16 / 28
エピソード16 ボクたちの初幸せおかわり
しおりを挟む
爽やかな風に吹かれながら、タケルくんちにとーちゃーく!
「はー。今日も、幸せを満喫したよ~。名残惜しいけど、それじゃあ……」
「ちょい待ち。うち、両親帰って来るまで、だいぶ時間あるし、良かったら、寄ってかね?」
自宅に向かおうとするボクを、呼び止めるタケルくん。
なんと! 今日は、幸せのおかわりがいただけてしまうのですか!
「いいの?」
「いいから誘ってる。逆に、そっちの都合は?」
「んー。暗くなると、危ないけど……」
空を見上げると、まだまだ陽が高い。腕時計を見れば、意外にも、まだ三時手前。結構、河川敷でまったりしてた気がするんだけどな。
「うん。お言葉に甘えちゃおっかな!」
「そうこなくちゃな! 一緒に、アイス食おうぜ」
お庭に自転車を駐めさせてもらい、彼氏に誘われて、そのままうちへ……という、なんだか素敵なシチュエーションに突入しました。うきうき、どきどきしちゃうね!
リビングに入ると、エアコンを入れるタケルくん。家の中が、まだ暑い。
「じゃ、アイスよそってくるな。テキトーに、くつろいでてくれ」
そう言い残して、キッチンに行ってしまいました。
そういえば、この家のリビングって、あんまり入ったことないな。ついこないだ、ストレッチしたけど。ボクら、いつも互いの自室で過ごすことが多いもんね。
「おまっとさーん」
コーラのグラスと、ガラスの小鉢に入ったチョコアイスをトレイに載せて、戻ってきました。
「悪いな。カルピスソーダとバニラアイスは、切らしてて」
「ううん。ありがとう」
配膳後、彼も着席して、いただきます!
「んー! おいしー!」
暑い中、結構な距離を自転車漕いできたから、アイスがバツグンに美味しい!
「タケルくんって、チョコ好きなの? 公園でも、チョコソフトだったよね」
「そうだな。アイスのフレーバーでは一番好きだし、板チョコなんかも好物だ。なんてのかな。チョコ独特の、コクが好きなのかな?」
「へー。ボクは、アイスならバニラかなあ。なんか、基本! って気がして。あ、禁断の質問していい?」
身を乗り出す。
「ん? なんぞなんぞ?」
向こうも、身を乗り出してくる。
「チョコミント、あり、なし?」
「あり!」
「ボクもー! 気が合うねー!」
「いえーい!」と、手の平を、ぺしーんと打ち合わせる。歯磨き粉なんて言われたら、泣くところだったよ!
「ねね、アレやろ! 相互あ~ん!」
だって、バカップルだもの。
「ええー? これ、どっちも同じアイスだぜ?」
「そこはほら、気分ってやつで!」
「まあ、そこまで言うなら。別に、嫌ってわけでもないし」
互いに、アイスの載ったスプーンを差し出す。ぱくっ!
「お? なんか、不思議とひと味、違う気がするな?」
「だね! ほんと不思議!」
二人で、首を傾げる。
「なんだっけ、こういうの。プライバシー効果?」
「プラシーボ効果じゃね?」
「うん、多分それなんじゃないかな!」
「なるほどなー」
そんな感じで、おやつを食べ進めていると……。
「あ! そうだそうだ。アイスとコーラで、思い出した! 体重の話、どうなった?」
大声を出す、タケルくん。
「声大きいよ~。病院で診てもらったよ。単に、身長伸びて、成長したからだって。タケルくんの、言う通りだったよ」
「そか。良かったな」
「あと、ストレッチも、健康運動として、ちょこちょこやってるよ! あ、そうだ。ちょっと、訊きたいんだけど……」
声をひそめる。
「タケルくん、身長の好みってどう?」
「んー? ことお前に関してなら、ちっこくても、長身でも、愛は変わらないぞ」
「やーん、きざ~! そこがいいんだけど!」
思わず、ほっぺを両手で挟んで、照れてしまう。
「逆に、オレの身長はどう思う? 極端な話、二メートル超えたりとかさ」
「んー。ボクより背が高い分には、気にしないよ。で、ボクがタケルくんの身長を抜いちゃう事は、ないんじゃないかな?」
現時点で、だいたい十センチ弱、タケルくんの方が、背が高いからねー。
「そか」
ほっとして、頷く彼。
そして、楽しい時間は、あっという間に過ぎていき……。
「あ、さすがにそろそろ、帰らないと」
「見送るよ」
二人で玄関へ。
「じゃあ、またね」
「ちょい待ち! いつもの、お別れのキスは?」
「ごめん、ボク、今日は汗臭いから……」
さすがに、気が引ける。
「じゃ、ハグとかなしで、ほんとに軽く、一瞬!」
「んー。それならまあ、なんとか……」
ちゅっ。
表まで見送られ、「また明日ー!」と言いながら、彼をちらっと見ると、「おう、また明日なー!」と、手を振り続けていた。名残惜しさと、愛しさを噛み締め、自転車を漕ぐ。
幸せのおかわり、ごちそうさまでした!
