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平日5
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イブさんの通う高校にやってきました。
イブさんはいるでしょうか。
私は校門の外から眺めます。
「……局所的な地震でもあったのかしら?」
そう思ったのには理由があります。
校舎の窓が割れていたのです。
一枚だけではありません。
何枚も割れています。
それに部活動をやっている生徒がいません。
校庭でバイクを乗り回している生徒がいるくらいです。
他の生徒は避難でもしたのでしょうか。
さて、どうやってイブさんを探しましょう。
よその高校ですから、無断で校内を歩き回るわけにはいきません。
それに、そもそも校内にいるかどうかも不明なのです。
誰かに尋ねることができたらよいのですが、この高校に他に知り合いは――
「そういえば」
――知り合いはいないと考えたところで、そうではないことを思い出しました。
知り合いというほど親しいわけではありませんが、顔見知りならいます。
以前、イブさんが私の通う高校に来たときに、何人かを引き連れていました。
あの人達はイブさんと親しいはずです。
イブさんの行方を知っている可能性があります。
私は該当する人物がいないか周囲を見回します。
すると、ちょうど何人かの集団が校門へ向かってきました。
その中の一人が目的の人物でした。
その人物に尋ねることにします。
「あの――」
「なんだ、おまえ?」
しかし、私がその人物に話しかけようとしたところで、それを遮られてしまいます。
別の人物がメンチを切りながら、私に声をかけてきます。
はっきり言って邪魔です。
ですが、私はここでは部外者です。
不審に思われても仕方ありません。
大人しく対応することにします。
「俺らの高校になんか用か?」
「ええ、まあ」
私が素直に答えると、声をかけてきた人物が舐めまわすように私に視線を這わせます。
遠慮の無い視線が少し不快です。
ですが、モデルという見られるお仕事をしているので、見られることには慣れています。
耐えられないほどではないので、我慢します。
「女が一人でここに来るってことが、どういうことかわかってんのか?」
「ひひっ」
何人かが私の周りを取り囲んできます。
変な笑い声を上げている人もいます。
部外者に声をかけるにしても、少し威圧的ではないでしょうか。
そう思っている間に、一人が私の腕を掴んで動けなくします。
そして、もう一人が私のスカートの裾を掴みます。
むっ。
身体検査にしても、やりすぎではないでしょうか。
女子の身体検査を男子がやるのもそうですし、第一ここは屋外です。
デリカシーが足りません。
そういえば、この人達はファッションセンスもよくありません。
学校の制服があるようなのですが、全員それを着崩しています。
しかも、軽いオシャレならよいと思うのですが、なんというかガラが悪いです。
もしかしたら、この人達は不良と呼ばれる人種なのかも知れません。
「なんだ、逃げねえのか? スカートめくっちまうぞ?」
「もしかして、こういうことを期待してここに来たのか? なら、期待に応えねえとな」
セリフから判断して、明らかに身体検査ではありません。
この人達は不良に確定です。
二人以外の人間も私の身体をぺたぺた触ってきます。
これは婦女暴行というやつでしょう。
お仕置きをしなければなりません。
そう考えたところで、一人が何かに気付いたように声を上げます。
「おい、待て! こいつはイブさんの知り合い――」
「あぁ? あの腑抜けた女の知り合いだからって――」
「そうじゃなくて! こいつは――」
声を上げたのは、ちょうど私が尋ねようとした人物です。
向こうも私に気付いたようです。
それに、彼は私を婦女暴行しようとする連中には混ざっていません。
見逃してあげることにしましょう。
「マジカルキック」
「ぐわっ!」
私は彼を射程範囲外に蹴り出します。
マジカルキックをしたはずみで、スカートがめくれ上がります。
その瞬間、スカートの中から、ぼわっと煙が立ち込めます。
スカートの中身を周囲の視線から隠すために、マジカルミストが発動したのです。
「うわっ!? なんだ!?」
「げほっ! げほっ!」
私は包囲網を抜け出すと、先ほど蹴り出した人物を引きずって、さらに距離を取ります。
十分に距離を取ったところで、いまだに咳き込んでいる連中の真ん中に、アレを放り込みます。
「お、おい! まさか!」
引きずっていた人物が何かを言いかけますが、すでにアレは放り投げた後です。
止めることはできません。
「マジカルフレイム」
