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第四十三話 九月二十九日(金) ドキドキの!? 水着選び!
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「どうぞー。入って入って」
放課後、みんなでバーシのお店へ。おじゃましまーすと、ぞろぞろ入店。
「でね。今年の新作水着を、取り揃えてみました!」
じゃん! と、腕を広げ、水着コーナーを見せびらかすバーシ。一同から、「おお~」と声が上がる。
「誰からいくー?」
楽しそうに、立てた両人差し指を揺らすバーシ先生。
「んじゃあ、あたしからいってみっか。女は度胸!」
「お、一番手! えっとねー。クク、スタイルいいから、ぶっちゃけ、セパレートが似合うと思うのよ」
そう言って取り出したのは、白、黄、赤のセパレート。前世でいう、ビキニだ。
「うえ~。小っ恥ずかしいなあ」
「絶対似合うってー。十三歳と思えないぐらい、背も高いし、手足長いし。出るとこ出て、引っ込むとこ引っ込んでるし。ぶっちゃけ、スタイル羨ましすぎ」
そう言って、ククにとりあえず黄色を手渡す。
「恥ずいな~。シャロン、どう思う?」
「見たいっす! 姉さんのそのセパレート、すっごい見たいっす!」
ふんすと、鼻息が荒い。
「そうか~? まあ、お前がそう言うなら……。でもなあ……。うーん。何かあと一つ、勇気くれ!」
「うちの瞳を見てくださいっす! このアコガレの眼差しを!」
シャロンの瞳が、キラキラと輝いている。
「おおぅ……。なんて純粋な瞳だ……。わかった! あたしも女だ! セパレートにする! 色は、お前が選んでくれ!」
「やったっす! えーと……うーん?」
三種を見比べるシャロン。
「うん! やっぱり姉さんには、太陽の黄色が似合うっす!」
「よし、それで!」
「お買い上げ、ありがとうございまーす! おかーさーん、お友達価格ってことで、十%引きできないかなー?」
レジで店番してるおばさんに問うと、快くOKサインが出る。
「やったね! じゃあ、十%引きで。次どっちいくー?」
ボクとシャロンを交互に見るバーシ。
「姉さんがいったなら、次鋒はうちっすかね」
「シャロンは、ワンピースのほうが、似合うと思うんだよね」
青系で、無地、猫のシルエット入り、イルカのシルエット入りの、三種を出す。
「んでさらに、シャロンは、寒色が似合うと思うんだー。とりあえず三つ、私センスで選んでみたけど、どう?」
「確かに、うち暖色のイメージじゃないっすね。で、体もヒンソなので、確かにセパレートはビミョーっす。ただ、無地はなんかピンとこないっすね」
「ほいほい」と、無地を戻すバーシ。
「で、イルカと猫の二択だったら、猫っすかねー。このジャンプしてるシルエット、かっこいいっす」
脇腹からへそにかけて、黒い猫が飛びかかってるようなシルエットになっている。
「んじゃー、これでいいかな?」
「OKっす!」
「おかーさーん、これもお友達価格でよろしくー! さあ、最後はアユムくんだ!」
くん、か。なんだか、くん付け、照れくさ嬉しいな。
「アユム、セパレート嫌でしょう? お腹スリムだから、もったいなーとは思うけど、嫌なもん着せてもしょうがないし。で、ワンピースだと……」
三着取り出す先生。
「アユム、暖色のイメージなんだけど、オレンジ、黄、赤だったら、どれがいーい? とりあえず、無地の出してみたけど」
「うーん……。実はさ、さっきのシャロンのイルカの見て、ビビッときたんだよね」
「これ?」
先ほどのものを、取り出す。
「うん。これ、青緑でグラデーションになってるのとか、あったりしない?」
「お客さん、運がいいですねー。ありますよ~」
がさごそと、注文通りの品を取り出し、掲げる。
「アユム、寒色も似合うかな? ちょっと当てさせて」
ボクの体に水着を当てる、コーディネーターのバーシ先生。
「ほほー。意外と似合いますねえ。こりゃ、盲点でした。これにする?」
飛び跳ねてるイルカが、脇腹からおへそあたりに口が当たるようなデザイン。後ろは、しっぽ側。結構、かっこいい。
「うん。これが気に入った。お願いできる?」
「らじゃー。じゃ、これもお友達価格で! みんな、サイズ合うかどうかだけ、下着の上から試着してくれるかな?」
試着室に案内され、試着。改めてスカートの制服、そして下着姿を見ると、ボクってやっぱ女の子なんだよねえ、なんて思ってしまう。
嫌なわけではないけど、なんかこう、少しだけ。うまく言えないけど。
で、試着。うん。かっこいい。サイズもバッチリだ!
