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第三十話 ノヴァルナのノヴァルナ!
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「やっほー。みんないらっさーい」
ノヴァルナを連れて帰宅したきいろ、三人と客間で顔合わせ。
一同、「こんにちは」や「こんー」などと、挨拶を交わし合う。
「今日は何するの?」
「エクスプのことと、ノヴァ子がゲーム持ってきたんだって」
「はい。今日は、私のおすすめです」
「おー」と、興味深げな声が上がる。
「やっぱ、本場ドイツのゲーム?」
歌留奈、興味津々。
「はい。私の名前と同じ、ノヴァルナっていいます」
さらに、追い「おおー」。
「四人までしか遊べないので、ワタシはコーチします」
以下、ノヴァルナに代わって、ルールを軽く説明。
プレイヤーはタイルを選んで取っていくことで、タスクと呼ばれるものを達成していく。
たとえば、赤一、青二を隣接させよという指示がタイルにあれば、それを達成すれば、タスク達成。そこにマーカーを置ける。
マーカーを二十個置いたプレイヤーが勝利。
……と、文章で書くと、とてもざっくりしたゲームだが、なかなかに奥深い。
プレイヤー同士、妨害も考え始めると、キリが無くなってくるのだ。
「に゙ゃ~っ! そのタイル取らないで~!」
「ダーメ、きーちゃんぶっちぎりトップじゃない」
「ふふ。ノヴァルナは、これが楽しいんですよ」
歌留奈もノヴァルナも、ちょっといい性格をしているかもしれない。
「お、歌留奈がそれ取るなら、アタシこれ取れるな」
「あっ」
とまあ、うっかりアシストすることも。
「むむむ……。やりごたえありますねえ」
るうも、すっかり夢中。
一戦終え……。
「ゔにゃ~っ! 逃げ切ったあ~!」
「きいろさん、おめでとうございます!」
「お見事!」
一同から拍手を受ける。
「このノヴァルナっていうゲーム、シンプルだけど面白いですね」
「そう言ってもらえると、嬉しいです。なんだか、自分が褒められたみたいです」
ノヴァルナも笑顔。
「ドイツのボードゲーム文化はすごいねえ」
うんうん、うなずくきいろ。
「ふふ。ドイツが褒められるのも嬉しいです」
「パズル要素が強いゲームなんだね」
「はい。とても良くできたゲームなんです」
一同、茶菓子をつまみ、和やかムード。
「あっ!」
突如、きいろが声を上げる。
「エクスプのこと忘れてた!」
「そうだ! しっかりしてよ、きーちゃん」
「えー? みんなも忘れてたじゃーん」
慌てて、紙束を出すきいろ。
「スキル、一通り考えてみたよ。ボクがひらめいてないアイデアあったら、遠慮なく言って」
「うん、ほんとに一通りある感じだな。アタシからは、今んとこない。三人は?」
一同を見回す、にこ。
「漢字が難しいです……」
「小学生も遊ぶかもだから、ルビ振っとこうかな」
リーダー、さっそく意見を取り入れる。
わちゃわちゃと、話し合うことしばし。
「うん! いい感じに意見が集まったね! 今晩、反映させるよ」
「いよいよ完成が見えてきた感じだなー」
「ドキドキですね!」
みんなで作ったゲーム。その完成が、一歩一歩近づいている。そのことに、興奮を隠せないし、隠す気もない一同。
「ほんとに、基礎システムができてからはあっという間だったね」
「ね! ボク、自分でもびっくりしてる」
「ワタシ、もっと早く参加できれば、もっと嬉しかったです」
「それは、タイミングだから、しゃーなし!」
ノヴァルナを慰める、リーダー。
「なんか、もう一戦したいね」
「やろう、やろう!」
「じゃあ、さっき勝ったから、ボク一旦抜けるね」
というわけで、きいろ見学。
やはりプレイし慣れているからか、ノヴァルナが勝利。
「名前なので、勝ててよかったです」
「カタン先輩、やっぱり強いですー」
「さすがに、そろそろお開きかな」
窓から、茜が差していた。
「ノヴァ子、送っていくね」
「いえ、そろそろ大丈夫です。道、覚えました。いざとなったら、これありますし」
スマホを掲げるノヴァルナ。
「そか。気をつけてね」
「はい」
「みんなも、バイバーイ! また明日ね~!」
一同を、玄関まで見送るきいろ。
「さーて、エクスプも大詰めだあ!」
