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エピソード10 ボクたちの初公園デート・後編
しおりを挟む「ごっそさんでした! 美味かったぜ~」
「お粗末様でした。ありがとう。ボクも、もう少しで食べ終わるから、待っててね」
合掌した後、笑顔を向けてくるタケルくんに、ボクもはにかみ返す。
幸せを噛み締めながら、マイ手作り弁当を、もぐもぐと食べ進めるのでした。
「ふ~……ごちそうさま」
ボクも、合掌。
「ちょっと食休みしたら、帰ろうか」
「だな」
なんて言ってると……。
ぱたっ。
帽子に、なんか当たった!
「降ってる!」
今日は、降らないはずだったのに!
急いで、日傘を広げる。日傘を、雨傘にしてはいけないという法律はないのです!
「よし、全部しまったぞ!」
「入って!」
密着して、相合い傘状態に。
タケルくんの、たくましい腕が、ボクの肩に触れる。自分と、こんなにも違うんだなあ。
「どうしよう」
もはや、土砂降りだ。
「とりあえず、休憩所に避難しようぜ」
あそこには、屋根があるし、テーブルと椅子もある。
「うん、行こ」
二人三脚のように、ペースを合わせて、ゆっくり歩く。
しばらくして……。
「ちょっと、歩くペース落ちてないか?」
「ごめん、濡れたスカートが足にまとわりついて、歩きにくくて……」
おしゃれ心出して、ロング丈にしたのが祟ったなー……。
「そか、気をつけるよ」
ボクのペースに、合わせてくれる。ほんと、優しい。
「タケルくん、肩、はみ出てない?」
「実は、ちょっと」
「そっちに、少し傘寄せるね。もっとくっつこう」
って、我ながら、ダイタン!
「あ、ああ。じゃあ……」
身を寄せてくる彼。あー! 心臓がバクハツしそう!
密着相合い傘。雨には困ったけど、わりと嬉しい。
ドキドキしながら、休憩所へ向かうのでした。
◆ ◆ ◆
「着いたー!」
休憩所の屋根の下に入り、ひと安心!
傘の水気を飛ばしていると、なんか視線が……?
「どうかした?」
「い、いや! なんでもない!」
慌てて目をそらす、タケルくん。
今日のボクは、薄手の白ワンピ。それが、雨に濡れて……。
セルフチェックすると……。
「えっち!」
「ごめん! ごめんて! マジごめん!!」
合掌して、必死に頭を下げてくる。
「う~……。今見たものは、忘れること! OK!?」
「はい! OKです!」
今度は、ビシッと敬礼。やれやれ。今日は、服のチョイスに祟られる日だなあ。
「とりあえず、席取っちゃお。混みだしてきた」
「だな」
手近な席に、腰を落ち着ける。
「お願いあるんだけど、バニラソフト買ってきてくれる? タケルくんも、好きなの一つ買っていいから」
五百円玉を差し出す。
「いいのか?」
「もともと、自販機のジュースでも買いなさいって、もらったお金だし。あと、この格好で、うろうろできないからね。お願い」
「わかった。サンキュな!」
購買所へ向かう彼。ややあって、帰ってきました。
「ほい、バニラとお釣り」
「ありがと。チョコにしたんだ」
「うん。ほら、あれやろうぜ、シェア」
うわ~、タケルくんから、提案してきましたよ! 頬が熱くなる。
「じゃあ……」
ソフトクリームの蓋を取る。ここのソフトクリームは、機械で練りだすタイプではなく、スーパーで売ってるようなの。そこが、ちょっと惜しい。
互いに、ぱくっ! うーん、つめた~い! チョコもいいよね~。
「雨が加わって、蒸し暑いから、ありがたいなあ」
チョコソフトを、ナチュラルに舐めるタケルくん。ボクの口をつけたとこが……。やっぱ、照れるぅ! ボクも、お返し! うーん、バニラは基本!
しばし、互いに無言で、ソフトクリームを味わう。早く食べないと、溶けちゃうからね。
「ごっそさんでした!」
「ごちそうさまでした」
まだ、雨はやまない。困ったね。
「そういえば、タケルくんって、上半身も鍛えてるの?」
素朴な疑問をぶつけてみる。
「まあ、それなりに。なんでまた、急に?」
「密着状態の時、たくましい腕だなーって思って」
「ああ。走るのは、腕の振りも大事だからな」
「へー」
たしかに、短距離走の選手を思い浮かべると、上も筋肉質な人が多い。
「逆に、お前は華奢で、やっぱこう、守ってやりたくなる感じだったよ」
ぼっと、頬が熱くなる。
「照れくさいよ……」
「お互い様かな」
彼も、照れてるんだ。
「気象庁によると、にわか雨らしいぜ」
スマホをしまい、席を立って、空を覗きに行くタケルくん。
「うん、晴れ間がさし始めてる。もうすぐ晴れるな」
「そっかー。歩いてるうちに、服が乾いてくれるといいんだけど……」
雨上がりの湿度じゃ無理かな。
しばらく雑談していると、雨が完全にやみました。
「行くか」
「うん」
恋人繋ぎで、二人の家への分かれ道まで、仲良く歩いて行く。
上がったり、下がったり、忙しいデートだったな。ま、たまにはこんなのもいいよね!
