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第二十四話 パジャマパーティー、再び! ―前編―
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「みんなー、おっひさー!」
「こんにちはです」
きいろが元気に、ノヴァルナはいそいそと部室に入室してくる。
「おひさって、金曜に会ったばっかじゃん。ノヴァっち、こん」
さっそく、にこにも変な愛称をつけられた。他の二人も、挨拶する。
「ねえねえ! 今週土日、ボクんちでお泊まり会またしない? 新歓パーティーコミコミで!」
ビッとサムズアップするきいろ。
「そーゆーお誘いは大歓迎だけど、二人は?」
「私は構わないよ」
「わたしもです!」
全員、同意。
「よーっし! じゃあ、今日は何やろっか」
「あの、クトゥルフのキーパーやっていいですか?」
「シナリオのアテはあるん?」
「は、はい! 不可思議庭園っていうシナリオ、プレイしたことあります?」
「初耳だねー」
一同、顔を見合わせる。
「じゃあ、やりましょう!」
スマホを取り出するう。
「おお、るーこ乗り気だねえ」
「ええ。以前キーパーやろうって話のまま、宙ぶらりんでしたから」
シナリオを読み込む、キーパー。
「ボク、サブマスやるよ」
「大丈夫です。ちょっと、一人で挑戦してみたいので」
「そう? じゃあ、心の中で応援してるよ!」
というわけで、キャラ作成。クトゥルフはとにかくSAN値の消費に対して、回復が追いつかないので、だいたい毎回新キャラを作ることになる。
「でけた!」
「アタシも」
「きーちゃん、鉄板編成。にこちゃんは武闘派かー。心理学でも取るかなー」
こつこつ鉛筆を走らせる。
「日本語のルール、難しいですね……」
「ん? 読めないとこ、どこ?」
ノヴァルナに、日本語講座を開くにこ。(優しい大須先輩、素敵……)と、ぽうっとなる、るうであった。
「できました」
「あっ、はい。見せてくださいね。……皆さんのキャラ、把握しました。不可思議庭園、開幕です」
一同、拍手。初心者るう、ちょっと緊張するが。
「ふ~……。全滅エンドになっちゃいましたね」
少し気まずい。
「まー、ダイスの運不運はしょうがねーって」
「うん、うん」
「はい」
他の四人、優しくフォロー。
「ありがとうございます。また、挑戦させてください!」
「おー、いつでも待ってるぜ!」
「はい!」
にこに言われ、ぱあっと顔が輝く。
「じゃ、いい時間だし、帰ろうか」
校門を出、五方向に散るのであった。
◆ ◆ ◆
そして、週末。
「ノヴァ子~。こっちこっち~!」
「きいろさん、こんにちは。今日はよろしくです」
「うんうん。じゃ、さっそく向かおーか!」
自宅。
「歌留奈ちゃんたち、来てるわよ」
「はーい!」
今日も、客間でおしゃべり。
「そうだ、ボクたちゲーム作ってるんだよ! これに出すの!」
スマホを、ノヴァルナに向ける。
「ええと……コンテストですか?」
「そそ! ノヴァ子も手伝ってよ!」
「ワタシで、役、立てるでしょうか」
「ドイツ視点とか、もらえるとありがたいな!」
しばし、茶話。
「ルールと世界、大体分かりました。アーク帝国というのは、ナチス的ですね」
「うっ……。やっぱり、センシティブ?」
歌留奈の顔に、不安がよぎる。
「いえ、ドイツでは、過去のだめなこととして教えられていますから、大丈夫です」
ほっと、胸をなでおろす一同。
「今日は、何やろっか」
「まず、課題」
「そでした。さすが、かるかん」
一同、まずは課題をやっつける。
「にゃ~っ! づがれ゙だ~! ゲームしよー」
「そうね。やることやったら、ご褒美タイム! これ重要よね」
「だよね~!」
というわけで、棚をあさると……。
「あ、これやる? すしゴー!」
「スシ? あの、食べるお寿司ですか?」
「うん。絵が可愛いんだよ~」
カードを並べると、るうとノヴァルナの瞳が輝く。
そこには、大変愛らしい、デフォルメされた寿司が描かれていた。
「可愛いです!」
「はい。お寿司、可愛いです!」
「じゃあ、やっていこー。ルール、簡単だから」
すしゴー! は、寿司を集めて、役を作るゲームである。
オーソドックスな、イカや玉子から、最大の得点がもらえるものの、三枚集めきらないと役無しになる刺し身や、後半に響いてくるデザートなど、多彩。
手札を順繰りに交換していくことで、ゲームは進行していく。
「オー……。負けてしまいました……」
「どんまい! えっと、どんまいってのは、がっかりしないでってことね! もっかいやろ!」
