えっちな要素はありません。本当です、信じてください？

13 百合ないたずら！

　教室4-1のドアを開けると、頭の上にチョークたっぷりの黒板消しが落ちてきた。

　「もー、やだー！」と、腹が立つやら、泣きたくなるやら、色んな気持ちがごちゃごちゃになりながら、頭の粉を払う。

「ふふーん、ひっかかったー！」

　そう囃はやし立てるのは、同じクラスの日土井弥奈子ひどい・やなこさん。

　この子には、こうやって毎日何かしらのいたずらを仕掛けられて、そして引っかかってる。

「なんで、こんなひどいことするの！？」

「……だって、オモシロイんだもん」

　ちょっと不自然な間があってから、日土井さんがそう答える。

　私はむっとしながら、ランドセルを置いて、自分の机に座った。

　そんなことが、さらにしばらく続いて。

「やーい、ひっかかった～！　どう？　どう？」

　今日は筆箱に虫を入れられていて、変な声を出してしまった。

「なんでこんなひどいことするの！？　あんたなんか、大っきらい！！」

　さすがに、今度という今度はキレた！　私の知る限りの汚い言葉を、これでもかと投げつける。

　すると彼女、涙目になったかと思うと、わんわん泣き出した！

「ごめんなさい！　きらわないで！　きらわないで！」

「きらうでしょ、普通！！　なんでこんなひどいことするの！？　私が何したの！？」

　ぐすぐすと泣いてたのが少し収まると、こう言ってきた。

「あなたの気を、引きたくて……」

　それを聞いた、私含む女子一同、いっせいにツッコむ！

「「男子か！！」」

　とにかく、意地悪モードから一転して土下座しそうな日土井さん。

「……どーしよっかなー？　何でも私の言うこと聞く？」

　ぶんぶんと、首を縦に振る彼女。

「じゃあさ、うちに来なよ」

　耳元で、そっと囁ささやく。

　放課後、一緒に帰宅。パパとママがいないのをいいことに、日土井さん……ううん、弥奈子にさんざんいたずら・・・・しちゃった。うふふ……。