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第十一話 GW合宿! ―後編―
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「はふぉふぇ、ホク、はははしいはいへあほもひふいはんは~」
デジャ・ヴュ。今朝も、お米をもぐもぐ咀嚼しながら、謎言語で一同に語りかけるきいろ。
「き~い~ろ~」
「ふぁふぇはふ!」
母のお小言が飛んできそうなので、頑張ってお米を飲み込む。
ちなみに、今日の朝食は、鯵の干物に豆腐の味噌汁、きゅうりのぬか漬け。これまた、なかなかにごきげんだ。
「あのね、ボク、新しいアイデア思いついたんだ~」
「今日はどんなの?」
「あとでね。また、長くなりそうだから」
だったら、最初から後で話せばいいのにと思う、歌留奈であった。
「ごちそうさまでした!」
元気に朝食を食べ終え、皿洗いするきいろ。皿を洗うと、歯を磨きに行く。
こうして、佐武家と三人の朝食は終わり、舞台はお馴染み、客間へ。
「で、新しいアイデアって何?」
「うん。今のゲームって、たいていスキルがあるでしょ? エクスプにも、そういうの搭載しようと思って」
「へー。例えば?」
今日のお茶請けの一つ、塩せんべいを頬張る歌留奈。朝食後だというのに、健啖なものだ。
「シンプルに、成功率が上がるのとか、致命傷をなかった事にするのとか」
「ふーん。わりとフツーだな」
「ここは、奇をてらってもしょうがないから。ただ、スキル名に凝る。『死ぬかと思ったぜ』とか、『こんなこともあろうかと』とか」
「なんだそりゃ」
緑茶をすするにこ。
「ジョジョの奇妙な冒険ってあるじゃない? あれのゲーム、わりとセリフが必殺技名になってるんだよ。そこから思いついた」
「あー、うちの親父と対戦したことあるわ」
うんうんと頷く。
「ほかには、どんなスキルがあるんですか?」
「そこは、おいおい。ボクも、寝る前に思いついたばかりだもん」
昨晩、布団の中で、なにやらスマホをいじっていたかと思えば、と、思い返するう。
「あとね、物資っていうステータスも入れようかと思って」
「ほう? どんなん?」
キットカットを頬張る、にこ。
「このゲームの報酬って、フツーに考えて、マジックアイテムないじゃん? だから、プレイヤーのモチベアップの、バフ要素」
「よく、あれこれ思いつきますね」
「えっへん!」
腕組みして、胸を反らす。
「でねでね、まだあるんだ!」
「まだあるんか! いくつ思いつくんだよ、お前……」
「シナリオはズバリ、一本道にする!」
びっと、人差し指を立てる。
「えっ? TRPGって、自由度が売りなんですよね?」
「そだよー。でもね、ウィルダネス・アドベンチャー……野外での冒険をそう呼ぶんだけど、それ、手間の割に意外と取りこぼされることが多くてね、シナリオ作るの面倒なんだー」
ウィルダネス・アドベンチャーでは、マップを五×五などの格子状に区切って、そこを探索……などというパターンが多くなる。
しかし、全部回るとは限らない……というか、多くが無駄になりがちだ。きいろは、その無駄を省きたいと考えている。
「一本道なんて、楽しいんですか?」
「楽しいよー。シナリオが実質ない、サイコロ・フィクションシリーズなんかもあるし。ためしに、一本道の代表、アルシャード・ガイアやってみよーか。お父さんに、シナリオ借りてくる」
そう言って、中座してしまった。そして、しばしした頃。
「お待たせー。にこちんとかるかんは経験者だから、ルールとキャラ作成、二人に教わって。ボクは、シナリオ読み込むから」
「はい」
こうして、少しした後、実プレイが始まり、終わった。
「一本道でも、面白いんですね!」
「なんだかんだで、アドリブの余地あるからね。こんな感じになると思う。さらに、もっとお手軽にシナリオ作れるイージー化ルールも作りたいね!」
満面の笑顔。
「よくばりセットだなー」
「やるからには、とことんだよ!」
むんと、胸を反らす。
「世界観班は、なんかある?」
「大した進展はないんだけど、秘境は突然海上に確認された大陸か島にしようと思うの」
「その心は?」
「秘境って、原住民が槍とか弓で出てくるイメージでしょう? でも、それで銃をバンバン撃ってたら、感じ悪いなって。だから、突然現れた無人島」
きいろが、「ほー」と感心する。
「代わりに、シエンとかアークの入植地があることにする。これで、シティアドベンチャーもできるはずだから」
「なるほどね! さすがだね、みんな!」
ビッと、ダブル・サムズ・アップするきいろに、歌留奈とにこが、ダブル・サムズアップで返す。るうも、一拍遅れて、それに倣う。
「そろそろ、晩御飯にしたいんだけど、いいかしら?」
