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第九話

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彼とお別れする時が刻々と迫っていた。

別れる日を決めてるとかではなく、
すれ違う時間が増えていったという意味。

彼が家に帰ってこなくなった。
GPSも切ってどこにいるのかもわからない。

私は職場まで行って、帰ってくるのを待ったりした。

ストーカーだと言われた。
きっとそうなのかもしれない。

でも、家で待ってなんていられなかった。

彼を把握してないと、気が済まなかった。

どうやったら終わりにできるのか、自分でもわからなかった。

出会い系で他の男性と会ってみたりもした。
でもダメだった。

連絡先や想い出を全部消して、旦那の元へ帰り、時間が過ぎるのを待つ。

これが最善なのだと思う。

でも、彼のことが頭から離れない。

どうしたらいい。。。

私がいないところで、他の女と関わって欲しくない。

私だけの物にしたい。いっそ、殺してしまいたい。

そういう願望が高まっていた。

うつ病とともに、境界性パーソナリティー障害という診断もされていた。

病気のせいにしていいのかわからないが、自分の気持ちを抑えることが
できなくなっていた。

どうしたら、彼が私だけをみてくれるのか。
恐怖でもいい、とにかく支配したかった。

体格では勝てない。

作戦が必要だった。

一生懸命勉強して、優等生で、国公立大学も卒業し、
大手企業に就職した。
職場内でも、評価は高く、最短コースで昇格していた。
結婚も理想の相手と出来た。

何もかもが順調だった。

彼と出会って、全てが狂った。

彼のせいだ。

私がいまこんなことになっているのは、彼が悪い。

そんなふうに思うようになった。

でも、勇気がなかった。

犯罪者になる勇気も、彼に嫌われる勇気も。

いつも中途半端だった。

覚悟を決めないといけない。

このままだと本当に人生がおかしくなる。

早く旦那の元へ帰ろう。

頭下げて、やり直させて貰おう。

そうすればよかったのに。

私は感情が抑えれなかった。

彼が家に帰ってこなかったその日、私は彼を手にかけた。
このまま、存在ごとなくなってしまえばいい。

悪いのは私でなく、こうさせた彼なのだから。

こうしないと終わらなかった。私たちは。

運命共同体。離れることなんて許されない。

ずっと一緒にいると誓ったんだ。

あの日の気持ちは消えない。

変わらない。
変わったのは、彼だけ。

彼が悪い。

直してあげないと。気づかせてあげないと。

彼には私が必要。

だから、仕方のないことなんだよ。

私だってしたくない。でも、仕方ないんだ。

これが、私が彼を殺すまでのお話。



その後、私たちは幸せになったのか。わからない。

まだまだ長いこの人生、どうやって生きていくのかも。

過ぎてしまった過去は変えられない。

もう同じ過ちを繰り返さないように。

幸せになりたい。

悪いことをしたとは思ってない。

そうさせた彼が悪いと心から思っている。

彼がいなくなってよかったと思う。

そういえば、ずっと前に、よく当たる占い師に言われた。

彼とは相性よくないよ。彼はいつかあなたのこと嫌いになるよ。

その話を彼にしたら、そんなことありえない、と怒ってた。

でも、やっぱりそうなったよ。

私たちは、終わったよ。

ただの恋だったのかな。
幸せになりたかった。

たくさん愛し合いたかった。

一生一緒にいたかった。

早く忘れたい。

そんな思いで、今回初めて、書いてみました。

読みにくかったと思います。

最後まで、読んでくださり、ありがとうございます。

何かを書くことは、彼に薦められて初めたことでした。

なので、これで終わりにすると思います。

思い出してしまうので。

本当にありがとうございました。

さようなら。
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