魔女っ子になるのはムリそうなので、幼馴染を魔法使いにします！～処女と童貞の焦らしプレイ～

不良退治７

　私は悪人の一人に狙いを定めます。
　私には魔女っ子（代理）なので、一度に複数の敵を倒す魔法はありません。
　だから、一人一人倒す必要があります。

「な、なんだ！？」

　突然駆け出した私を見て、悪人どもは動揺しています。
　チャンスです。
　先手必勝でいきます。

「マジカルクラッシュ！」
「！？！？！？！？！？」

　キーンッ！と音が聴こえそうな勢いで、私の疑似魔法が炸裂しました。
　具体的に言うと、私の拳が悪人の股間にめり込みました。
　悪人は悲鳴を上げることすらできずに蹲ります。
　最初にマジカルキックで倒した悪人に続いて、二人目討伐完了です。
　私は次の獲物を探すべく、悪人どもに視線を向けます。

『ひっ！』

　悪人どもは、私の疑似魔法の威力に怖れを抱いたのか、自分の股間を押さえて震えます。
　しかし、後悔しても遅いです。
　罪を犯したのなら罰は受けるべきです。
　見逃すわけにはいきません。
　私は新たな狙いに向かって駆け出します。

「く、来るな！」

　獲物は股間を押さえて後退ります。
　今度は警戒されているため、マジカルクラッシュでは防がれてしまうでしょう。
　けれど、私も二回連続して同じ攻撃手段を使うつもりはありません。
　手が下がっているため、顔の防御が甘いです。
　私は手のひらサイズの唐辛子スプレーを顔に向かって吹き付けます。

「マジカルファイヤー！」
「ギャッ！」

　悪人が顔を押さえて悲鳴を上げます。
　涙を流しながら咳き込み始めます。
　今日は威力の低い代用品だったので心配だったのですが、ちゃんと効いたようです。
　三人目討伐完了です。

　ちなみに、なぜ代用品かというと、今日は手荷物検査があったからです。
　魔法のステッキを持ってきたら、没収されてしまいます。
　魔女っ子の衣装だけなら、部活のユニフォームと言い張れば見逃してもらえます。
　なぜなら、部活の勧誘で先輩達も着ているからです。

「てめえ！　なにしやがる！」
「俺達になんの恨みがあるんだ！」
「痴女が調子に乗りやがって！」

　おっと、考え事をしている場合ではありませんでした。
　残った悪人どもが私に怒声を浴びせてきます。
　すっかり警戒されてしまったので、これ以上、奇襲は通用しないでしょう。
　ここから先は慎重に行動する必要があります。
　まずは舌戦です。
　先ほどの怒声に対して、一つ一つ言い返します。

「なにをするって、正義の執行よ！　恨みはないけど、悪人という時点であなた達に人権はないわ！　あと、痴女じゃなくて、マジカル☆キララだって言っているでしょ！　痴女って言ったヤツは罪状割増しよ！」

　私の言葉に悪人どもが反論してきます。

「なんで俺達が悪人なんだよ！」
「証拠でもあんのかよ！」
「痴女の方が犯罪者だろうが！」

　どうやら悪人どもは、証拠がないから、自分達は悪人ではないと言いたいようです。
　状況証拠は充分だと思うのですが、物的証拠がなければ言い逃れできると思っているのでしょう。
　でも、甘いです。
　正義の執行者である魔女っ子（代理）に抜かりはありません。

「証拠ならあるわ！　マジカルカメラを使って、一部始終を音声付きで撮影済みよ！　あと、痴女って言ったヤツしつこい！　死刑！」

　私はこれ見よがしにスマートフォンを見せつけます。
　それを見て、悪人どもに動揺が走ります。

「まさか、動画に撮りやがったのか！」
「そのスマホを寄こせ！」
「痴女なら痴女らしく、自分の痴態を撮影してろ！」

　私のスマホを奪うべく、三人の悪人が迫ってきます。
　どうやら舌戦はここまでのようです。
　しかし、悪人どもは冷静さを失っているようなので、舌戦は私の勝ちでしょう。
　私はさらに追い打ちをかけます。

「ちなみに、学校のＳＮＳに投稿済みよ！　あと、痴女って言ったヤツはフルチン姿を投稿してやるわ！　社会的に死になさい！」
「くそっ！」
「そこ動くな！」
「痴女らしく、その衣装を剥いでやる！」

　悪人どもは頭に血が上ったまま殴りかかってきます。
　私は二人の攻撃を避け、三人目の顎に目がけてパンチを繰り出します。

「マジカルパンチ！」

　当たれば脳を揺らし、脳震盪を起こさせることができるパンチです。
　狙う場所もタイミングもバッチリです。

「こんなもん、食らうかよ！」

　けれど、私のパンチはあっさりと受け止められてしまいます。
　狙う場所もタイミングもバッチリでしたが、男女の身体的差異による腕力の違いは大きかったようです。
　私はそのまま腕と掴まれて捕らえられてしまいました。