母が襖を開けて尋ねてきたので、「はーい」と、一同元気に答える。こうして、合宿二日目の夜も、有意義なものになった。
デジャ・ヴュ。今朝も、お米をもぐもぐ咀嚼しながら、謎言語で一同に語りかけるきいろ。
「き~い~ろ~」
「ふぁふぇはふ!」
母のお小言が飛んできそうなので、頑張ってお米を飲み込む。
ちなみに、今日の朝食は、鯵の干物に豆腐の味噌汁、きゅうりのぬか漬け。これまた、なかなかにごきげんだ。
「あのね、ボク、新しいアイデア思いついたんだ~」
「今日はどんなの?」
「あとでね。また、長くなりそうだから」
だったら、最初から後で話せばいいのにと思う、歌留奈であった。
「ごちそうさまでした!」
元気に朝食を食べ終え、皿洗いするきいろ。皿を洗うと、歯を磨きに行く。
こうして、佐武家と三人の朝食は終わり、舞台はお馴染み、客間へ。
「で、新しいアイデアって何?」
「うん。今のゲームって、たいていスキルがあるでしょ? エクスプにも、そういうの搭載しようと思って」
「へー。例えば?」
今日のお茶請けの一つ、塩せんべいを頬張る歌留奈。朝食後だというのに、健啖なものだ。
「シンプルに、成功率が上がるのとか、致命傷をなかった事にするのとか」
「ふーん。わりとフツーだな」
「ここは、奇をてらってもしょうがないから。ただ、スキル名に凝る。『死ぬかと思ったぜ』とか、『こんなこともあろうかと』とか」
「なんだそりゃ」
緑茶をすするにこ。
「ジョジョの奇妙な冒険ってあるじゃない? あれのゲーム、わりとセリフが必殺技名になってるんだよ。そこから思いついた」
「あー、うちの親父と対戦したことあるわ」
うんうんと頷く。
「ほかには、どんなスキルがあるんですか?」
「そこは、おいおい。ボクも、寝る前に思いついたばかりだもん」
昨晩、布団の中で、なにやらスマホをいじっていたかと思えば、と、思い返するう。
「あとね、物資っていうステータスも入れようかと思って」
「ほう? どんなん?」
キットカットを頬張る、にこ。
「このゲームの報酬って、フツーに考えて、マジックアイテムないじゃん? だから、プレイヤーのモチベアップの、バフ要素」
「よく、あれこれ思いつきますね」
「えっへん!」
腕組みして、胸を反らす。
「でねでね、まだあるんだ!」
「まだあるんか! いくつ思いつくんだよ、お前……」
「シナリオはズバリ、一本道にする!」
びっと、人差し指を立てる。
「えっ? TRPGって、自由度が売りなんですよね?」
「そだよー。でもね、ウィルダネス・アドベンチャー……野外での冒険をそう呼ぶんだけど、それ、手間の割に意外と取りこぼされることが多くてね、シナリオ作るの面倒なんだー」
ウィルダネス・アドベンチャーでは、マップを五×五などの格子状に区切って、そこを探索……などというパターンが多くなる。
しかし、全部回るとは限らない……というか、多くが無駄になりがちだ。きいろは、その無駄を省きたいと考えている。
「一本道なんて、楽しいんですか?」
「楽しいよー。シナリオが実質ない、サイコロ・フィクションシリーズなんかもあるし。ためしに、一本道の代表、アルシャード・ガイアやってみよーか。お父さんに、シナリオ借りてくる」
そう言って、中座してしまった。そして、しばしした頃。
「お待たせー。にこちんとかるかんは経験者だから、ルールとキャラ作成、二人に教わって。ボクは、シナリオ読み込むから」
「はい」
こうして、少しした後、実プレイが始まり、終わった。
「一本道でも、面白いんですね!」
「なんだかんだで、アドリブの余地あるからね。こんな感じになると思う。さらに、もっとお手軽にシナリオ作れるイージー化ルールも作りたいね!」
満面の笑顔。
「よくばりセットだなー」
「やるからには、とことんだよ!」
むんと、胸を反らす。
「世界観班は、なんかある?」
「大した進展はないんだけど、秘境は突然海上に確認された大陸か島にしようと思うの」
「その心は?」
「秘境って、原住民が槍とか弓で出てくるイメージでしょう? でも、それで銃をバンバン撃ってたら、感じ悪いなって。だから、突然現れた無人島」
きいろが、「ほー」と感心する。
「代わりに、シエンとかアークの入植地があることにする。これで、シティアドベンチャーもできるはずだから」
「なるほどね! さすがだね、みんな!」
ビッと、ダブル・サムズ・アップするきいろに、歌留奈とにこが、ダブル・サムズアップで返す。るうも、一拍遅れて、それに倣う。
「そろそろ、晩御飯にしたいんだけど、いいかしら?」
母が襖を開けて尋ねてきたので、「はーい」と、一同元気に答える。こうして、合宿二日目の夜も、有意義なものになった。
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