
「あ、やっぱりそうなんですね……。脱毛ちょっと興味あります……」
「じゃあ今度教えてあげるね。連絡先交換しようねー」
「あ、はい」
友達のおじさんにこんなこと思うのは失礼なのは承知しているけれど……この人本当に気持ち悪い。
でもそんな人でも、まじまじと私の乳首とかアソコを見てくれてると思うと無性にゾクゾクしてくる。
「馴れ馴れしく哀香に話しかけるな」
ムッとした悠莉が私たちの会話に割り込んできた。
「哀香ちゃんのおっぱい褒めたから嫉妬してるの?」
「う、うるさい!」
「僕は悠莉ちゃんの乳首もすきだけどなぁ。すっぽりと手のひらに収まりそうなのがいいよね。手ブラになってあげようか?」
「……キモっ。死ね!」
悠莉が語気を強めて睨んだけれど、彼にはなにも響いていない様子だった。
「でも、僕の意見だけじゃ偏りがあるからねぇ。皆さんにも聞いてみようか?」
「え?」 「は?」
突然の提案に、私と悠莉は驚き交じりで疑問の声を上げた。
「哀香ちゃんの乳首がいい人は、右手を。悠莉ちゃんの乳首がいい方は左手をあげて下さい」
それは、あまりにもわざとらしい大人のお遊戯会だった。
部屋中の視線が私達の乳首に集中する。
大勢の目線が左右に交差した。私と悠莉の乳首を見比べる視線。
そして部屋中の手が上がった。
その手を数えて、私は横にいる悠莉を見やる。
「私の勝ちだね……」
「っ……」
彼女は顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。
2人してシーツの上で全裸を晒して、おじさん達が手を上げる光景。まるで売り物のように、オークションにでもかけられている気分だった。
どうしようもなく興奮した。
もっと見て! 私の裸! もっともっと♡
高潔な精神とは真逆の不潔な欲望。
たぶん……私は変態なのだろう。
このままだったらいつの日か、取り返しのつかない罰を受ける時が来るのかもしれない。
「……んっ♡」
横から声が漏れ聞こえた。
自分じゃないその声を聞いて嬉しくてたまらない。
私だけじゃなくて、変態は2人いる。
──受ける罰は気持ちいいといいなぁ。
たとえ何が待っているとしても……1人じゃないから何も怖くない。
***
それから。
ヌードデッサンはつつがなく終わった。
私たち2人はいろんな恥ずかしいポーズを取らされて裸を見てもらった。
片付けでガヤガヤとする教室で悠莉の叔父さんに話しかけられた。
「またお願いね。何かあったらなんでも相談してね」
その視線は私たちのいやらしい部分に向いていて、遠慮なく恥部を見下ろしていた。
「あ、はい……」
軽くだけ答えて背を向けてその場を去る。彼に向けたお尻にも視線を感じる。私はお尻をフリフリしながら教室から出ていった。
更衣室に服を持っていって悠莉と一緒に着替えることにした。
「……」
「……」
服を着る私たちはなぜか無言だった。
着替え終わって2人で手を繋いで帰路に着く。
「ねぇ、この後……哀香の部屋に行っていい?」
駅までの道を歩いていると彼女が聞いてきた。
「え……」
「なに、いやなの?」
「いや、そういうわけじゃないけど……」
私達はこれからのことを話し合わなくちゃいけない。なんなら私の方から彼女にこれからの話し合いを提案していた。
でも、私は一刻も早く部屋に帰りたくて仕方なかった。だってあんな恥ずかしい経験をしたのだ……1人になりたかった。
1人になって……したかった。湧き上がる欲情に身を委ねて発散したかった。
私は恥ずかしくて、言葉に詰まる。
「……ふーん。私のは見たくせに」
悠莉が口を尖らせて私の心を見透かした。
早く部屋に戻って、自分を慰めたいことがバレてしまった。その衝動に支配されていた。
「じゃあ、見る? それでおあいこでしょ?」
「いや、そういう意味じゃ……」
冗談まじりで彼女に言ってからふと思った。
友達に自分のオナニーを見られるなんてどれだけ『恥ずかしい』のだろう?
悠莉は私に見られたときどんな気持ちだったのだろう?
──体験したいその気持ち……。
きゅん♡っと、気づきは疼きとなって私の股間を刺激した。
私は悠莉の手を握った。
そして、手を引っ張って走り出す。彼女と一緒ならどこまでも行ける気がしていつの間にか全力ダッシュになっていた。
黄昏の夕暮れに向かってジャンプする。
これから私達の露出ライフが始まるのだ!!
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