【男の娘BL】ボクと彼の、はじめてだらけの恋物語!

みなはらつかさ

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エピソード19 ボクたちの初水族館・後編

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 アマゾン、東南アジア、アフリカ、マングローブ河川といった、エキゾチックな川々を模した水槽を巡っていく。

 マングローブって不思議だなー。なんで、根腐れ起こさないんだろ?

 ポトフポトスの先代を育ててた頃、謎に枯れちゃって、小さかったボクは混乱して、悲しんで、両親に相談してみた。

 でも、ふたりとも園芸に詳しいわけではないから、必死にググってくれて。どうやら、お水をあげすぎてしまったらしい。

 当時のボクは、お水はあげるほどいいと思ってたから、それは衝撃的で。尊い犠牲の上に、今の元気なポトフくんが、すくすく育ってるわけです。

「おーい、どした? 進まないと」

「あ、ごめん」

 つい、考え事を。移動~。

 続いては、両生類と爬虫類の水槽。う~ん、けろっぴはかわいいのになあ。どうにも、リアルカエルは……。

 次に移動すると……アザラシ! や~ん、かわいい~! パシャリ!

「お前って、興味が態度と顔に、よく出るよね」

 タケルくん、苦笑。

「えー? そう?」

「さっき二つの水槽とここで、全然キラキラ度違うぜ」

「あう~」

「さ、後がつかえてる。進もう」

 アザラシくんとお別れ。しょんぼり。

 続いて南海! おお~、鮮やか~!

 なんで、南の魚って、こんなカラフルなんだろうね?

 タケルくんに訊いてみると、さすがのタケルくんも、「さあ~? 言われてみれば、不思議だな」と、首を傾げてました。

 続いて、日本の川。おお、ヤマメにイワナに、鮎! どれも、塩焼きが美味しいんだよね~。

 養殖の鮎以外は、スーパーで手に入りにくいのが難点だね。昨日の夕食も、ちょうど鮎だったな。

「食べる事、考えてるだろ」

「うっ。わかる?」

「ほんと、顔に出やすいよな」

 むう。パンフを見ると一周してたようで、自販機とかトイレのエリアに戻ってきました。

「上に、タリーズがあるらしいぜ。給水はいいかな」

「トイレだけ行っとこ」

 女子トイレって、ほんと混むんだよ……。それでも、絶対男子トイレは使いたくない。

 ……ふう。

 では、屋上へ~!


 ◆ ◆ ◆


「アシカだ! ショーやってるよ!」

 タケルくんの手を引いて、アシカショーの観覧席に着席!

 かわいい~!

 すごい! 算数解いてる! 頭いい~! ご褒美に、お魚もらってますよ。

 あとは、アシカといえばこれ! な玉突き。

「かわいい! かわいいよー!」

「だなー。ああ、終わっちゃったよ」

 次回まで、だいぶあるみたい。

「次、行こうぜ」

「うん」

 名残惜しいけど、このまま座ってても、しょうがない。アシカ水槽の写真を撮ってとろけた後は、次へ。

 タリーズに到着! ……したのはいいけど、混んでるね~。

「しゃーない。並ぼうぜ」

 二人で、今までの写真を眺めながら、雑談。

 だいぶ待って、着席。屋内に建ててくれればいいのに。暑いよ~。

「やーん、かわいい~! ボクこれにする~!」

 ペンギンとカワウソののパンケーキをお買い上げ。ついでに、スプラッシュブルーとかいう、おしゃれな青いドリンクを。

 タケルくんは、アボカドのホットドックと、サンドイッチセットと、チョコリスタ。さすが、よく食べるな~。と、思ってたら……。

「サンドイッチ、シェアしようぜ」

「いいの?」

「それじゃ、足りないだろ」

 たしかに、だいぶ歩いたし、少食のボクでも、パンケーキ一枚だけは辛いかな。ご厚意に、甘えちゃおう!

 ほんと、タケルくんは気遣いが素敵だな~。

 ゆっくり食事を愉しみたいとこだけど、後がつかえてるからね。手早く食べていく。

「ごちそうさまでした!」

 さあ、旅の再開だ!

 お次は、カワウソと鳥さんたちのエリア。

 カワウソかわいい~! パシャリ! はー、眼福。

 わわ! 天井の水槽を、ペンギンが泳いでる~!

「おー……すげー……」

 タケルくんも、思わず感動。

「ねー、すごいねー……」

 手をつないだまま、しばし幻想空間に浸る。

 ほかには、草原をよちよち歩くペンギンを、パシャリ!

 ついに、水族館の旅も終わり。楽しかったし、綺麗だったり可愛かったりしたけど。名残惜しいなあ。

「また、来たいな」

「うん」

 余韻を味わいながら、出口に向かうボクたちでした。


 ◆ ◆ ◆


 帰りの車内。運良く並んで座れたけど、疲れが一気に出たのか、うつらうつらしてしまう。

「眠そうだな」

「うん」

 口に手を当てて、あくび。

「寝てていいよ。着いたら、起こしてやる」

「ありがと。タケルくんはやっぱ、サイコーの彼氏……」

 そう言いながら、彼の肩に、頭を預ける。そして、眠りの世界へ……。

 ふふ。いかにもコイビト! ってシチュエーション……だね……。

 つなぎあった手の感触が、気持ちいいな……。おやすみなさい……。すう……。
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