44 / 63
第四十四話 九月二十九日(金) 水の楽園! ①
しおりを挟む
「たっだいま~」
裏口から帰宅すると、愛しの妹が、例によってRPGのレベルアップに勤しんでおりました。
「ハーちゃん、ハーちゃん。お隣さんが、水着を入荷しましたよー」
「知ってるー。さっき買ったから」
な、なんだってー!?
「ハーちゃああああん! 今から、一緒に買いに行こうと思ったのにいいいいい!」
「だって、おねーちゃん、何時に帰ってくるかわかんないんだもん。あんまり遅くなると、フーちゃん危ないし」
「そりゃ、そうだけど~」
とほほ。
「逆に、おねーちゃんの買い物に付き合おうか?」
「ごめん、こっちもそれ終わっちゃった」
「なんだ、おねーちゃんも自分のぶん、さっさと買っちゃったんじゃない」
ぐうの音も出ない。
「じゃあ、どんなの買ったか、見せあいっこしよう!」
「ええ~恥ずかしいな~……。そりゃあ、おねーちゃんに見てもらいたいのは山々だけど? わざわざ、そのためだけに着替えるのも、ちょっとっていうかー」
うにゅう。まあ、ゲームもいいとこっぽいしねえ。
「くぅ~っ! わかった! 明日の楽しみに取っとく! その代わり、ボクのかっこいいのも見てよね。ふふふ」
「うん! 楽しみにしてて! 私も、楽しみにしてる!」
うふふ~。じゃあ、今日はさくっとお風呂入って、宿題して休みましょーっと。明日、いーっぱい遊びたいもんねー。
◆ ◆ ◆
翌朝。バーシと三人でバスに乗って、駅へGO! 次のバス停で、フーちゃんも乗り合わせてきました。
「ハーちゃん、お姉さん方、おはようございます」
「おっはよー」
みんなで、フーちゃんにご挨拶。
雑談しながら駅に着くと、見慣れた二人の姿がありました。
「ククー、シャロン~。おはよー!」
「おーっす!」
「はよっすー!」
全員で挨拶を交わし合う。
「えーと、こっちの子がハーちゃんかな?」
ククは、髪色で判断したようです。フーちゃん黒髪だからね。
「はじめまして、ハーシル・トマルナーです」
ぺこりとお辞儀。ふふ、猫被っちゃって。
「ハーちゃんのお友達の、フローラ・ルルナーシュです。はじめまして!」
フーちゃんも、自己紹介。
「あたしは、クク・チェンバレン」
「シャロン・レーベルトっす。ハーちゃんとは、二度目っすね」
凸凹サイドも自己紹介。
「じゃ、電車乗ろー」
「おー!」
みんなで切符を買い、切ってもらう。自動改札がないので、駅員さんが一つ一つ、パチンパチンと穴を空けるのです。大変だねー。
駅に入ると、少しして電車が来ました。
五駅ほどおしゃべりしていると、目的の駅に到着!
で、改札では駅員さんが、どこの駅から来たか、穴の形で確認。大変だねえ。
ここからは、ちょっと歩き。買いたてほやほやの地図を参考に、あっちへ、こっちへ。
着きました! 大型レジャープール、「アクィア・ヘーウン」! 中央入口へ行き、入場券を買います。ボクたち、中学生と小学生なので、それぞれ割引き価格で入場~。
それでは、女子更衣室へGO~!
しかし、こうやって「女子何とか」に入るたび、「自分ってこっち側なんだなー」って思い知らされるねえ。別に男子更衣室に入りたいわけでも、嫌なわけでもないけど。なんとなく、なんとなく。
「うお、想像以上にご立派ですなー」
「何?」
バーシがオヤジ臭い声を上げるので、バーシの視線を追うと、上を脱いだククがいました。
「ジロジロ見んなよ~。恥ずかしいだろ~」
「いいじゃあないですか。減るもんでなし」
バーシ、ほんとにただのスケベオヤジだよ……。
「だめっすー。姉さんの裸体は、うちのもんっす。姉さんの裸を見たければ、うちを倒すっす」
ククの前に、立ちはだかるシャロン。
「お前も、遊んでねーで着替えろっつーの」
そういえば、ハーちゃんは?