「はー。今日も、幸せを満喫したよ~。名残惜しいけど、それじゃあ……」
「ちょい待ち。うち、両親帰って来るまで、だいぶ時間あるし、良かったら、寄ってかね?」
自宅に向かおうとするボクを、呼び止めるタケルくん。
なんと! 今日は、幸せのおかわりがいただけてしまうのですか!
「いいの?」
「いいから誘ってる。逆に、そっちの都合は?」
「んー。暗くなると、危ないけど……」
空を見上げると、まだまだ陽が高い。腕時計を見れば、意外にも、まだ三時手前。結構、河川敷でまったりしてた気がするんだけどな。
「うん。お言葉に甘えちゃおっかな!」
「そうこなくちゃな! 一緒に、アイス食おうぜ」
お庭に自転車を駐めさせてもらい、彼氏に誘われて、そのままうちへ……という、なんだか素敵なシチュエーションに突入しました。うきうき、どきどきしちゃうね!
リビングに入ると、エアコンを入れるタケルくん。家の中が、まだ暑い。
「じゃ、アイスよそってくるな。テキトーに、くつろいでてくれ」
そう言い残して、キッチンに行ってしまいました。
そういえば、この家のリビングって、あんまり入ったことないな。ついこないだ、ストレッチしたけど。ボクら、いつも互いの自室で過ごすことが多いもんね。
「おまっとさーん」
コーラのグラスと、ガラスの小鉢に入ったチョコアイスをトレイに載せて、戻ってきました。
「悪いな。カルピスソーダとバニラアイスは、切らしてて」
「ううん。ありがとう」
配膳後、彼も着席して、いただきます!
「んー! おいしー!」
暑い中、結構な距離を自転車漕いできたから、アイスがバツグンに美味しい!
「タケルくんって、チョコ好きなの? 公園でも、チョコソフトだったよね」
「そうだな。アイスのフレーバーでは一番好きだし、板チョコなんかも好物だ。なんてのかな。チョコ独特の、コクが好きなのかな?」
「へー。ボクは、アイスならバニラかなあ。なんか、基本! って気がして。あ、禁断の質問していい?」
身を乗り出す。
「ん? なんぞなんぞ?」
向こうも、身を乗り出してくる。
「チョコミント、あり、なし?」
「あり!」
「ボクもー! 気が合うねー!」
「いえーい!」と、手の平を、ぺしーんと打ち合わせる。歯磨き粉なんて言われたら、泣くところだったよ!
「ねね、アレやろ! 相互あ~ん!」
だって、バカップルだもの。
「ええー? これ、どっちも同じアイスだぜ?」
「そこはほら、気分ってやつで!」
「まあ、そこまで言うなら。別に、嫌ってわけでもないし」
互いに、アイスの載ったスプーンを差し出す。ぱくっ!
「お? なんか、不思議とひと味、違う気がするな?」
「だね! ほんと不思議!」
二人で、首を傾げる。
「なんだっけ、こういうの。プライバシー効果?」
「プラシーボ効果じゃね?」
「うん、多分それなんじゃないかな!」
「なるほどなー」
そんな感じで、おやつを食べ進めていると……。
「あ! そうだそうだ。アイスとコーラで、思い出した! 体重の話、どうなった?」
大声を出す、タケルくん。
「声大きいよ~。病院で診てもらったよ。単に、身長伸びて、成長したからだって。タケルくんの、言う通りだったよ」
「そか。良かったな」
「あと、ストレッチも、健康運動として、ちょこちょこやってるよ! あ、そうだ。ちょっと、訊きたいんだけど……」
声をひそめる。
「タケルくん、身長の好みってどう?」
「んー? ことお前に関してなら、ちっこくても、長身でも、愛は変わらないぞ」
「やーん、きざ~! そこがいいんだけど!」
思わず、ほっぺを両手で挟んで、照れてしまう。
「逆に、オレの身長はどう思う? 極端な話、二メートル超えたりとかさ」
「んー。ボクより背が高い分には、気にしないよ。で、ボクがタケルくんの身長を抜いちゃう事は、ないんじゃないかな?」
現時点で、だいたい十センチ弱、タケルくんの方が、背が高いからねー。
「そか」
ほっとして、頷く彼。
そして、楽しい時間は、あっという間に過ぎていき……。
「あ、さすがにそろそろ、帰らないと」
「見送るよ」
二人で玄関へ。
「じゃあ、またね」
「ちょい待ち! いつもの、お別れのキスは?」
「ごめん、ボク、今日は汗臭いから……」
さすがに、気が引ける。
「じゃ、ハグとかなしで、ほんとに軽く、一瞬!」
「んー。それならまあ、なんとか……」
ちゅっ。
表まで見送られ、「また明日ー!」と言いながら、彼をちらっと見ると、「おう、また明日なー!」と、手を振り続けていた。名残惜しさと、愛しさを噛み締め、自転車を漕ぐ。
幸せのおかわり、ごちそうさまでした!
5
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


シチュボ(女性向け)
身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。
アドリブ、改変、なんでもOKです。
他人を害することだけはお止め下さい。
使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。
Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる