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第二十九話 アツアツデート!
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「でさ、週末だけど。またボクんちにこない?」
部室で、例によって皆を誘うリーダー。
「あ、わり。土曜は無理」
「ほえ? 用事?」
「んー? るうとデートすんだよ」
さらっとにこが言ってのけると、耳まで真っ赤になる、るう。
「えー? マジ!? るーこ、おめでとー」
きいろが拍手すると、茹でダコみたいになってしまう。
「よかったねえ、るうちゃん。じゃ、私はきーちゃん&ノヴァちゃんと遊んでますか」
「そうですね。るうさん、おめでとうございます」
歌留奈とノヴァルナも祝福。
「とりあえず今日は、コルト・エクスプレスでもやろっか」
佐武家から持ってきたコルトを、楽しむ一同であった。
◆ ◆ ◆
土曜。F駅くるる側スターバックス。そこで、るうは三十分も早くから、にこを待っていた。
「るう。待たせた?」
不意に、にこから声をかけられ、その姿を認めると、るうの顔がぱあっと輝く。
にこは、ボーイッシュなパンツルックで、カフェラテを持っていた。
「いえ、全然! さっき来たところです!」
るうの席に、空きカップ二個を見て、(優しい嘘つきさんだ)と、ふふとなるにこ。
「一年生の友達、できた?」
「それが、まだ。卓ゲ部の誘いは全滅しましたし、ホラーも乗ってこなくて」
「そっか。まあ、ぼちぼちやればいいよ」
「はい!」
二人で、飲み物を飲む。るうは、フラペチーノだ。見事なミラーリング。雑談は弾み……。
「ん。そろそろ上映だな。行こうか」
「はい。つい、時間を忘れてしまいますね」
二人で、当館五階の、TOHOシネマに向かうのであった。
本日二人が見るのは、「ホーンテッド・シップ」という、本日封切りのホラー映画。
予約はすでに、隣り合った席を入れている。
コーラとポップコーンを買い、三番スクリーンへ。
さまざまなCMを見て、映画泥棒のCMが終わると、いよいよ上映。
内容は、幽霊船に乗ってしまったカップルが、脱出を図るというもの。
「キャーーーーーーッ!!」
女優の迫真の悲鳴に、ドキッとなるにこ。実はにこ、ホラーが少し得意ではない。でも、優しいので、るうの趣味に合わせている。
思わずるうの方に手を伸ばすと、握り返された。
いつぞやとは、真逆の図である。
やがて、カップルは幽霊船の謎を解き明かし、無事脱出。
エンディングとなり、スタッフロールが流れる。
「面白かったですねー」
「お、おう。なかなか迫力あったな」
にこ、まだ緊張が解けない。
「今度は何します?」
「えーっと、ダイソーでショッピングかな」
駅ビルぷらりと内、ダイソー。
「あ、このぬいぐるみ可愛い~」
六階のダイソーでは、ぬいぐるみを売っている時がある。今回、兎のぬいぐるみを見つけ、手に取る、るう。
「先輩。色違いのこの子、先輩も買いませんか?」
くりっとした瞳で見つめる。
にこ、ちょっとドキッとしてしまい、それじゃあと、青っぽい兎を手に取った。
あとは、これといって買うものもない……。というか、予算がきついので、五階のレジへ。
こうして、二人は新しい家族を迎え、一緒のバスに乗り、隣り合った座席で手をつなぐのであった。
◆ ◆ ◆
「にこちん、るーこ。デートどうだった?」
夜、Zoomで会話する五人。
「バッチリだぜ、ほら」
ぬいぐるみを見せる二人。
「おー、おそろいだー!」
「良き哉良き哉。二人とも、青春を謳歌してますねえ」
歌留奈が、そんな所感を漏らす。
「二人の恋、応援してます!」
ノヴァルナの言葉に、照れる二人。
「ありがとうございます! 背中を押してくれた、皆さんのおかげです!」
るう、深々とお辞儀。
「明日は、みんなで遊べるよね?」
「おう、いいぜ。るうは?」
「わたしも、大丈夫です」
二人とも、あまり疲れは残していないようだ。
「じゃあ、明日一時、ボクんちで!」
「りょーかーい」
一同、承諾。