あ、少し離れたとこのロッカー使ってる。照れくさいのか。あるいは、ボクら中学生組に遠慮してるのかな。
とりあえず、着替えちゃおう。
「いやー、アユムさんも、相変わらず引き締まったお腹と下半身、してますなあ~」
スケベオヤジが、今度はボクに、ターゲットを変えたぞ……。無視、無視。
とまあ、バーシ一人がはしゃぐ中、全員着替え終了。
「じゃーん、私もセパレートにしたよー」
バーシも白のラインでアクセントを付けた、紫のセパレート。ククのより布面積が広いけど、野暮ったくないのはさすが。
「やっぱ、恥ずかし~」
そしてクク。中一とは思えないナイスバディを、少ない面積のビキニが覆ってる。
「かはー! 姉さん、最高っすー!」
そして、青い水着に黒の猫シルエットのシャロン。幼すぎず、大人すぎず。
「おねーちゃーん! 終わったよー」
ハーちゃんたちが、ぺたぺたと走り寄ってくる。こらこら、走っちゃいけません。
「OH! ベリー・プリティー!」
ハーちゃんは、黒地に黄の太いラインが縦に一本入ったワンピース。フーちゃんは、ピンク地の白水玉、フリル付き。
「ありがとう~。おねーちゃんも、かっこいいよ!」
「いえーい! さんきゅー、マイシスター!」
ボク、明らかにテンションがおかしい。
「やれやれ。私を差し置いて、妹にコーフンですか。このシスコンめ」
バーシのヤジが聞こえるけど、キニシナーイ。
「だってー。バーシがオシャレなの、わかりきってるしー?」
「もー。そうやって、雑に褒めてごまかすー。どうよ、どうよ?」
色っぽいポーズを付けて、うりうりと見せびらかしてくる。
「うん。すごく似合ってる。グーよグー」
「感情、こもってないぞー。まあ、いいや。行きましょ」
というわけで、内部のアトラクションへ! 楽しみぃ!
裏口から帰宅すると、愛しの妹が、例によってRPGのレベルアップに勤しんでおりました。
「ハーちゃん、ハーちゃん。お隣さんが、水着を入荷しましたよー」
「知ってるー。さっき買ったから」
な、なんだってー!?
「ハーちゃああああん! 今から、一緒に買いに行こうと思ったのにいいいいい!」
「だって、おねーちゃん、何時に帰ってくるかわかんないんだもん。あんまり遅くなると、フーちゃん危ないし」
「そりゃ、そうだけど~」
とほほ。
「逆に、おねーちゃんの買い物に付き合おうか?」
「ごめん、こっちもそれ終わっちゃった」
「なんだ、おねーちゃんも自分のぶん、さっさと買っちゃったんじゃない」
ぐうの音も出ない。
「じゃあ、どんなの買ったか、見せあいっこしよう!」
「ええ~恥ずかしいな~……。そりゃあ、おねーちゃんに見てもらいたいのは山々だけど? わざわざ、そのためだけに着替えるのも、ちょっとっていうかー」
うにゅう。まあ、ゲームもいいとこっぽいしねえ。
「くぅ~っ! わかった! 明日の楽しみに取っとく! その代わり、ボクのかっこいいのも見てよね。ふふふ」
「うん! 楽しみにしてて! 私も、楽しみにしてる!」
うふふ~。じゃあ、今日はさくっとお風呂入って、宿題して休みましょーっと。明日、いーっぱい遊びたいもんねー。
◆ ◆ ◆
翌朝。バーシと三人でバスに乗って、駅へGO! 次のバス停で、フーちゃんも乗り合わせてきました。
「ハーちゃん、お姉さん方、おはようございます」
「おっはよー」
みんなで、フーちゃんにご挨拶。
雑談しながら駅に着くと、見慣れた二人の姿がありました。
「ククー、シャロン~。おはよー!」
「おーっす!」
「はよっすー!」
全員で挨拶を交わし合う。
「えーと、こっちの子がハーちゃんかな?」
ククは、髪色で判断したようです。フーちゃん黒髪だからね。
「はじめまして、ハーシル・トマルナーです」
ぺこりとお辞儀。ふふ、猫被っちゃって。
「ハーちゃんのお友達の、フローラ・ルルナーシュです。はじめまして!」
フーちゃんも、自己紹介。
「あたしは、クク・チェンバレン」
「シャロン・レーベルトっす。ハーちゃんとは、二度目っすね」
凸凹サイドも自己紹介。
「じゃ、電車乗ろー」
「おー!」
みんなで切符を買い、切ってもらう。自動改札がないので、駅員さんが一つ一つ、パチンパチンと穴を空けるのです。大変だねー。
駅に入ると、少しして電車が来ました。
五駅ほどおしゃべりしていると、目的の駅に到着!