「はい!」
こうして、夕食時まで楽しむのであった。
「こんにちはです」
きいろが元気に、ノヴァルナはいそいそと部室に入室してくる。
「おひさって、金曜に会ったばっかじゃん。ノヴァっち、こん」
さっそく、にこにも変な愛称をつけられた。他の二人も、挨拶する。
「ねえねえ! 今週土日、ボクんちでお泊まり会またしない? 新歓パーティーコミコミで!」
ビッとサムズアップするきいろ。
「そーゆーお誘いは大歓迎だけど、二人は?」
「私は構わないよ」
「わたしもです!」
全員、同意。
「よーっし! じゃあ、今日は何やろっか」
「あの、クトゥルフのキーパーやっていいですか?」
「シナリオのアテはあるん?」
「は、はい! 不可思議庭園っていうシナリオ、プレイしたことあります?」
「初耳だねー」
一同、顔を見合わせる。
「じゃあ、やりましょう!」
スマホを取り出するう。
「おお、るーこ乗り気だねえ」
「ええ。以前キーパーやろうって話のまま、宙ぶらりんでしたから」
シナリオを読み込む、キーパー。
「ボク、サブマスやるよ」
「大丈夫です。ちょっと、一人で挑戦してみたいので」
「そう? じゃあ、心の中で応援してるよ!」
というわけで、キャラ作成。クトゥルフはとにかくSAN値の消費に対して、回復が追いつかないので、だいたい毎回新キャラを作ることになる。
「でけた!」
「アタシも」
「きーちゃん、鉄板編成。にこちゃんは武闘派かー。心理学でも取るかなー」
こつこつ鉛筆を走らせる。
「日本語のルール、難しいですね……」
「ん? 読めないとこ、どこ?」
ノヴァルナに、日本語講座を開くにこ。(優しい大須先輩、素敵……)と、ぽうっとなる、るうであった。
「できました」
「あっ、はい。見せてくださいね。……皆さんのキャラ、把握しました。不可思議庭園、開幕です」
一同、拍手。初心者るう、ちょっと緊張するが。
「ふ~……。全滅エンドになっちゃいましたね」
少し気まずい。
「まー、ダイスの運不運はしょうがねーって」
「うん、うん」
「はい」
他の四人、優しくフォロー。
「ありがとうございます。また、挑戦させてください!」
「おー、いつでも待ってるぜ!」
「はい!」
にこに言われ、ぱあっと顔が輝く。
「じゃ、いい時間だし、帰ろうか」
校門を出、五方向に散るのであった。
◆ ◆ ◆
そして、週末。
「ノヴァ子~。こっちこっち~!」
「きいろさん、こんにちは。今日はよろしくです」
「うんうん。じゃ、さっそく向かおーか!」
自宅。
「歌留奈ちゃんたち、来てるわよ」
「はーい!」
今日も、客間でおしゃべり。
「そうだ、ボクたちゲーム作ってるんだよ! これに出すの!」
スマホを、ノヴァルナに向ける。
「ええと……コンテストですか?」
「そそ! ノヴァ子も手伝ってよ!」
「ワタシで、役、立てるでしょうか」
「ドイツ視点とか、もらえるとありがたいな!」
しばし、茶話。
「ルールと世界、大体分かりました。アーク帝国というのは、ナチス的ですね」
「うっ……。やっぱり、センシティブ?」
歌留奈の顔に、不安がよぎる。
「いえ、ドイツでは、過去のだめなこととして教えられていますから、大丈夫です」
ほっと、胸をなでおろす一同。
「今日は、何やろっか」
「まず、課題」
「そでした。さすが、かるかん」
一同、まずは課題をやっつける。
「にゃ~っ! づがれ゙だ~! ゲームしよー」
「そうね。やることやったら、ご褒美タイム! これ重要よね」
「だよね~!」
というわけで、棚をあさると……。
「あ、これやる? すしゴー!」
「スシ? あの、食べるお寿司ですか?」
「うん。絵が可愛いんだよ~」
カードを並べると、るうとノヴァルナの瞳が輝く。
そこには、大変愛らしい、デフォルメされた寿司が描かれていた。
「可愛いです!」
「はい。お寿司、可愛いです!」
「じゃあ、やっていこー。ルール、簡単だから」
すしゴー! は、寿司を集めて、役を作るゲームである。
オーソドックスな、イカや玉子から、最大の得点がもらえるものの、三枚集めきらないと役無しになる刺し身や、後半に響いてくるデザートなど、多彩。
手札を順繰りに交換していくことで、ゲームは進行していく。
「オー……。負けてしまいました……」
「どんまい! えっと、どんまいってのは、がっかりしないでってことね! もっかいやろ!」
「はい!」
こうして、夕食時まで楽しむのであった。
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