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第十四章 ヘンゼルとグレーテル
228.ヘンゼルとグレーテル(その9)
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地下にある石造りの冷たい部屋。
そこに女の子がいました。
分厚い本を両手でかかえています。
こんな場所で読書でもしていたのでしょうか。
「だ、だれ?」
女の子は顔の半分を本で隠しながら、怯えたようにこちらを見ています。
わたしとお兄さまと同じか、少し年下でしょうか。
気の弱そうな態度から、年下のように思えます。
「はじめまして。ぼくはヘンゼル、こっちはグレーテルだよ」
お兄さまが女の子に話しかけます。
女の子は声をかけられて、びくりとします。
けれど、お兄さまが微笑みかけると、そっと本の後ろから顔を覗かせます。
むっ。
少し顔が赤いです。
お兄さまの微笑みにやられてしまったのでしょうか。
これは油断できません。
わたしはお兄さまの微笑みを隠すために前に回り込みながら、女の子に話しかけます。
「あなたの名前はなんていうの?」
お兄さまとわたしの名前を教えたのです。
女の子も名乗るのが筋というものでしょう。
しかし、わたしが名前を聞くと、女の子は怯えたように、さっと顔を本の後ろに隠してしまいます。
その様子を見て、お兄さまがわたしの前に回り込みます。
「ねえ、名前を教えてくれない?」
お兄さまが微笑みながら尋ねると、女の子がそっと本の後ろから顔を覗かせます。
「・・・アリス」
女の子が、ぽつりと呟きます。
アリス。
それが、この女の子の名前なのでしょう。
しかし、わたしが聞いたときは答えなかったのに、お兄さまが聞いたら答えるとはどういうことでしょう。
喧嘩を売っているのでしょうか。
「アリスか。よい名前だね」
お兄さまが女の子の名前を褒めます。
すると女の子、アリスがはにかみます。
その様子を見て、お兄さまも嬉しそうにします。
むっ。
これはいけません。
どうやらアリスは、お兄さまの微笑みに、少しずつ心を開いているようです。
このままでは、お兄さまのことを好きになってしまうのは、時間の問題でしょう。
それに、アリスは気弱そうで守ってあげたくなるタイプです。
お兄さまは、こういうタイプを見ると、守ってあげようとします。
なにしろ、絵本でシンデレラがいじめられていると、守りたいと言い出すほどです。
そういうところはお兄さまの美徳ではありますが、女の子を惚れさせてしまうのは困りものです。
なんということでしょう。
せっかく、遠くまでやってきたというのに、こんなところにもお兄さまを狙う敵が現れるとは予想外です。
わたしはお兄さまを隠すために前に回り込みます。
アリスは敵です。
しかし、アリスを敵視するのは得策ではありません。
それでは、お兄さまがアリスを守ろうとして、仲よくなってしまいます。
アリスは、まだお兄さまに惚れるところまでは行っていないようです。
ならば、今のうちに、わたしの方に心を開かせて、お兄さまに惚れるのを防ぐのです。
わたしは極上の笑顔を浮かべながら、アリスに話しかけます。
「はじめまして、アリス。お兄さまから紹介していただいたけど、あらためて自己紹介するわね。わたしは、グレーテル。女の子同士、仲良くしたいわ」
わたしが手を差し出すと、アリスがおずおずと手を伸ばしてきます。
わたしはそれを強引に握ります。
握手です。
これで、わたしとアリスは仲良しです。
「ア・・・アリス。はじめまして」
わたしが自己紹介したからでしょう。
今度はアリスも自己紹介しました。
わたしが握った手を、きゅっと握り返してきます。
ひんやり冷たくて、ぷにぷにした手です。
にぎにぎ。
ぷにぷに。
「え?あの?」
にぎにぎ。
ぷにぷに。
「えっと?」
「グレーテル?」
アリスの戸惑った声と、お兄さまの不思議そうな声に、はっと我に返ります。
感触が楽しくて、ついついアリスの手を何度も握ってしまいました。
失敗です。
アリスの手を離して、こほんと咳払いします。
「ごめんなさい。アリスの手がかわいくて、いつまでも握っていたくなってしまったの」
わたしが正直に言うと、アリスが戸惑いながらも、嬉しそうにします。
「あの、その・・・・ありがと」
きゅんっ!
「?」
なんでしょう。
アリスが嬉しそうにはにかむと、なんだか胸がとくんと高鳴りました。
なでなで。
「えっと・・・」
なでなで。
「・・・えへへ」
気付いたら、アリスの頭を撫でていました。
頭を撫でられてアリスが微笑みます。
だきっ!