で、改札では駅員さんが、どこの駅から来たか、穴の形で確認。大変だねえ。
ここからは、ちょっと歩き。買いたてほやほやの地図を参考に、あっちへ、こっちへ。
着きました! 大型レジャープール、「アクィア・ヘーウン」! 中央入口へ行き、入場券を買います。ボクたち、中学生と小学生なので、それぞれ割引き価格で入場~。
それでは、女子更衣室へGO~!
しかし、こうやって「女子何とか」に入るたび、「自分ってこっち側なんだなー」って思い知らされるねえ。別に男子更衣室に入りたいわけでも、嫌なわけでもないけど。なんとなく、なんとなく。
「うお、想像以上にご立派ですなー」
「何?」
バーシがオヤジ臭い声を上げるので、バーシの視線を追うと、上を脱いだククがいました。
「ジロジロ見んなよ~。恥ずかしいだろ~」
「いいじゃあないですか。減るもんでなし」
バーシ、ほんとにただのスケベオヤジだよ……。
「だめっすー。姉さんの裸体は、うちのもんっす。姉さんの裸を見たければ、うちを倒すっす」
ククの前に、立ちはだかるシャロン。
「お前も、遊んでねーで着替えろっつーの」
そういえば、ハーちゃんは?
あ、少し離れたとこのロッカー使ってる。照れくさいのか。あるいは、ボクら中学生組に遠慮してるのかな。
とりあえず、着替えちゃおう。
「いやー、アユムさんも、相変わらず引き締まったお腹と下半身、してますなあ~」
スケベオヤジが、今度はボクに、ターゲットを変えたぞ……。無視、無視。
とまあ、バーシ一人がはしゃぐ中、全員着替え終了。
「じゃーん、私もセパレートにしたよー」
バーシも白のラインでアクセントを付けた、紫のセパレート。ククのより布面積が広いけど、野暮ったくないのはさすが。
「やっぱ、恥ずかし~」
そしてクク。中一とは思えないナイスバディを、少ない面積のビキニが覆ってる。
「かはー! 姉さん、最高っすー!」
そして、青い水着に黒の猫シルエットのシャロン。幼すぎず、大人すぎず。
「おねーちゃーん! 終わったよー」
ハーちゃんたちが、ぺたぺたと走り寄ってくる。こらこら、走っちゃいけません。
「OH! ベリー・プリティー!」
ハーちゃんは、黒地に黄の太いラインが縦に一本入ったワンピース。フーちゃんは、ピンク地の白水玉、フリル付き。
「ありがとう~。おねーちゃんも、かっこいいよ!」
「いえーい! さんきゅー、マイシスター!」
ボク、明らかにテンションがおかしい。
「やれやれ。私を差し置いて、妹にコーフンですか。このシスコンめ」
バーシのヤジが聞こえるけど、キニシナーイ。
「だってー。バーシがオシャレなの、わかりきってるしー?」
「もー。そうやって、雑に褒めてごまかすー。どうよ、どうよ?」
色っぽいポーズを付けて、うりうりと見せびらかしてくる。
「うん。すごく似合ってる。グーよグー」
「感情、こもってないぞー。まあ、いいや。行きましょ」
というわけで、内部のアトラクションへ! 楽しみぃ!
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
「南風の頃に」~ノダケンとその仲間達~
kitamitio
青春
合格するはずのなかった札幌の超難関高に入学してしまった野球少年の野田賢治は、野球部員たちの執拗な勧誘を逃れ陸上部に入部する。北海道の海沿いの田舎町で育った彼は仲間たちの優秀さに引け目を感じる生活を送っていたが、長年続けて来た野球との違いに戸惑いながらも陸上競技にのめりこんでいく。「自主自律」を校訓とする私服の学校に敢えて詰襟の学生服を着ていくことで自分自身の存在を主張しようとしていた野田賢治。それでも新しい仲間が広がっていく中で少しずつ変わっていくものがあった。そして、隠していた野田賢治自身の過去について少しずつ知らされていく……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる