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第三話

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今回は、私と彼が仲良くなるお話。

私と彼は、趣味のサークルで出会った。
だけど、奥手で勇気が出ない私は名前を知ったり、話しかけたりすることに
すごく時間がかかった。
未だにラインはできない。
でも、気になる。もっと彼のことが知りたい、そう思っていた。

と、その前に、私のお話を少し。

その頃の私の日常でいうと、うつ病で半年休んだ会社に復職した。
うつ病になった原因の一つである営業職から、事務職に職種転換して。
慣れない事務職。毎朝同じ時間に起きて、電車に乗る。
ルーティンワークをこなし、お昼休み、またルーティンワーク、そして退勤。
この同じことが繰り返される毎日が私は大嫌いだった。

その点、営業職は楽しかった。自分でスケジュール管理ができるし、
あちこち出かけられる。当然、事務作業もあったけれど、人と話すのが好きな私は、
純粋にお客さんと話すの楽しかった。
だから、全国で片手もいない女性営業マンで、表彰されたりするほど、仕事は順調だった。

ただ、上司のノルマ管理が厳しかった。私は達成していたからそこまでだったが、
周りが厳しく詰められているのを見て、自分と置き換えて怖くなった。
他にも色々あったんだが、そこは割愛して、だんだん寝れなくなって、うつ病になった。

そのため、復職するときは、職種転換をしなくてはいけなかった。
病気の再発防止のために。そもそも、治ってなかったけどね。
だから事務職になったんだけど、そもそもデスクワークは向いてなかった。
ずっと座ってるのがとにかく苦痛。

だから、気分転換に外を少し散歩したりして、気分転換してた。

こっからが、私と彼のお話。
仕事もつまんなくて、外をぷらぷら歩いてた。
彼は何してるだろう?仕事は何なんだろうな、とか考えながら。

その時。

目の前を彼が通り過ぎた。


え???

見間違えかと思って、綺麗な二度見をしたことを覚えてる。

それだけじゃない。

彼も私に気づいてくれた。

2人して、なんで???!!!!

そうだよね、お互い仕事の時間に、まさか外でばったり会うとは思ってない。
そんなに田舎でも無いから、オフィスもたくさんあるし、人もたくさんいる。

そんな中、彼と会えたこと、奇跡だと思った。運命だと。
少しだけ彼と立ち話をした。
少し打ち解けた私たち。

その日の夜に彼に私からラインした。
数回ラリーをして、おやすみなさいをした。

そして、2、3日後、耐えられなくて、また私からラインした。
週末、サークルで会えるのに。
彼とのラインはとても楽しかった。

だけど、週末やっと会えたサークルでは、
恥ずかしくて話しかけれなかった。

ほんと何やってんだ自分。

というわけで、彼と仲良くなったお話はここまで。

あの時間、あの場所に散歩行ってなかったら、私が体調崩してなくて営業職のままだったら・・・・
あの偶然は起きなかった。

今でも本当に鮮明に覚えてる。
ああ、書いてたら、思い出してきてしまった。
愛してる。                                          
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