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第三十三話 キャンペーン!
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「諸君! エクスプも大詰めだな!」
夜、Zoomをやっていると、きいろが腕組みして、不敵な笑みを浮かべていた。
「そうだね」
「どうした急に」
相変わらずのにこのツッコミに、ちっちっちっと指を振るリーダー。
「キャンペーンを始めようと思うのですよ。成長バランスが適切か見たいし」
一同から、「おお~」と声が上がる。
「なんで、明日はキャンペーン第一回やらない?」
「さんせー」と、これまた皆。
「おっけーおっけー。じゃあ、明日十時、ボクんち集合ね」
「昼飯は?」
「ボクんちで用意する」
またも、「おお~」と声が上がる。
「というわけでよろ。ノヴァ子は迎えに行った方がいい?」
「大丈夫です。道、覚えました」
「それは結構! じゃーみんな、また明日~。ボク、シナリオ作るから」
「おつかれ~」
Zoomを切って、テキストエディタを立ち上げる。いよいよ、本格始動だ!
◆ ◆ ◆
「こんにちは~」
るうが、入室してくる。
「これで、全員揃ったね」
お茶菓子完備の客間で、きいろがあぐらをかいて、全員を待っていた。
人も揃ったので、お茶を淹れ、「それでは、始めまーす」と、厳かに宣言する。
「注意事項、特になし。前回から、大幅にルール変わってはいないよ」
「オー、投げ槍とか、接近戦のルールで使える割に、そこそこ射程長いですね」
「ノヴァ子が、接近戦強くしてほしいって言ってたから」
わいのわいのと、キャラを作っていく。
「みんなー、ごはんよ~」
「ありゃ、時間が経つのはあっという間だね。ご飯食べたら、セッション進めよう」
「りょーかーい」
母に呼ばれたので、一同着座。
「今日は、チキンカレーですよ」
「やっふぅ~! チキンカレー!」
きいろ、大興奮。
「なあ、きいろ。カレーと焼きそばだったら、どっちが好きよ」
「ぬぬぬ……甲乙つけられない……!」
本気で悩むきいろ。
「お、おう。両方こよなく愛してるのはわかった。いただきますしようぜ」
「そだね。いただきます!」
チキンカレーを頬張る一同。
「から~い! うま~い!」
リーダー、ご満悦。
「ほんとに美味しいですね」
るうも称賛。
「ありがとう。おかわりもあるからね」
「はい!」
笑顔で、水を飲む。
「女の子が元気なのは、やっぱりいいものだね」
「なーに、お父さん急に?」
きいろ、父の謎所感にツッコむ。
「なんとなく、なんとなくね」
ふふとほほえみ、カレーを食べる父。
「おかわりいただきます!」
「ボクも~」
大人気・佐武印チキンカレーは、あっという間に売り切れてしまった。
「私も、おかわりしたかった~」
「かるかんは、お菓子いっぱい食べていいから」
「くすん。そうする」
皿を洗って、歯磨き。再度、客間へ。
「ふー、お腹いっぱい。少し、食休みしていい?」
「賛成です」
「さんせー」
しばし、皆でめいめい動画など見て過ごす。
歌留奈は、南部せんべいを食んでいる。
十分ぐらいして……。
「そろそろやる?」
「ですね」
「やりましょう!」
「では、第一回・新大陸メガラニカを始めまーす」
一同拍手。
「ロレック王子に呼び出された君たちは……」
セッションは、順調に進んでいく。
「あ、ファンブルです」
「じゃあ、ヒルの沼にはまってしまい、五のダメージ。死んでなかったら、一ダメージ」
「オー」
ノヴァルナ、災難。
そして、ラスボスと対峙。
「ええー! 死んじゃいました~!」
るうの悲鳴。
「その場合、一回休み。同じ能力の隊員が、メンバーから現れるよ。名前考えてあげて」
きいろは、暇になるだけで何も面白くない、デスペナルティをなるべく軽くしたいと考えていた。
そこで考えたのが、「一回休み。次のターンに、探検隊から同能力の者が、戦闘に加わる」というものであった。
「はー……。なんとか勝ちました~……」
「おつかれ。報酬どうぞー。でね、マスター持ち回りにしたいんだけどいいかな?」
「いいけど……なんで?」
歌留奈が、応じつつ疑問を挟む。
「ボク以外が回したときも、きちんと機能するか知りたい。次、やりたい人~」
ノヴァルナが手を挙げる。
「意外! それはノヴァ子!」
「だめでしょうか?」
「オッケーもオッケーだよん。よろしくね」
きいろから、ルールブックという名の、クリアファイルを受け取る。
「がんばります!」
「よろよろ~。時間もいいし、お開きかな。じゃあ、また明日」
「お邪魔しましたー」と、一同外に出るので、きいろが見送る。
(明日も楽しみだ!)
