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第四十四話 お正月だョ! 全員集合!
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「うぁけまして、おめでとおごじゃいまふ……」
きいろ、寝ぼけ眼をこすりながら、両親に挨拶。
「あけましておめでとう」
「あけましておめでとう。だらしないわねえ」
「年越し番組見てたら、寝不足で……。あふ」
うつらうつらしながら、食卓につく。
「ご飯食べ終わったら、ご近所さん回るからね。しゃきっとなさい、しゃきっと」
「ふわぁ~い」
もそもそと、おせちをつつくきいろ。新年早々、弛緩した朝である。
◆ ◆ ◆
「あけましておめでとうございます!」
一家三人そろって、ご近所訪問。父母の懐が寂しくなる代わりに、きいろの懐が厚くなっていく。
「うふふ~。何に使お」
「無駄遣いはダメよ? お父さんみたいにカードゲーム買い込んだりとか」
「わかってますよ~」
「母さん厳しいなあ。仕事に必要なんだよ」
そんな会話をしつつ、ご近所さんを回ったら、家に撤収。きいろの友人一家を、家に誘ってあるのだ。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
奥野一家、元気にご挨拶。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
ご挨拶返しする佐武家。
その後、大須家、工藤家と到着し、最後にカタン家。
「あけまして、おめでとうございます」
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「アケマシテ、オメデトゴザイマス」
母娘三人で、ご挨拶。産みの母が、一番日本語が流暢なようだ。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。カタンさん、はじめまして。娘がお世話になっています。」
佐武夫妻が、ご挨拶返し。
その後、大人たちはリビングで酒盛り、子供たちはおなじみ客間で談笑。
「お酒って美味しいのかなー?」
「どうだろね。お父さんは、ビールが好きみたいだけど」
「ビールって苦いんだろ? ほんとにうまいのかね?」
「ピーマンみたいなものなんじゃないですか?」
そんな話題を繰り広げる。
「二十歳までお預けかー」
ぼやくきいろ。
「ドイツでは、十六歳からビール飲めますよ?」
「マジで!?」
「はい」
ノヴァルナの話に、一同びっくり。
「日本より、四年も早く飲めるのかー」
「ほんと、国によって法律違うよねー」
「気分だけでもお酒飲もうってことで、こんなゲームはいかが?」
リーダーが取り出したのは、ボジョレーティングというカードゲーム。
「この十年で最高の出来」「みずみずしい品質」などという、もやっとしたキャッチコピーから、ボジョレーの評価を想定し、競り落とすゲーム。
過去カードとの相対評価であることと、出来のいいワインだけでなく、不出来なワインも買わなければいけないというのが味噌。
ワインカードが出揃った後に、もっとも購入ワインの品質の差が大きかったプレイヤーが、勝者となる。
正月にワインもないものだが、そこはあくまでお屠蘇気分を味わうためのもの。
「というわけでやってみよー!」
「おー!」
実プレイを行うこと、しばし。
「おいい! 昨年-3じゃねーか! 爽やかでバランスの良い出来じゃなかったんかい!」
「ワタシのは、去年+2です。ラッキーです」
「はっはっは。にこちんご愁傷さま。でも、不出来を買うのも大事だからね。かんぱーい!」
グラス代わりに、湯呑を打ち鳴らし合う一同。
さらに数試合し、ワインを気分的に、心ゆくまで味わうのであった。
「おとーさんたち、そっちどお?」
リビングがやたらにぎやかなので、ひょっこり顔を出すリーダー。
「はっはっは! そりゃ傑作ですね! あ、きいろ。盛り上がってるよー。ドイツも色々と楽しそうですねえ!」
父、すっかり出来上がっている。
「SAKE、美味しいですね。これは、はまりそうです」
ノヴァルナ両母、頬が赤い。
「オー……お母さんたち、酔っ払ってます」
ノヴァルナも出てきて、様子に呆れる。
「お酒って、楽しいものみたいだねえ」
「二日酔い、しなきゃいーけど」
歌留奈、にこも出てきた。
「お父さんたち、しっかり連れて帰らないと……」
るうも呆れる。
「やれやれだね」
五人で顔を見合わせる。
そして、こう思うのだ。(大人になったら、この五人で、一緒に酒盛りしよう)、と。
きいろ、寝ぼけ眼をこすりながら、両親に挨拶。
「あけましておめでとう」
「あけましておめでとう。だらしないわねえ」
「年越し番組見てたら、寝不足で……。あふ」
うつらうつらしながら、食卓につく。
「ご飯食べ終わったら、ご近所さん回るからね。しゃきっとなさい、しゃきっと」
「ふわぁ~い」
もそもそと、おせちをつつくきいろ。新年早々、弛緩した朝である。
◆ ◆ ◆
「あけましておめでとうございます!」
一家三人そろって、ご近所訪問。父母の懐が寂しくなる代わりに、きいろの懐が厚くなっていく。
「うふふ~。何に使お」
「無駄遣いはダメよ? お父さんみたいにカードゲーム買い込んだりとか」
「わかってますよ~」
「母さん厳しいなあ。仕事に必要なんだよ」
そんな会話をしつつ、ご近所さんを回ったら、家に撤収。きいろの友人一家を、家に誘ってあるのだ。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
奥野一家、元気にご挨拶。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
ご挨拶返しする佐武家。
その後、大須家、工藤家と到着し、最後にカタン家。
「あけまして、おめでとうございます」
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「アケマシテ、オメデトゴザイマス」
母娘三人で、ご挨拶。産みの母が、一番日本語が流暢なようだ。
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。カタンさん、はじめまして。娘がお世話になっています。」
佐武夫妻が、ご挨拶返し。
その後、大人たちはリビングで酒盛り、子供たちはおなじみ客間で談笑。
「お酒って美味しいのかなー?」
「どうだろね。お父さんは、ビールが好きみたいだけど」
「ビールって苦いんだろ? ほんとにうまいのかね?」
「ピーマンみたいなものなんじゃないですか?」
そんな話題を繰り広げる。
「二十歳までお預けかー」
ぼやくきいろ。
「ドイツでは、十六歳からビール飲めますよ?」
「マジで!?」
「はい」
ノヴァルナの話に、一同びっくり。
「日本より、四年も早く飲めるのかー」
「ほんと、国によって法律違うよねー」
「気分だけでもお酒飲もうってことで、こんなゲームはいかが?」
リーダーが取り出したのは、ボジョレーティングというカードゲーム。
「この十年で最高の出来」「みずみずしい品質」などという、もやっとしたキャッチコピーから、ボジョレーの評価を想定し、競り落とすゲーム。
過去カードとの相対評価であることと、出来のいいワインだけでなく、不出来なワインも買わなければいけないというのが味噌。
ワインカードが出揃った後に、もっとも購入ワインの品質の差が大きかったプレイヤーが、勝者となる。
正月にワインもないものだが、そこはあくまでお屠蘇気分を味わうためのもの。
「というわけでやってみよー!」
「おー!」
実プレイを行うこと、しばし。
「おいい! 昨年-3じゃねーか! 爽やかでバランスの良い出来じゃなかったんかい!」
「ワタシのは、去年+2です。ラッキーです」
「はっはっは。にこちんご愁傷さま。でも、不出来を買うのも大事だからね。かんぱーい!」
グラス代わりに、湯呑を打ち鳴らし合う一同。
さらに数試合し、ワインを気分的に、心ゆくまで味わうのであった。
「おとーさんたち、そっちどお?」
リビングがやたらにぎやかなので、ひょっこり顔を出すリーダー。
「はっはっは! そりゃ傑作ですね! あ、きいろ。盛り上がってるよー。ドイツも色々と楽しそうですねえ!」
父、すっかり出来上がっている。
「SAKE、美味しいですね。これは、はまりそうです」
ノヴァルナ両母、頬が赤い。
「オー……お母さんたち、酔っ払ってます」
ノヴァルナも出てきて、様子に呆れる。
「お酒って、楽しいものみたいだねえ」
「二日酔い、しなきゃいーけど」
歌留奈、にこも出てきた。
「お父さんたち、しっかり連れて帰らないと……」
るうも呆れる。
「やれやれだね」
五人で顔を見合わせる。
そして、こう思うのだ。(大人になったら、この五人で、一緒に酒盛りしよう)、と。
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