明日は明日の風が吹く。明日は、何が待ち受けているのか。
楽しみに、Zoomで会話を続ける五人であった。
部室で、例によって皆を誘うリーダー。
「あ、わり。土曜は無理」
「ほえ? 用事?」
「んー? るうとデートすんだよ」
さらっとにこが言ってのけると、耳まで真っ赤になる、るう。
「えー? マジ!? るーこ、おめでとー」
きいろが拍手すると、茹でダコみたいになってしまう。
「よかったねえ、るうちゃん。じゃ、私はきーちゃん&ノヴァちゃんと遊んでますか」
「そうですね。るうさん、おめでとうございます」
歌留奈とノヴァルナも祝福。
「とりあえず今日は、コルト・エクスプレスでもやろっか」
佐武家から持ってきたコルトを、楽しむ一同であった。
◆ ◆ ◆
土曜。F駅くるる側スターバックス。そこで、るうは三十分も早くから、にこを待っていた。
「るう。待たせた?」
不意に、にこから声をかけられ、その姿を認めると、るうの顔がぱあっと輝く。
にこは、ボーイッシュなパンツルックで、カフェラテを持っていた。
「いえ、全然! さっき来たところです!」
るうの席に、空きカップ二個を見て、(優しい嘘つきさんだ)と、ふふとなるにこ。
「一年生の友達、できた?」
「それが、まだ。卓ゲ部の誘いは全滅しましたし、ホラーも乗ってこなくて」
「そっか。まあ、ぼちぼちやればいいよ」
「はい!」
二人で、飲み物を飲む。るうは、フラペチーノだ。見事なミラーリング。雑談は弾み……。
「ん。そろそろ上映だな。行こうか」
「はい。つい、時間を忘れてしまいますね」
二人で、当館五階の、TOHOシネマに向かうのであった。
本日二人が見るのは、「ホーンテッド・シップ」という、本日封切りのホラー映画。
予約はすでに、隣り合った席を入れている。
コーラとポップコーンを買い、三番スクリーンへ。
さまざまなCMを見て、映画泥棒のCMが終わると、いよいよ上映。
内容は、幽霊船に乗ってしまったカップルが、脱出を図るというもの。
「キャーーーーーーッ!!」
女優の迫真の悲鳴に、ドキッとなるにこ。実はにこ、ホラーが少し得意ではない。でも、優しいので、るうの趣味に合わせている。
思わずるうの方に手を伸ばすと、握り返された。
いつぞやとは、真逆の図である。
やがて、カップルは幽霊船の謎を解き明かし、無事脱出。
エンディングとなり、スタッフロールが流れる。
「面白かったですねー」
「お、おう。なかなか迫力あったな」
にこ、まだ緊張が解けない。
「今度は何します?」
「えーっと、ダイソーでショッピングかな」
駅ビルぷらりと内、ダイソー。
「あ、このぬいぐるみ可愛い~」
六階のダイソーでは、ぬいぐるみを売っている時がある。今回、兎のぬいぐるみを見つけ、手に取る、るう。
「先輩。色違いのこの子、先輩も買いませんか?」
くりっとした瞳で見つめる。
にこ、ちょっとドキッとしてしまい、それじゃあと、青っぽい兎を手に取った。
あとは、これといって買うものもない……。というか、予算がきついので、五階のレジへ。
こうして、二人は新しい家族を迎え、一緒のバスに乗り、隣り合った座席で手をつなぐのであった。
◆ ◆ ◆
「にこちん、るーこ。デートどうだった?」
夜、Zoomで会話する五人。
「バッチリだぜ、ほら」
ぬいぐるみを見せる二人。
「おー、おそろいだー!」
「良き哉良き哉。二人とも、青春を謳歌してますねえ」
歌留奈が、そんな所感を漏らす。
「二人の恋、応援してます!」
ノヴァルナの言葉に、照れる二人。
「ありがとうございます! 背中を押してくれた、皆さんのおかげです!」
るう、深々とお辞儀。
「明日は、みんなで遊べるよね?」
「おう、いいぜ。るうは?」
「わたしも、大丈夫です」
二人とも、あまり疲れは残していないようだ。
「じゃあ、明日一時、ボクんちで!」
「りょーかーい」
一同、承諾。
明日は明日の風が吹く。明日は、何が待ち受けているのか。
楽しみに、Zoomで会話を続ける五人であった。
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