唐辛子エキスが拡散すると同時に、阿鼻叫喚の光景が目の前で展開されました。
イブさんはいるでしょうか。
私は校門の外から眺めます。
「……局所的な地震でもあったのかしら?」
そう思ったのには理由があります。
校舎の窓が割れていたのです。
一枚だけではありません。
何枚も割れています。
それに部活動をやっている生徒がいません。
校庭でバイクを乗り回している生徒がいるくらいです。
他の生徒は避難でもしたのでしょうか。
さて、どうやってイブさんを探しましょう。
よその高校ですから、無断で校内を歩き回るわけにはいきません。
それに、そもそも校内にいるかどうかも不明なのです。
誰かに尋ねることができたらよいのですが、この高校に他に知り合いは――
「そういえば」
――知り合いはいないと考えたところで、そうではないことを思い出しました。
知り合いというほど親しいわけではありませんが、顔見知りならいます。
以前、イブさんが私の通う高校に来たときに、何人かを引き連れていました。
あの人達はイブさんと親しいはずです。
イブさんの行方を知っている可能性があります。
私は該当する人物がいないか周囲を見回します。
すると、ちょうど何人かの集団が校門へ向かってきました。
その中の一人が目的の人物でした。
その人物に尋ねることにします。
「あの――」
「なんだ、おまえ?」
しかし、私がその人物に話しかけようとしたところで、それを遮られてしまいます。
別の人物がメンチを切りながら、私に声をかけてきます。
はっきり言って邪魔です。
ですが、私はここでは部外者です。
不審に思われても仕方ありません。
大人しく対応することにします。
「俺らの高校になんか用か?」
「ええ、まあ」
私が素直に答えると、声をかけてきた人物が舐めまわすように私に視線を這わせます。
遠慮の無い視線が少し不快です。
ですが、モデルという見られるお仕事をしているので、見られることには慣れています。
耐えられないほどではないので、我慢します。
「女が一人でここに来るってことが、どういうことかわかってんのか?」
「ひひっ」
何人かが私の周りを取り囲んできます。
変な笑い声を上げている人もいます。
部外者に声をかけるにしても、少し威圧的ではないでしょうか。
そう思っている間に、一人が私の腕を掴んで動けなくします。
そして、もう一人が私のスカートの裾を掴みます。
むっ。
身体検査にしても、やりすぎではないでしょうか。
女子の身体検査を男子がやるのもそうですし、第一ここは屋外です。
デリカシーが足りません。
そういえば、この人達はファッションセンスもよくありません。
学校の制服があるようなのですが、全員それを着崩しています。
しかも、軽いオシャレならよいと思うのですが、なんというかガラが悪いです。
もしかしたら、この人達は不良と呼ばれる人種なのかも知れません。
「なんだ、逃げねえのか? スカートめくっちまうぞ?」
「もしかして、こういうことを期待してここに来たのか? なら、期待に応えねえとな」
セリフから判断して、明らかに身体検査ではありません。
この人達は不良に確定です。
二人以外の人間も私の身体をぺたぺた触ってきます。
これは婦女暴行というやつでしょう。
お仕置きをしなければなりません。
そう考えたところで、一人が何かに気付いたように声を上げます。
「おい、待て! こいつはイブさんの知り合い――」
「あぁ? あの腑抜けた女の知り合いだからって――」
「そうじゃなくて! こいつは――」
声を上げたのは、ちょうど私が尋ねようとした人物です。
向こうも私に気付いたようです。
それに、彼は私を婦女暴行しようとする連中には混ざっていません。
見逃してあげることにしましょう。
「マジカルキック」
「ぐわっ!」
私は彼を射程範囲外に蹴り出します。
マジカルキックをしたはずみで、スカートがめくれ上がります。
その瞬間、スカートの中から、ぼわっと煙が立ち込めます。
スカートの中身を周囲の視線から隠すために、マジカルミストが発動したのです。
「うわっ!? なんだ!?」
「げほっ! げほっ!」
私は包囲網を抜け出すと、先ほど蹴り出した人物を引きずって、さらに距離を取ります。
十分に距離を取ったところで、いまだに咳き込んでいる連中の真ん中に、アレを放り込みます。
「お、おい! まさか!」
引きずっていた人物が何かを言いかけますが、すでにアレは放り投げた後です。
止めることはできません。
「マジカルフレイム」
唐辛子エキスが拡散すると同時に、阿鼻叫喚の光景が目の前で展開されました。
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