たくげぶ!

みなはらつかさ

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第十二話 卓上ゲームコンテスト!

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 それぞれ残りのGWを、家族とめいめい楽しんだ一同。

 きいろは、サンリオ・ピューロランドで遊んだりしていた。

 天下御免のボクっ娘も、可愛い物には目がない。

 そんな、楽しい期間も過ぎ……。

「あ゙~……テストが近い゙し~……」

 けったいなだみ声で、きいろが部室でノートを手に唸っていた。

「きーちゃん、英語と社会だけは、ほんとダメだもんねえ」

「えー、えー。ダテに五十五点取ってませんよー。すんすーん」

 これはひどい。

「将軍の名前とか、いちいち覚えてらんないよ~」

 ふてくされる、きいろ。

「社会は私が教えてあげるから、ガンバ!」

「大阪~」

 下らないダジャレで返すぐらい、士気が落ちているようだ。

 るうは学年が違うので、本日は一年一組の教室で過ごしている。

「るーこは、達者にやってるかねえ……」

「あれで結構、しっかりしてっから、だいじょーぶなんじゃねーの?」

「だといいねえ」

 外に目をやるきいろ。梅雨にはまだ早いが、あいにくの雨模様だった。

 そして月日は過ぎ、テスト期間も終わり……。

「るーこ~! 久しぶり~!」

「お久しぶりです」

 二人でハグしあっていた。

「お熱いこって。るうは、手応えどうだったよ」

「ぼちぼちですね。みなさんは?」

「ボクに、それ訊く?」

 きいろの周囲の湿度が、十%上がった!

「あっはい、色々察しました。お二人は?」

「まああまあかな」

「アタシも。ただ、数学と理科は、ちょっと自信ねーな」

 自分の肩を揉む、にこ。

「佐武先輩と真逆なんですね」

「まーね」

「それより! テスト明けたんだから、遊ぼう!」

 ドン! と、カードゲーム、ボードゲームを机に置くきいろ。

「そうですねー。わたしも、ゲームが恋しいです」

「でしょでしょ? 何やる!?」

 わちゃわちゃと話し合う、四人娘。

 本日は、モノポリーというゲームに決まった。

 モノポリーはー、すごろくゲームであるが、土地を買い、そこに建物を建てて金を稼ぐゲームである。

 このとき重要なのが、プレイヤー間で土地や金銭の交換ができるということだ。

 これにより、交渉力が大事になってくる。

「るうちゃん、ボードウォークと鉄道交換しない?」

「いいですよー」

「ちょい待ち。アタシのバーモント通りと四百ドルで、そのボードウォーク交換せん?」

 ボードウォーク。最高額物件として、人気である。

 一方きいろは、黙々と安物件を買いながら、漫遊中。

「ボクもなー。まとまった土地あったら、交換申し出るんだけど」

 きいろの物件は、あちこちに細かく分散していた。

「だったら、そのバルティック通り、どっかと交換してくれ」

「やだー。にこちん、ブラウン独占しちゃうじゃん」

 わいのわいのと、にぎやかにプレイ。

 こうして、勝負は試合巧者、にこの勝利。

「この手の交渉ゲー強いよね、にこちゃんは」

「ねー」

 歌留奈と顔を見合わせるきいろ。

「手も足も出ませんでした……」

 一方、るうはドベ。結局、保持しきったボードウォークに、誰も止まってくれなかったのが不運であった。

「どんまい。初挑戦だもんよ。そだ、夏休みどうするん?」

「あー、また合宿やる?」

 机の上で垂れながら、皆に問うきいろ。

「アタシ、しばらく海行くぜ? 家族と」

「えー、うらやまー。ボクも、お願いしてみようかなー。でも、エクスプも進めたいよね」

 相変わらず、垂れモード。

「LINEでやり取りでよくね?」

「こっから先、データが多くなるんだよね。武器性能とかさ」

「あー。だと、LINEじゃやりづらいか」

「にこちんは、いつまで海に行ってるの?」

「夏休みの入りから、三泊四日の予定」

「ほむ」

 なら、十分じゅうぷん遊べる時間はあるなー、と考えるきいろであった。

「とりあえず、当時の銃器とかの資料ほしいな」

「それは、私がやっとくね」

「わたしも、お手伝いします!」

 るうが挙手。

「じゃあ、一緒に図書館行きましょ」

「ボクは、スキルと物資周りのルール固めるかー」

 うーんと、伸びをするきいろ。

「ここに置いてあるゲームも、結構持って帰らないとなー」

 佐武家にあるゲームは、父の私物が多く、古めの作品揃いだ。夏休みにみんなで遊ぶとなると、色々と学校から新しめの作品を持って帰りたい。

「あっ!」

 突如として、スマホ片手にるうが、素っ頓狂な声を上げる。

「どしたのー?」

「見てください、これ!」

 画面には、「卓上ゲームコンテスト」の文字が!

「え! なにこれ! ボクたちのために、あるようなもんじゃん!」

「それは言いすぎだと思うけど。興味深いね」

「最優秀賞、百万円&商品化!? やるしかねーじゃん、こんなの!」

 一同、食い入れ状態。

「いやー、コンベでもないかなって調べてたら、ヒットしちゃいました」

「でかした!」

 にこに頭を撫でられる、るう。照れて、頬を赤らめうつむいてしまう。

「よし! Xデーは、これの締切の二月二十九日! はりきっていこー!」

「おー!」

 きいろの掛け声の下、結束を固める一同であった。
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