「バーシー。いい感じー」
「良き哉良き哉。じゃあ、脱いで~」
脱いだり着たり、また脱いで着たり、忙しいなあ。
「おまたせ。そっちはどーう?」
隣と、そのまた隣の試着室に声をかける。
「やっぱ恥ずかしいぞー、これ~」
「姉さん、今更引くのは女らしくないっすよ」
「むむむ……」
そんなやり取りをする、凸凹コンビ。
「お先っす。バッチリっす」
先に出てきたのは、シャロン。
「まー、確かに似合ってたわ。恥ずかしいけど。というわけで、よろ」
ククも出てきた。
「どうもー。じゃあ、レジへ~」
というわけで、お会計。明日が楽しみだな~。そういや、肝心のバーシ先生はどんな水着、着てくるんだろう? 気になりますねー。
放課後、みんなでバーシのお店へ。おじゃましまーすと、ぞろぞろ入店。
「でね。今年の新作水着を、取り揃えてみました!」
じゃん! と、腕を広げ、水着コーナーを見せびらかすバーシ。一同から、「おお~」と声が上がる。
「誰からいくー?」
楽しそうに、立てた両人差し指を揺らすバーシ先生。
「んじゃあ、あたしからいってみっか。女は度胸!」
「お、一番手! えっとねー。クク、スタイルいいから、ぶっちゃけ、セパレートが似合うと思うのよ」
そう言って取り出したのは、白、黄、赤のセパレート。前世でいう、ビキニだ。
「うえ~。小っ恥ずかしいなあ」
「絶対似合うってー。十三歳と思えないぐらい、背も高いし、手足長いし。出るとこ出て、引っ込むとこ引っ込んでるし。ぶっちゃけ、スタイル羨ましすぎ」
そう言って、ククにとりあえず黄色を手渡す。
「恥ずいな~。シャロン、どう思う?」
「見たいっす! 姉さんのそのセパレート、すっごい見たいっす!」
ふんすと、鼻息が荒い。
「そうか~? まあ、お前がそう言うなら……。でもなあ……。うーん。何かあと一つ、勇気くれ!」
「うちの瞳を見てくださいっす! このアコガレの眼差しを!」
シャロンの瞳が、キラキラと輝いている。
「おおぅ……。なんて純粋な瞳だ……。わかった! あたしも女だ! セパレートにする! 色は、お前が選んでくれ!」
「やったっす! えーと……うーん?」
三種を見比べるシャロン。
「うん! やっぱり姉さんには、太陽の黄色が似合うっす!」
「よし、それで!」
「お買い上げ、ありがとうございまーす! おかーさーん、お友達価格ってことで、十%引きできないかなー?」
レジで店番してるおばさんに問うと、快くOKサインが出る。
「やったね! じゃあ、十%引きで。次どっちいくー?」
ボクとシャロンを交互に見るバーシ。
「姉さんがいったなら、次鋒はうちっすかね」
「シャロンは、ワンピースのほうが、似合うと思うんだよね」
青系で、無地、猫のシルエット入り、イルカのシルエット入りの、三種を出す。
「んでさらに、シャロンは、寒色が似合うと思うんだー。とりあえず三つ、私センスで選んでみたけど、どう?」
「確かに、うち暖色のイメージじゃないっすね。で、体もヒンソなので、確かにセパレートはビミョーっす。ただ、無地はなんかピンとこないっすね」
「ほいほい」と、無地を戻すバーシ。
「で、イルカと猫の二択だったら、猫っすかねー。このジャンプしてるシルエット、かっこいいっす」
脇腹からへそにかけて、黒い猫が飛びかかってるようなシルエットになっている。
「んじゃー、これでいいかな?」
「OKっす!」
「おかーさーん、これもお友達価格でよろしくー! さあ、最後はアユムくんだ!」
くん、か。なんだか、くん付け、照れくさ嬉しいな。
「アユム、セパレート嫌でしょう? お腹スリムだから、もったいなーとは思うけど、嫌なもん着せてもしょうがないし。で、ワンピースだと……」
三着取り出す先生。
「アユム、暖色のイメージなんだけど、オレンジ、黄、赤だったら、どれがいーい? とりあえず、無地の出してみたけど」
「うーん……。実はさ、さっきのシャロンのイルカの見て、ビビッときたんだよね」
「これ?」
先ほどのものを、取り出す。
「うん。これ、青緑でグラデーションになってるのとか、あったりしない?」
「お客さん、運がいいですねー。ありますよ~」
がさごそと、注文通りの品を取り出し、掲げる。
「アユム、寒色も似合うかな? ちょっと当てさせて」
ボクの体に水着を当てる、コーディネーターのバーシ先生。
「ほほー。意外と似合いますねえ。こりゃ、盲点でした。これにする?」
飛び跳ねてるイルカが、脇腹からおへそあたりに口が当たるようなデザイン。後ろは、しっぽ側。結構、かっこいい。
「うん。これが気に入った。お願いできる?」
「らじゃー。じゃ、これもお友達価格で! みんな、サイズ合うかどうかだけ、下着の上から試着してくれるかな?」
試着室に案内され、試着。改めてスカートの制服、そして下着姿を見ると、ボクってやっぱ女の子なんだよねえ、なんて思ってしまう。
嫌なわけではないけど、なんかこう、少しだけ。うまく言えないけど。
で、試着。うん。かっこいい。サイズもバッチリだ!
「バーシー。いい感じー」
「良き哉良き哉。じゃあ、脱いで~」
脱いだり着たり、また脱いで着たり、忙しいなあ。
「おまたせ。そっちはどーう?」
隣と、そのまた隣の試着室に声をかける。
「やっぱ恥ずかしいぞー、これ~」
「姉さん、今更引くのは女らしくないっすよ」
「むむむ……」
そんなやり取りをする、凸凹コンビ。
「お先っす。バッチリっす」
先に出てきたのは、シャロン。
「まー、確かに似合ってたわ。恥ずかしいけど。というわけで、よろ」
ククも出てきた。
「どうもー。じゃあ、レジへ~」
というわけで、お会計。明日が楽しみだな~。そういや、肝心のバーシ先生はどんな水着、着てくるんだろう? 気になりますねー。
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姉妹作⇒https://www.alphapolis.co.jp/novel/334326892/132755025(完結) 他長編「神奈さんとアメリちゃん」https://www.alphapolis.co.jp/novel/334326892/663488280(完結)「小市民魔導剣士、冒険しつつ異世界を食べ歩く!」https://www.alphapolis.co.jp/novel/334326892/440658351(完結)「〈社会人百合〉アキとハル」https://www.alphapolis.co.jp/novel/334326892/968690065(完結)「自称・漆黒の堕天使が異世界を改革するようです」https://www.alphapolis.co.jp/novel/334326892/635743463(完結)
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