いい笑顔で、夕日を背に浴びるリーダーであった。
夜、Zoomをやっていると、きいろが腕組みして、不敵な笑みを浮かべていた。
「そうだね」
「どうした急に」
相変わらずのにこのツッコミに、ちっちっちっと指を振るリーダー。
「キャンペーンを始めようと思うのですよ。成長バランスが適切か見たいし」
一同から、「おお~」と声が上がる。
「なんで、明日はキャンペーン第一回やらない?」
「さんせー」と、これまた皆。
「おっけーおっけー。じゃあ、明日十時、ボクんち集合ね」
「昼飯は?」
「ボクんちで用意する」
またも、「おお~」と声が上がる。
「というわけでよろ。ノヴァ子は迎えに行った方がいい?」
「大丈夫です。道、覚えました」
「それは結構! じゃーみんな、また明日~。ボク、シナリオ作るから」
「おつかれ~」
Zoomを切って、テキストエディタを立ち上げる。いよいよ、本格始動だ!
◆ ◆ ◆
「こんにちは~」
るうが、入室してくる。
「これで、全員揃ったね」
お茶菓子完備の客間で、きいろがあぐらをかいて、全員を待っていた。
人も揃ったので、お茶を淹れ、「それでは、始めまーす」と、厳かに宣言する。
「注意事項、特になし。前回から、大幅にルール変わってはいないよ」
「オー、投げ槍とか、接近戦のルールで使える割に、そこそこ射程長いですね」
「ノヴァ子が、接近戦強くしてほしいって言ってたから」
わいのわいのと、キャラを作っていく。
「みんなー、ごはんよ~」
「ありゃ、時間が経つのはあっという間だね。ご飯食べたら、セッション進めよう」
「りょーかーい」
母に呼ばれたので、一同着座。
「今日は、チキンカレーですよ」
「やっふぅ~! チキンカレー!」
きいろ、大興奮。
「なあ、きいろ。カレーと焼きそばだったら、どっちが好きよ」
「ぬぬぬ……甲乙つけられない……!」
本気で悩むきいろ。
「お、おう。両方こよなく愛してるのはわかった。いただきますしようぜ」
「そだね。いただきます!」
チキンカレーを頬張る一同。
「から~い! うま~い!」
リーダー、ご満悦。
「ほんとに美味しいですね」
るうも称賛。
「ありがとう。おかわりもあるからね」
「はい!」
笑顔で、水を飲む。
「女の子が元気なのは、やっぱりいいものだね」
「なーに、お父さん急に?」
きいろ、父の謎所感にツッコむ。
「なんとなく、なんとなくね」
ふふとほほえみ、カレーを食べる父。
「おかわりいただきます!」
「ボクも~」
大人気・佐武印チキンカレーは、あっという間に売り切れてしまった。
「私も、おかわりしたかった~」
「かるかんは、お菓子いっぱい食べていいから」
「くすん。そうする」
皿を洗って、歯磨き。再度、客間へ。
「ふー、お腹いっぱい。少し、食休みしていい?」
「賛成です」
「さんせー」
しばし、皆でめいめい動画など見て過ごす。
歌留奈は、南部せんべいを食んでいる。
十分ぐらいして……。
「そろそろやる?」
「ですね」
「やりましょう!」
「では、第一回・新大陸メガラニカを始めまーす」
一同拍手。
「ロレック王子に呼び出された君たちは……」
セッションは、順調に進んでいく。
「あ、ファンブルです」
「じゃあ、ヒルの沼にはまってしまい、五のダメージ。死んでなかったら、一ダメージ」
「オー」
ノヴァルナ、災難。
そして、ラスボスと対峙。
「ええー! 死んじゃいました~!」
るうの悲鳴。
「その場合、一回休み。同じ能力の隊員が、メンバーから現れるよ。名前考えてあげて」
きいろは、暇になるだけで何も面白くない、デスペナルティをなるべく軽くしたいと考えていた。
そこで考えたのが、「一回休み。次のターンに、探検隊から同能力の者が、戦闘に加わる」というものであった。
「はー……。なんとか勝ちました~……」
「おつかれ。報酬どうぞー。でね、マスター持ち回りにしたいんだけどいいかな?」
「いいけど……なんで?」
歌留奈が、応じつつ疑問を挟む。
「ボク以外が回したときも、きちんと機能するか知りたい。次、やりたい人~」
ノヴァルナが手を挙げる。
「意外! それはノヴァ子!」
「だめでしょうか?」
「オッケーもオッケーだよん。よろしくね」
きいろから、ルールブックという名の、クリアファイルを受け取る。
「がんばります!」
「よろよろ~。時間もいいし、お開きかな。じゃあ、また明日」
「お邪魔しましたー」と、一同外に出るので、きいろが見送る。
(明日も楽しみだ!)
いい笑顔で、夕日を背に浴びるリーダーであった。
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