私は彼を殺した

25歳(女)小説初心者

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第四話

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前回は終わり際に、センチメンタルっぽくなってごめんなさい。

今回は、私と彼がお付き合いを始めたお話。

結婚してる人間がお付き合いって何よってだけど、そこは一旦置いといて。


偶然会ってから、時々ラインするようになった。
その後、一度だけカフェで数時間お話した。

一度あって彼の魅力を更に感じた。
かっこいい、強さ、まっすぐ、責任感がある、努力家、、、
色々あるけれど、恋は盲目ね。その時は、いいところしか見えなかった。

早くまた会いたかった。
だけど、自粛の関係で飲食店は休業ばかりだし、
夜は特にお酒出してないし、営業時間も短い。昼間は仕事。
平日は会えそうになかった。

飲食店が開いてから、飲みに行こうねって約束していた。
けど、いつになるかわからないそれを私は待てなかった。
いつの間にか、積極的になってた。

ある日の夜にラインで。
自粛開けるまでなんて待てない。
会いたいです。

2人でお酒を飲めるところ。
当時は本当にお店が開いてないから、宅飲みとかになるけど、
うちには旦那がいる。彼の家にも奥さんがいる。

ホテル?ないない。
公園?1月、2月は寒い。

漫画喫茶の個室にした。

彼とお酒を飲んだ。

あっという間だった。

彼は私に全く触れても来なかった。
私も触れてない。

漫画喫茶だし当たり前だけど、少しは覚悟してた。

簡単に手を出してこない、誠実だなと思った。

楽しい時間もお開き。
その日は雨だった。タクシーで帰宅した。

酔っていた私は、帰宅後、彼にお礼ラインに加えてこんなことを言ってた。

貴方は幸せになる人です。ならないとダメです。
私が幸せにします。
漫画喫茶で彼の夫婦関係について少し聞いた。
嫁のDVなどがひどく、離婚調停中とのことだった。

彼は優しい人だから、奥さんに傷つけられてても、
無職の奥さんに冷たく別れを突きつけられないとのことだった。

奥さんも彼の優しさに漬け込んで、あと、恐怖心から奥さんに従う彼に漬け込んで、
家庭内別居で家に居続けた。子供はいない。家事も全くしない。
ただの浪費家、彼には月1万円のお小遣い。やりくりなんてできないから、
彼は借金をしていた。これは後々知ったことだけどね。

そんな中でも、毎日前向きに生きてる彼がかっこよかった。
だからこそ、幸せになって欲しいと心から願った。
それには離婚が必要だと、彼を離婚させることを使命だと思った。

それから、休日のサークルの前後で彼と会うようになった。
と言っても、送ってもらったり、一緒にサークル行ったり、カフェ。
でも、確実に一緒に過ごす時間は増えた、会話も増えた。
とても楽しかった。

そしてあるサークル帰りの夜、まだ家に帰りたくないと
公園で彼と話していた。

そこで、告白された。

でも、お互い今は結婚している。付き合うのはよくないと私は断った。
このまま仲の良い友人でいたいと。好きだし、嬉しかったけど、
不倫して、略奪愛みたいな形になっても幸せになれないと思ったし、
そもそも不倫に抵抗があった。
好きだけどね。

結局その日はそれで解散した。

そっから、連絡は取るけど、会えない日が続いた。

断っといて勝手だし、どっちだよって話だけど、会いてくて仕方なかった。

当時職場復帰していたが、在宅勤務も多く、日中1人で家にいることも多かった。
家でできる仕事は限られていて、暇な時も多かった。
余計彼のことを考えた。

耐えられなくなった私は、彼にラインした。

家にくる?と。

大人が2人きりとわかっていて、家に呼ぶんだ。
覚悟はできていた。

数日後、彼が来た。
お互い在宅勤務のため、仕事していた。

彼の仕事姿は初めて見た。
かっこよかった。

私はやることがなくなったので、ソファーで寝転び、テレビを見ていた。
その間も彼は、机で仕事をしていた。

覚悟は取り越し苦労だったなあ。
まあ、付き合ってないし、そうだよね。
って思った時、彼の仕事がひと段落したようで、
こっちに来た。

一緒にソファーに座ってお話をした。

お話してただけなのに、気づいた、キスしていた。
そのまま、彼と愛し合った。

すごく相性が良くて、びっくりした。

終わった後、彼は改めて付き合いたいと言ってくれた。
後々聞いた話だが、彼は私と愛し合った時に、
絶対に大切にすると心に誓ったらしい。

私も受け入れた。

自分でダメだとわかっていながら、どんどん進んでいった。
私が悪い。家になんて誘ったから。
でも自分の欲求が抑えられなかった。会いたかったんだ。
その時、後悔はなかった。
すでに、私の頭の中は、旦那にどう隠しながら、付き合うかだけを考えてた。
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