うーんと、伸びをする。予定よりも早く事が進み、上機嫌なリーダーであった。
ノヴァルナを連れて帰宅したきいろ、三人と客間で顔合わせ。
一同、「こんにちは」や「こんー」などと、挨拶を交わし合う。
「今日は何するの?」
「エクスプのことと、ノヴァ子がゲーム持ってきたんだって」
「はい。今日は、私のおすすめです」
「おー」と、興味深げな声が上がる。
「やっぱ、本場ドイツのゲーム?」
歌留奈、興味津々。
「はい。私の名前と同じ、ノヴァルナっていいます」
さらに、追い「おおー」。
「四人までしか遊べないので、ワタシはコーチします」
以下、ノヴァルナに代わって、ルールを軽く説明。
プレイヤーはタイルを選んで取っていくことで、タスクと呼ばれるものを達成していく。
たとえば、赤一、青二を隣接させよという指示がタイルにあれば、それを達成すれば、タスク達成。そこにマーカーを置ける。
マーカーを二十個置いたプレイヤーが勝利。
……と、文章で書くと、とてもざっくりしたゲームだが、なかなかに奥深い。
プレイヤー同士、妨害も考え始めると、キリが無くなってくるのだ。
「に゙ゃ~っ! そのタイル取らないで~!」
「ダーメ、きーちゃんぶっちぎりトップじゃない」
「ふふ。ノヴァルナは、これが楽しいんですよ」
歌留奈もノヴァルナも、ちょっといい性格をしているかもしれない。
「お、歌留奈がそれ取るなら、アタシこれ取れるな」
「あっ」
とまあ、うっかりアシストすることも。
「むむむ……。やりごたえありますねえ」
るうも、すっかり夢中。
一戦終え……。
「ゔにゃ~っ! 逃げ切ったあ~!」
「きいろさん、おめでとうございます!」
「お見事!」
一同から拍手を受ける。
「このノヴァルナっていうゲーム、シンプルだけど面白いですね」
「そう言ってもらえると、嬉しいです。なんだか、自分が褒められたみたいです」
ノヴァルナも笑顔。
「ドイツのボードゲーム文化はすごいねえ」
うんうん、うなずくきいろ。
「ふふ。ドイツが褒められるのも嬉しいです」
「パズル要素が強いゲームなんだね」
「はい。とても良くできたゲームなんです」
一同、茶菓子をつまみ、和やかムード。
「あっ!」
突如、きいろが声を上げる。
「エクスプのこと忘れてた!」
「そうだ! しっかりしてよ、きーちゃん」
「えー? みんなも忘れてたじゃーん」
慌てて、紙束を出すきいろ。
「スキル、一通り考えてみたよ。ボクがひらめいてないアイデアあったら、遠慮なく言って」
「うん、ほんとに一通りある感じだな。アタシからは、今んとこない。三人は?」
一同を見回す、にこ。
「漢字が難しいです……」
「小学生も遊ぶかもだから、ルビ振っとこうかな」
リーダー、さっそく意見を取り入れる。
わちゃわちゃと、話し合うことしばし。
「うん! いい感じに意見が集まったね! 今晩、反映させるよ」
「いよいよ完成が見えてきた感じだなー」
「ドキドキですね!」
みんなで作ったゲーム。その完成が、一歩一歩近づいている。そのことに、興奮を隠せないし、隠す気もない一同。
「ほんとに、基礎システムができてからはあっという間だったね」
「ね! ボク、自分でもびっくりしてる」
「ワタシ、もっと早く参加できれば、もっと嬉しかったです」
「それは、タイミングだから、しゃーなし!」
ノヴァルナを慰める、リーダー。
「なんか、もう一戦したいね」
「やろう、やろう!」
「じゃあ、さっき勝ったから、ボク一旦抜けるね」
というわけで、きいろ見学。
やはりプレイし慣れているからか、ノヴァルナが勝利。
「名前なので、勝ててよかったです」
「カタン先輩、やっぱり強いですー」
「さすがに、そろそろお開きかな」
窓から、茜が差していた。
「ノヴァ子、送っていくね」
「いえ、そろそろ大丈夫です。道、覚えました。いざとなったら、これありますし」
スマホを掲げるノヴァルナ。
「そか。気をつけてね」
「はい」
「みんなも、バイバーイ! また明日ね~!」
一同を、玄関まで見送るきいろ。
「さーて、エクスプも大詰めだあ!」
うーんと、伸びをする。予定よりも早く事が進み、上機嫌なリーダーであった。
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