「お粗末様でした。ありがとう。ボクも、もう少しで食べ終わるから、待っててね」
合掌した後、笑顔を向けてくるタケルくんに、ボクもはにかみ返す。
幸せを噛み締めながら、マイ手作り弁当を、もぐもぐと食べ進めるのでした。
「ふ~……ごちそうさま」
ボクも、合掌。
「ちょっと食休みしたら、帰ろうか」
「だな」
なんて言ってると……。
ぱたっ。
帽子に、なんか当たった!
「降ってる!」
今日は、降らないはずだったのに!
急いで、日傘を広げる。日傘を、雨傘にしてはいけないという法律はないのです!
「よし、全部しまったぞ!」
「入って!」
密着して、相合い傘状態に。
タケルくんの、たくましい腕が、ボクの肩に触れる。自分と、こんなにも違うんだなあ。
「どうしよう」
もはや、土砂降りだ。
「とりあえず、休憩所に避難しようぜ」
あそこには、屋根があるし、テーブルと椅子もある。
「うん、行こ」
二人三脚のように、ペースを合わせて、ゆっくり歩く。
しばらくして……。
「ちょっと、歩くペース落ちてないか?」
「ごめん、濡れたスカートが足にまとわりついて、歩きにくくて……」
おしゃれ心出して、ロング丈にしたのが祟ったなー……。
「そか、気をつけるよ」
ボクのペースに、合わせてくれる。ほんと、優しい。
「タケルくん、肩、はみ出てない?」
「実は、ちょっと」
「そっちに、少し傘寄せるね。もっとくっつこう」
って、我ながら、ダイタン!
「あ、ああ。じゃあ……」
身を寄せてくる彼。あー! 心臓がバクハツしそう!
密着相合い傘。雨には困ったけど、わりと嬉しい。
ドキドキしながら、休憩所へ向かうのでした。
◆ ◆ ◆
「着いたー!」
休憩所の屋根の下に入り、ひと安心!
傘の水気を飛ばしていると、なんか視線が……?
「どうかした?」
「い、いや! なんでもない!」
慌てて目をそらす、タケルくん。
今日のボクは、薄手の白ワンピ。それが、雨に濡れて……。
セルフチェックすると……。
「えっち!」
「ごめん! ごめんて! マジごめん!!」
合掌して、必死に頭を下げてくる。
「う~……。今見たものは、忘れること! OK!?」
「はい! OKです!」
今度は、ビシッと敬礼。やれやれ。今日は、服のチョイスに祟られる日だなあ。
「とりあえず、席取っちゃお。混みだしてきた」
「だな」
手近な席に、腰を落ち着ける。
「お願いあるんだけど、バニラソフト買ってきてくれる? タケルくんも、好きなの一つ買っていいから」
五百円玉を差し出す。
「いいのか?」
「もともと、自販機のジュースでも買いなさいって、もらったお金だし。あと、この格好で、うろうろできないからね。お願い」
「わかった。サンキュな!」
購買所へ向かう彼。ややあって、帰ってきました。
「ほい、バニラとお釣り」
「ありがと。チョコにしたんだ」
「うん。ほら、あれやろうぜ、シェア」
うわ~、タケルくんから、提案してきましたよ! 頬が熱くなる。
「じゃあ……」
ソフトクリームの蓋を取る。ここのソフトクリームは、機械で練りだすタイプではなく、スーパーで売ってるようなの。そこが、ちょっと惜しい。
互いに、ぱくっ! うーん、つめた~い! チョコもいいよね~。
「雨が加わって、蒸し暑いから、ありがたいなあ」
チョコソフトを、ナチュラルに舐めるタケルくん。ボクの口をつけたとこが……。やっぱ、照れるぅ! ボクも、お返し! うーん、バニラは基本!
しばし、互いに無言で、ソフトクリームを味わう。早く食べないと、溶けちゃうからね。
「ごっそさんでした!」
「ごちそうさまでした」
まだ、雨はやまない。困ったね。
「そういえば、タケルくんって、上半身も鍛えてるの?」
素朴な疑問をぶつけてみる。
「まあ、それなりに。なんでまた、急に?」
「密着状態の時、たくましい腕だなーって思って」
「ああ。走るのは、腕の振りも大事だからな」
「へー」
たしかに、短距離走の選手を思い浮かべると、上も筋肉質な人が多い。
「逆に、お前は華奢で、やっぱこう、守ってやりたくなる感じだったよ」
ぼっと、頬が熱くなる。
「照れくさいよ……」
「お互い様かな」
彼も、照れてるんだ。
「気象庁によると、にわか雨らしいぜ」
スマホをしまい、席を立って、空を覗きに行くタケルくん。
「うん、晴れ間がさし始めてる。もうすぐ晴れるな」
「そっかー。歩いてるうちに、服が乾いてくれるといいんだけど……」
雨上がりの湿度じゃ無理かな。
しばらく雑談していると、雨が完全にやみました。
「行くか」
「うん」
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