「わっ」
気付いたら、アリスを抱きしめていました。
あったかいです。
やわらないです。
ぷにぷにします。
なでなでします。
ほっぺたに頬ずりすると、吸い付くようです。
「お兄さま、アリスを連れて帰って、わたし達の子供として育てましょう」
「えぇ!?」
「グレーテル!?なに言ってるの!?」
どうやら、アリスは魔性の女だったようです。
同じ女であるわたしから見ても魅力的です。
こんな可愛らしい生き物は見たことがありません。
アリスはお兄さまを狙う敵です。
でも、敵として排除するのは惜しいです。
ならば、方法は一つです。
お兄さまと一緒にいても結婚できない関係にしてしまうのです。
それは子供です。
お兄さまとわたしの子供にしてしまえばいいのです。
それで解決です。
「あ、あの、わたしにはヒルダお母さまがいるから困ります」
「グレーテル、落ち着いて」
アリスを抱きしめて頬ずりするわたし。
わたしの抱擁から逃げ出そうとするアリス。
わたしとアリスを引き離そうとするお兄さま。
わたしが正気を取り戻したのは、かなりの時間が経ってからでした。
*****
「しかたありません。子供がダメなら、妹で妥協します。アリスはわたしとお兄さまの妹です」
「は、はあ」
「ま、まあ、妹分ということなら」
わたしの提案に、アリスとお兄さまが快く同意します。
残念ながら、アリスを子供にすることはできませんでした。
でも、妹にすることができました。
考えてみたら、今までわたしの周りには年上はいましたが、年下はいませんでした。
年下というのが、こんなにも可愛い生き物だとは知りませんでした。
保護欲をくすぐられます。
これが母性本能というものなのでしょうか。
「帰ったら、アリスの部屋を用意しなければなりませんね。いえ、一緒の部屋でいいですね」
「あの、グレーテルさま・・・」
「アリス、姉妹なのに他人行儀よ。グレーテルお姉ちゃんと呼んでちょうだい」
「えっと、グレーテルお姉さま」
「グレーテルお姉ちゃん」
「・・・グレーテルお姉ちゃん、わたしのお家はここなのですが」
「引っ越しの手伝いはするから安心してちょうだい」
「いえ、そうではなく・・・」
なぜか、アリスが困ったような顔をしています。
どうしたのでしょう。
妹が困っているのですから、なんとか助けてあげたいのですが、何に困っているかわかりません。
「あの、グレーテル。アリスを妹分にするのはいいけど、連れていくのはムリじゃないかな?」
「なぜ!?」
お兄さまが、とんでもないことを言い出しました。
姉妹が一緒にいるのは当たり前のことです。
それなのに、連れていくのが無理だと言うのです。
意味がわからないわたしが尋ねると、お兄さまが困った顔をします。
「なぜって、アリスにも家族がいるからだよ」
「わたしとお兄さまが、アリスのお兄ちゃんとお姉ちゃんです」
「いや、そうじゃなくて。アリスが、ヒルダお母さまと言っていただろ」
そういえば、そんなことを言っていたような気がします。
なるほど。
全てわかりました。
「娘さんをください、と挨拶に行かなければいけませんね」
「いや、そうでもなくて」
なぜか、お兄さまがさらに困った顔になりました。
そこに女の子がいました。
分厚い本を両手でかかえています。
こんな場所で読書でもしていたのでしょうか。
「だ、だれ?」
女の子は顔の半分を本で隠しながら、怯えたようにこちらを見ています。
わたしとお兄さまと同じか、少し年下でしょうか。
気の弱そうな態度から、年下のように思えます。
「はじめまして。ぼくはヘンゼル、こっちはグレーテルだよ」
お兄さまが女の子に話しかけます。
女の子は声をかけられて、びくりとします。
けれど、お兄さまが微笑みかけると、そっと本の後ろから顔を覗かせます。
むっ。
少し顔が赤いです。
お兄さまの微笑みにやられてしまったのでしょうか。
これは油断できません。
わたしはお兄さまの微笑みを隠すために前に回り込みながら、女の子に話しかけます。
「あなたの名前はなんていうの?」
お兄さまとわたしの名前を教えたのです。
女の子も名乗るのが筋というものでしょう。
しかし、わたしが名前を聞くと、女の子は怯えたように、さっと顔を本の後ろに隠してしまいます。
その様子を見て、お兄さまがわたしの前に回り込みます。
「ねえ、名前を教えてくれない?」
お兄さまが微笑みながら尋ねると、女の子がそっと本の後ろから顔を覗かせます。
「・・・アリス」
女の子が、ぽつりと呟きます。
アリス。
それが、この女の子の名前なのでしょう。
しかし、わたしが聞いたときは答えなかったのに、お兄さまが聞いたら答えるとはどういうことでしょう。
喧嘩を売っているのでしょうか。
「アリスか。よい名前だね」
お兄さまが女の子の名前を褒めます。
すると女の子、アリスがはにかみます。
その様子を見て、お兄さまも嬉しそうにします。
むっ。
これはいけません。
どうやらアリスは、お兄さまの微笑みに、少しずつ心を開いているようです。
このままでは、お兄さまのことを好きになってしまうのは、時間の問題でしょう。
それに、アリスは気弱そうで守ってあげたくなるタイプです。
お兄さまは、こういうタイプを見ると、守ってあげようとします。
なにしろ、絵本でシンデレラがいじめられていると、守りたいと言い出すほどです。
