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1 【百合掌編】朝チュン
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爽やかな朝、チュンチュンと雀のさえずる声が聞こえる。
「涙、昨日スゴかったね……!」
「ちょっ……すず、恥ずかしいから昨日のことは言わないでよ」
すずと呼ばれた女性が、涙と呼ばれた女性にいたずらっぽくささやくと、涙は恥ずかしさのあまりそっぽを向いてしまう。昨日、激しく乱れたことが鮮明に思い出される。
「あーもう、ごめんごめん。涙かわいいから、つい意地悪なこと言いたくなっちゃうんだよね」
「反省の証を求めます」
すずに口を向ける涙。
「はいはい」
そっと口づけを交わす。何度も、何度も。
「今日も、いっぱいしようね……」
◆ ◆ ◆
「おっ、雀がちゅっちゅしてるー」
「ほんとだー」
通学途中の女学生二人が、電線の上でくちばしを突き合わせている二羽の雀を見て声を上げる。
「あたしの予想だと、あれはメス同士だね」
「えー、よくわかるね?」
「生物部ですもの! いや、実は雀は見た目じゃオスメスよくわからないんだけどね」
「なーんだ、感心して損したー」
他愛もない会話をしながら二人は歩み去っていく。
彼女たちが目撃した雀は、すずと涙であった。
「涙、昨日スゴかったね……!」
「ちょっ……すず、恥ずかしいから昨日のことは言わないでよ」
すずと呼ばれた女性が、涙と呼ばれた女性にいたずらっぽくささやくと、涙は恥ずかしさのあまりそっぽを向いてしまう。昨日、激しく乱れたことが鮮明に思い出される。
「あーもう、ごめんごめん。涙かわいいから、つい意地悪なこと言いたくなっちゃうんだよね」
「反省の証を求めます」
すずに口を向ける涙。
「はいはい」
そっと口づけを交わす。何度も、何度も。
「今日も、いっぱいしようね……」
◆ ◆ ◆
「おっ、雀がちゅっちゅしてるー」
「ほんとだー」
通学途中の女学生二人が、電線の上でくちばしを突き合わせている二羽の雀を見て声を上げる。
「あたしの予想だと、あれはメス同士だね」
「えー、よくわかるね?」
「生物部ですもの! いや、実は雀は見た目じゃオスメスよくわからないんだけどね」
「なーんだ、感心して損したー」
他愛もない会話をしながら二人は歩み去っていく。
彼女たちが目撃した雀は、すずと涙であった。
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