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休日6
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ちょっと声をかけるだけのつもりだったのですが、女番長さんと一緒にお茶をすることになりました。
「その服、可愛いですね」
「そ、そうか?」
それというのも、ソラ子が女番長さんの衣装を羨ましそうに見ていたからです。
ソラが女性に興味を持つのは避けるべきなのですが、ソラ子は純粋に衣装に興味を持っているだけのようなので、今のところ問題ないでしょう。
ただし、ソラ子にゴスロリは似合いません。
ソラ子にはナチュラルなメイクと衣装が似合います。
ここは譲れません。
ソラ子は私が立派な淑女に育ててみせます。
そんな決意を固めていると、女番長さんがこちらを見てきます。
そうでした。
女番長さんの方も、私に用事があるのでした。
「それで、相談ってなんですか?」
「いや、相談ってわけでもないんだけどな……」
私のせいで大変だったと言っていたわりには、私に相談を持ちかけてきたのです。
これはアレです。
ツンデレというやつです。
空想上の存在かと思っていたのですが、現実に存在したようです。
おそらく天然記念物くらいレアな存在です。
ならば、魔女っ子(代理)として相談に乗らないといけないでしょう。
天然記念物は保護しないといけないのです。
言いづらそうにしていた女番長さんですが、私が促したことで話し始めます。
「可愛い化粧の仕方を教えてくれないか?」
私は生暖かい目で女番長さんを見てあげました。
「…………違うからな」
「わかってますよ」
何が違うのかわかりませんが、女番長さんがツンデレということはわかっています。
これはツンデレのツンというやつです。
ふむ。
しかし、お化粧ですか。
私は女番長さんの顔を観察してから返事をします。
「そのままで可愛いですよ」
これは本心です。
女番長さんは今までお化粧をしていなかったのか、肌がとても綺麗です。
ほんの少しのお化粧で充分に可愛いです。
「キララの言う通りですよ」
ソラ子も私の言葉に同意します。
ソラが異性を褒めるという状況は警戒しなければなりませんが、ソラ子は同姓を褒めているだけなので、問題ありません。
私とソラ子の評価を聞いて、女番長さんが顔を赤らめます。
「お、お世辞を言ったって、騙されないからな! あたしに化粧が似合わないのはわかってるんだ!」
「そんなことないですよ。自然な感じで似合ってます」
「そうですよ。肌が綺麗で羨ましいです」
「~~~~ッ!」
私とソラがべた褒めすると、女番長さんがさらに顔を赤くして悶えます。
これがツンデレのデレというやつでしょうか。
照れて恥ずかしがっている様子が可愛いです。
頬の火照りが天然のお化粧みたいで、色気まで感じます。
やはり、女番長さんには、これ以上のお化粧はいらないように思います。
しかし、女番長さんはそれでは不満なようです。
ひとしきり悶えた後、話を続けます。
「ま、まあ、あたしが可愛いなんてお世辞は、この際、置いておくとしてだ」
「お世辞じゃないです。可愛いですよ」
「そうですよ。可愛いです」
「~~~~ッ! うるせえ!」
可愛いと言われることに慣れていないのでしょう。
キレ気味に照れる姿が、いちいち可愛いです。
なるほど。
これがツンデレという存在ですか。
天然記念物として保護指定されるのも納得です。
とはいえ、このままでは話が進まないので、褒めるのは中断して話を聞くことにします。
「化粧を教えて欲しい理由は、あたしが自分でするためじゃないんだ」
「というと?」
「弟がして欲しいっていうんだ」
「ああ、例の男の娘ですか」
「……ニュアンスがおかしくなかったか? 男の子だからな?」
「ええ、わかっていますよ。可愛い男の娘なんですよね?」
「可愛いのはその通りだが、男の子だからな?」
「わかっていますよ」
なぜか、何度も念押しされました。
それはともかく、女番長さんの要望はわかりました。
しかし、弟さんにお化粧ですか。
「弟さんって、小学生ですよね。お化粧がいるのですか?」
小学生であれば、お化粧なんてしなくても、子供特有の若々しい肌だけで充分に魅力的です。
下手にお化粧をすると、その魅力を損なうばかりか、肌が荒れてしまう可能性もあります。
私がそれを指摘すると、女番長さんは複雑そうな顔で告白してきます。
「いや、あたしも弟が化粧なんてするのは反対なんだけどな。弟に頼まれると断れなくて……」
女番長さんはブラコンのようです。