そういうところはお兄さまの美徳ではありますが、女の子を惚れさせてしまうのは困りものです。
なんということでしょう。
せっかく、遠くまでやってきたというのに、こんなところにもお兄さまを狙う敵が現れるとは予想外です。
わたしはお兄さまを隠すために前に回り込みます。
アリスは敵です。
しかし、アリスを敵視するのは得策ではありません。
それでは、お兄さまがアリスを守ろうとして、仲よくなってしまいます。
アリスは、まだお兄さまに惚れるところまでは行っていないようです。
ならば、今のうちに、わたしの方に心を開かせて、お兄さまに惚れるのを防ぐのです。
わたしは極上の笑顔を浮かべながら、アリスに話しかけます。
「はじめまして、アリス。お兄さまから紹介していただいたけど、あらためて自己紹介するわね。わたしは、グレーテル。女の子同士、仲良くしたいわ」
わたしが手を差し出すと、アリスがおずおずと手を伸ばしてきます。
わたしはそれを強引に握ります。
握手です。
これで、わたしとアリスは仲良しです。
「ア・・・アリス。はじめまして」
わたしが自己紹介したからでしょう。
今度はアリスも自己紹介しました。
わたしが握った手を、きゅっと握り返してきます。
ひんやり冷たくて、ぷにぷにした手です。
にぎにぎ。
ぷにぷに。
「え?あの?」
にぎにぎ。
ぷにぷに。
「えっと?」
「グレーテル?」
アリスの戸惑った声と、お兄さまの不思議そうな声に、はっと我に返ります。
感触が楽しくて、ついついアリスの手を何度も握ってしまいました。
失敗です。
アリスの手を離して、こほんと咳払いします。
「ごめんなさい。アリスの手がかわいくて、いつまでも握っていたくなってしまったの」
わたしが正直に言うと、アリスが戸惑いながらも、嬉しそうにします。
「あの、その・・・・ありがと」
きゅんっ!
「?」
なんでしょう。
アリスが嬉しそうにはにかむと、なんだか胸がとくんと高鳴りました。
なでなで。
「えっと・・・」
なでなで。
「・・・えへへ」
気付いたら、アリスの頭を撫でていました。
頭を撫でられてアリスが微笑みます。
だきっ!
「わっ」
気付いたら、アリスを抱きしめていました。
あったかいです。
やわらないです。
ぷにぷにします。
なでなでします。
ほっぺたに頬ずりすると、吸い付くようです。
「お兄さま、アリスを連れて帰って、わたし達の子供として育てましょう」
「えぇ!?」
「グレーテル!?なに言ってるの!?」
どうやら、アリスは魔性の女だったようです。
同じ女であるわたしから見ても魅力的です。
こんな可愛らしい生き物は見たことがありません。
アリスはお兄さまを狙う敵です。
でも、敵として排除するのは惜しいです。
ならば、方法は一つです。
お兄さまと一緒にいても結婚できない関係にしてしまうのです。
それは子供です。
お兄さまとわたしの子供にしてしまえばいいのです。
それで解決です。
「あ、あの、わたしにはヒルダお母さまがいるから困ります」
「グレーテル、落ち着いて」
アリスを抱きしめて頬ずりするわたし。
わたしの抱擁から逃げ出そうとするアリス。
わたしとアリスを引き離そうとするお兄さま。
わたしが正気を取り戻したのは、かなりの時間が経ってからでした。
*****
「しかたありません。子供がダメなら、妹で妥協します。アリスはわたしとお兄さまの妹です」
「は、はあ」
「ま、まあ、妹分ということなら」
わたしの提案に、アリスとお兄さまが快く同意します。
残念ながら、アリスを子供にすることはできませんでした。
でも、妹にすることができました。
考えてみたら、今までわたしの周りには年上はいましたが、年下はいませんでした。
年下というのが、こんなにも可愛い生き物だとは知りませんでした。
保護欲をくすぐられます。
これが母性本能というものなのでしょうか。
「帰ったら、アリスの部屋を用意しなければなりませんね。いえ、一緒の部屋でいいですね」
「あの、グレーテルさま・・・」
「アリス、姉妹なのに他人行儀よ。グレーテルお姉ちゃんと呼んでちょうだい」
「えっと、グレーテルお姉さま」
「グレーテルお姉ちゃん」
「・・・グレーテルお姉ちゃん、わたしのお家はここなのですが」
「引っ越しの手伝いはするから安心してちょうだい」
「いえ、そうではなく・・・」
なぜか、アリスが困ったような顔をしています。
どうしたのでしょう。
妹が困っているのですから、なんとか助けてあげたいのですが、何に困っているかわかりません。
「あの、グレーテル。アリスを妹分にするのはいいけど、連れていくのはムリじゃないかな?」
「なぜ!?」
お兄さまが、とんでもないことを言い出しました。
姉妹が一緒にいるのは当たり前のことです。
それなのに、連れていくのが無理だと言うのです。
意味がわからないわたしが尋ねると、お兄さまが困った顔をします。
「なぜって、アリスにも家族がいるからだよ」
「わたしとお兄さまが、アリスのお兄ちゃんとお姉ちゃんです」
「いや、そうじゃなくて。アリスが、ヒルダお母さまと言っていただろ」
そういえば、そんなことを言っていたような気がします。
なるほど。
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