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第二十四話 閑話休題・一
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実は私、葵家に越してきてから、一度やってみたいことがありました。
「すっごいいいワイン、呑んでもいいでしょうか……?」
今日は、私がオフでミドリさんが休みで実家に顔を出し、ハルちゃんがお仕事という日。この期を逃す手はありますまい!
そこで、お昼にソムリエさんを捕まえて、尋ねてみました。
「ございますよ。リュクグという銘柄ですが」
リュクグ! 何かわからないけど、期待が高まる名前じゃあないですか!
「どんなお酒なんでしょう?」
「それはもう、高貴なる姫のごとき味わい。香り、味、喉越し、どれをとっても勝てるのは、かのドン・ベリニョンぐらいと思われます」
ごくり。ドン・ベリニョン、話には聞いたことがあるけど、それに次ぐとは。
呑みたい。呑んでみたい。
「それに合う料理と一緒に、いただけないでしょうか」
「かしこまりました」
ソムリエさんが、キッチンに入っていく。
いやー、贅沢を禁じた私ですけどね。こう、お酒にだけは面がなくて……ふへへ。
ワクワクドキドキで待っていると、ステーキと一緒に、グラスが運ばれてきました。
「仔羊のステーキとリュクグです」
ほわー?
「リュクグって、発泡酒なんですね?」
「いえ、正真正銘のシャンパンでございます」
聞いたことがある! フランスのシャンパーニュ地方で作られた発泡酒だけが、シャンパンを名乗っていいと! ホンモノだーっ!
「い……いただきます」
一口、ごくり。
ふわああ……ソムリエさんの仰る通り、香り、味、喉越し。どれをとっても、今まで呑んできたお酒とは別次元!
ああ……一口でトリップしそう……。
そして、ステーキをいただく。
むう! 癖がなく、それでいてしっかりとした味わい!
仔羊なんて食べ慣れないけど、こんなに美味しかったとは!
ああもう、リュクグとステーキで永久機関の完成だわ!
そして、あることに気づく私。私、お酒を呑むと鯨飲しがちだけど、リュクグにはそんな気持ちになれなくて。なんていうか、すごい神聖な想いを抱いている。これは、ガパガパといく気になれない。
こんな、厳粛な気持ちになれるお酒があるなんて……。
「美味しゅうございました」
おかわりすることもなく、昼食を終える。
◆ ◆ ◆
「今日のおねーさん、なんだかハッピーそうだね?」
「ですね」
「ふへへー? そうかな?」
帰ってきたハルちゃんとミドリさんに、ダブル指摘されてしまいました。
「すっごいいいワイン、呑んでもいいでしょうか……?」
今日は、私がオフでミドリさんが休みで実家に顔を出し、ハルちゃんがお仕事という日。この期を逃す手はありますまい!
そこで、お昼にソムリエさんを捕まえて、尋ねてみました。
「ございますよ。リュクグという銘柄ですが」
リュクグ! 何かわからないけど、期待が高まる名前じゃあないですか!
「どんなお酒なんでしょう?」
「それはもう、高貴なる姫のごとき味わい。香り、味、喉越し、どれをとっても勝てるのは、かのドン・ベリニョンぐらいと思われます」
ごくり。ドン・ベリニョン、話には聞いたことがあるけど、それに次ぐとは。
呑みたい。呑んでみたい。
「それに合う料理と一緒に、いただけないでしょうか」
「かしこまりました」
ソムリエさんが、キッチンに入っていく。
いやー、贅沢を禁じた私ですけどね。こう、お酒にだけは面がなくて……ふへへ。
ワクワクドキドキで待っていると、ステーキと一緒に、グラスが運ばれてきました。
「仔羊のステーキとリュクグです」
ほわー?
「リュクグって、発泡酒なんですね?」
「いえ、正真正銘のシャンパンでございます」
聞いたことがある! フランスのシャンパーニュ地方で作られた発泡酒だけが、シャンパンを名乗っていいと! ホンモノだーっ!
「い……いただきます」
一口、ごくり。
ふわああ……ソムリエさんの仰る通り、香り、味、喉越し。どれをとっても、今まで呑んできたお酒とは別次元!
ああ……一口でトリップしそう……。
そして、ステーキをいただく。
むう! 癖がなく、それでいてしっかりとした味わい!
仔羊なんて食べ慣れないけど、こんなに美味しかったとは!
ああもう、リュクグとステーキで永久機関の完成だわ!
そして、あることに気づく私。私、お酒を呑むと鯨飲しがちだけど、リュクグにはそんな気持ちになれなくて。なんていうか、すごい神聖な想いを抱いている。これは、ガパガパといく気になれない。
こんな、厳粛な気持ちになれるお酒があるなんて……。
「美味しゅうございました」
おかわりすることもなく、昼食を終える。
◆ ◆ ◆
「今日のおねーさん、なんだかハッピーそうだね?」
「ですね」
「ふへへー? そうかな?」
帰ってきたハルちゃんとミドリさんに、ダブル指摘されてしまいました。
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