ツンデレでブラコン。
属性が追加になりました。
次はメガネかネコミミあたりが追加になりそうです。
「その服、可愛いですね」
「そ、そうか?」
それというのも、ソラ子が女番長さんの衣装を羨ましそうに見ていたからです。
ソラが女性に興味を持つのは避けるべきなのですが、ソラ子は純粋に衣装に興味を持っているだけのようなので、今のところ問題ないでしょう。
ただし、ソラ子にゴスロリは似合いません。
ソラ子にはナチュラルなメイクと衣装が似合います。
ここは譲れません。
ソラ子は私が立派な淑女に育ててみせます。
そんな決意を固めていると、女番長さんがこちらを見てきます。
そうでした。
女番長さんの方も、私に用事があるのでした。
「それで、相談ってなんですか?」
「いや、相談ってわけでもないんだけどな……」
私のせいで大変だったと言っていたわりには、私に相談を持ちかけてきたのです。
これはアレです。
ツンデレというやつです。
空想上の存在かと思っていたのですが、現実に存在したようです。
おそらく天然記念物くらいレアな存在です。
ならば、魔女っ子(代理)として相談に乗らないといけないでしょう。
天然記念物は保護しないといけないのです。
言いづらそうにしていた女番長さんですが、私が促したことで話し始めます。
「可愛い化粧の仕方を教えてくれないか?」
私は生暖かい目で女番長さんを見てあげました。
「…………違うからな」
「わかってますよ」
何が違うのかわかりませんが、女番長さんがツンデレということはわかっています。
これはツンデレのツンというやつです。
ふむ。
しかし、お化粧ですか。
私は女番長さんの顔を観察してから返事をします。
「そのままで可愛いですよ」
これは本心です。
女番長さんは今までお化粧をしていなかったのか、肌がとても綺麗です。
ほんの少しのお化粧で充分に可愛いです。
「キララの言う通りですよ」
ソラ子も私の言葉に同意します。
ソラが異性を褒めるという状況は警戒しなければなりませんが、ソラ子は同姓を褒めているだけなので、問題ありません。
私とソラ子の評価を聞いて、女番長さんが顔を赤らめます。
「お、お世辞を言ったって、騙されないからな! あたしに化粧が似合わないのはわかってるんだ!」
「そんなことないですよ。自然な感じで似合ってます」
「そうですよ。肌が綺麗で羨ましいです」
「~~~~ッ!」
私とソラがべた褒めすると、女番長さんがさらに顔を赤くして悶えます。
これがツンデレのデレというやつでしょうか。
照れて恥ずかしがっている様子が可愛いです。
頬の火照りが天然のお化粧みたいで、色気まで感じます。
やはり、女番長さんには、これ以上のお化粧はいらないように思います。
しかし、女番長さんはそれでは不満なようです。
ひとしきり悶えた後、話を続けます。
「ま、まあ、あたしが可愛いなんてお世辞は、この際、置いておくとしてだ」
「お世辞じゃないです。可愛いですよ」
「そうですよ。可愛いです」
「~~~~ッ! うるせえ!」
可愛いと言われることに慣れていないのでしょう。
キレ気味に照れる姿が、いちいち可愛いです。
なるほど。
これがツンデレという存在ですか。
天然記念物として保護指定されるのも納得です。
とはいえ、このままでは話が進まないので、褒めるのは中断して話を聞くことにします。
「化粧を教えて欲しい理由は、あたしが自分でするためじゃないんだ」
「というと?」
「弟がして欲しいっていうんだ」
「ああ、例の男の娘ですか」
「……ニュアンスがおかしくなかったか? 男の子だからな?」
「ええ、わかっていますよ。可愛い男の娘なんですよね?」
「可愛いのはその通りだが、男の子だからな?」
「わかっていますよ」
なぜか、何度も念押しされました。
それはともかく、女番長さんの要望はわかりました。
しかし、弟さんにお化粧ですか。
「弟さんって、小学生ですよね。お化粧がいるのですか?」
小学生であれば、お化粧なんてしなくても、子供特有の若々しい肌だけで充分に魅力的です。
下手にお化粧をすると、その魅力を損なうばかりか、肌が荒れてしまう可能性もあります。
私がそれを指摘すると、女番長さんは複雑そうな顔で告白してきます。
「いや、あたしも弟が化粧なんてするのは反対なんだけどな。弟に頼まれると断れなくて……」
女番長さんはブラコンのようです。
ツンデレでブラコン。
属性が追加になりました。
次はメガネかネコミミあたりが追加になりそうです。
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