たくげぶ!

みなはらつかさ

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第十四話 夏だ! 休みだ! プールだ!! ―後編―

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「波のプール! テンション上がるぅ! にこちんいいよねー。こんな感じ、満喫したんでしょ、海で」

「まーな。でも、やっぱテンション上がるな!」

 さっそく、波のプールにやって来た一同。波が寄せては、返す。

「アレやろアレ! やったな、こいつぅ~ってやつ!」

「ぶは! そーいうノリ、好きだぜ!」

「それー!」

「やったな、こいつぅ~!」

 水を掛け合って、遊ぶ二人。

「まったく、あの二人は……。食べたばかりなのに、元気だこと」

 波打ち際に、座る歌留奈。

「でも、いいですね。この感じ」

 隣に座り、はしゃぐ二人を見守る、るう。

 波の感覚が心地よい。

「わたし、気の合うお友達が、今までできなかったんです。ホラー趣味に、みんな引いちゃって」

 無言で、るうを見やる歌留奈。

「中学に上がっても、やっぱり気が引けちゃって、そこに皆さんが声をかけてくださったんです。なんていうか、とても感謝していて」

「私たちこそ、ゲーム仲間が増えて嬉しいよ。卓上ゲームって、人数少ないと厳しいゲームが多くて。せめて、もう一人増えればなあって、三人でよくぼやいてたのね。そこに、るうちゃんが入ってくれて、私たちこそ感謝してる

 互いに見つめ合い、くすっと、微笑み合う。

「いいですね、友達って」

「うん。みんな、最高の友達だよ」

 再び、はしゃいでいる二人に目をやる……と、突然、歌留奈が水しぶきに襲われた!

「わぷ!」

「二人も遊ぼーよー!」

「このー……。お望み、かなえてあげようじゃないの! やったなー、こいつー!」

 きいろに水しぶきを返す歌留奈。

「あはは! るーこも混ざろうよ!」

 るうも、水しぶきに襲われる。

「えーい、やけです! このー!」

 入り乱れて、水を掛け合う四人。その顔は、眩しい笑顔だった。

 半刻ほどそうしていただろうか。遊び疲れ、波打ち際に座る四人。

「はー、楽しかった~!」

 水遊びに加わってよかったと、噛みしめる、るう。ひと夏の思い出が、彼女の心にしかと刻まれた。

「ねー、さっきは二人で何話してたの?」

 きいろが、くりくりした瞳で、歌留奈とるうを見つめる。

「ん? 友情っていいなって。ね?」

「はい!」

「そか。ボクも、三人と親友になれて、最高に幸せだよ!」

 お日様笑顔を三人に向ける。

「もっと、卓ゲ仲間増えるといいんだけどな」

「そだね。そのへんは、運もあるからね」

 寄せては返る波を、見つめて話す、にこときいろ。

「喉乾かない? 何か飲みましょうよ」

「ですね。プールでも熱中症になるそうですし」

「さんせー! ボクは、断然オレンジジュースだな!」

 売店に向かう一同。席で、しばし談笑する。

「ギンコせんせーはもう帰っちゃったかな?」

「どうだろうね? まあ、邪魔しても悪いでしょ」

「ギンコせんせーとも、もっと遊べたらなあ」

 飲み終わったストローをいじりながら、ちょっと切なそうに言う。

「そういえば、スパがあるんですって。ちょっと温まっていかない?」

「いいね! にこちんとるーこは?」

「さんせーい!」

 かくして、スパやジャグジーを満喫する四人。

「はー……遊んだ遊んだ~。そろそろ帰らないとだね」

 きいろが、最初に遊んだウォータースライダーを手かざしで眺める。

「そうだな。なんか、名残惜しいな」

「また来ようね」

 最後にプール群を見やり、更衣室に戻る一同。

「ふわぁ……。ねむい~」

「少し寝ちゃお。運転手さんが起こしてくれるでしょ」

「おやすみなさ~い……」

 バスに揺られながら、眠りの世界に落ちる四人であった。

 その後も、電車の座席でアラームをかけて、ゆら、ゆらり。

 楽しい一日は、こうして過ぎていった。


 ◆ ◆ ◆


「今度は何して遊ぶー?」

 翌日。さっそくZoomで、遊びの予定を尋ねるきいろ。

「さすがに、課題も進めないとなー」

「だったら、勉強会開こうよ! みんなで、ウィンウィン!」

「わたし、足手まといじゃないでしょうか?」

 るうが、不安そうに言う。

「キニシナーイ! ボクたちが、勉強教えてあげるよ! ね?」

 「うんうん」と、歌留奈とにこも同意する。

「ありがとうございます」

「じゃあ、明日ボクんちに集合~!」

 当日は、結局ゲーム大会になってしまいましたとさ。
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